日本のフォークを旅してみれば | スマイルはタダ・・・

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シンガー・ソングライター、
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( Photo by 堪忍 with EOS M 22mm )


日本のフォークがかなり手薄な堪忍

 私の中で、気になりつつも手薄な分野の1つとして、
日本のフォークがあります。
 それなりに気になるアーティストは何人かいて、
レンタルショップや中古CD屋を巡っては探してきたのですが、
いつも「ない」か、「高い」のどちらかが多く、
既に何度も見送ってきました。

 そんな中、
地元に出来た新しいTSUTAYA(蔦屋書店)に・・・

あるんです。
今まで、借りたくても見つからなかったCD達が沢山!


今回は、その中でも、
やっと借りてきた日本のフォークとその周辺から4枚をご紹介。


借りてきたCD達



・金延幸子 「み空」


【 出会い 】
 私が初めて金延さんの存在を知ったのは、
URC Anthologyという企画盤で、
URCレコードを代表するアーティストさんたちを集めたものだったと思います。
その透き通るような声とメロディに惹かれたように記憶しています。

【 まさに、日本のジョニ・ミッチェル 】
 実際に聞いてみると、
まさに噂に違わぬ「和製ジョニ・ミッチェル」
当然それをかなり意識もしているでしょう。

 まず1曲目「み空」では、歌が入ってきた瞬間にジョニ・ミッチェルが見え、
2曲目「あしたから遠くへ」は、
イントロのアルペジオのコード進行から
バンドインの仕方までそっくり。

【 Joni Mitchell好きと、はっぴいえんど好きに 】
 本アルバムが細野晴臣プロデュースということもあり、
 3曲目「空はふきげん」7曲目「青い魚」は、
「なのです~」等の歌詞も含めてかなりはっぴいえんど感があります。
7曲目はベースラインのオブリガートが細野さんっぽい。
ただ、そういう曲では歌が一気に下手に聞こえるという不思議(笑)

 そういう意味では、Joni Mithellが何よりも大好きという方にとっては、
偽物感を感じてしまうかもしれません。
 むしろ、はっぴいえんど好きな方(特にはっぴいえんどのフォーキーな側面が好き)とかの方が、
このサウンド「も」楽しめるのかもしれませんね。





・はちみつぱい「センチメンタル通り」



【 あ、The Band 】
 全体として、コーラス・ワークの押し方リズム隊のサウンドペダルスティールで、
「和製The Band」感が強く、
そこに時々CSN&YやThe Beatlesが顔を出す、という感じ。

 代表曲の1つである1曲目「塀の上で」や、2曲目「土手の向こうに」なんかでは、
コーラス・ワークをドーンと押し出していて、
曲やサウンドと共に、和製The Band感がかなりあります。

【 オ、オマージュ・・・か? 】
 「塀の上で」はThe Bandの「I Shall Be Released」みたいなメロデイで、
「へ~い、のぉうえ~で~」と歌い、
 「土手の向こうに」はThe Bandの「The Weight」のように、
「土手の向こうに~」の輪唱。
・・・ちょっと、パクリ過ぎでないか、慶一さん・・・(笑)

 ちなみに、5曲目「釣り糸」は、
バンド名の由来でもあるThe Beatlesの「Honey Pie」そっくり。
7曲目「月夜のドライブ」は、
現代のバンド「森は生きている」に通ずる何かを色濃く感じました。

【 V.S.はっぴいえんど 】
 個人的な印象の中で、
好敵手である「はっぴいえんど」と比べてみると、
よりフレーズやサウンドともにオリジナリティがハッキリしている「はっぴいえんど」に対して、
「はちみつぱい」はどこか「何かっぽさ」が残る印象です。

 とはいえ、サザン・ロックやその辺の音楽が好きな人にとっては、
たまらないバンドかもしれません。





・西岡恭蔵 「ディランにて」

 今回、金延幸子に次ぐ、2番目の目玉がこちら。
なんといってもジャケットが格好良い・・・!
井上陽水の「氷の世界」のような質感ですよね。

【 出会い 】
 西岡恭蔵さんを知ったのも、
これまたURC Anthologyに入っていた「ディランⅡ」の「プカプカ」が、
衝撃的に良くて耳コピしたことからでした。
(そちらは西岡さんヴォーカルじゃない?)

【 メロディセンスがストライク! 】
 この時代のフォークの人たちの基本かもしれませんが、
やはりサビのメロディセンスが素敵です。
 
 後は好みの問題だと思うのですが、
そういった意味では私にとって、かなりのジャストミート
とりあえず1曲目「サーカスにはピエロが」から、
早速耳コピしたくなる。
 今のところの好みでは、
メロディセンスでは
加川良さんか西岡恭蔵さん、という感じですね。

いやぁ、素晴らしい。





・岡林信康 「わたしを断罪せよ」


【 後回し後回しにして、やっと出会った ”フォークの神様” 】
 このアルバムは、上で紹介したアルバム達とは違って、
別に今までのTSUTAYAにも置いてあったし、
何度も手に取っていました。
 しかし、その度に、「いや、今度でいいか」と、
陳列棚に戻していた一枚
なのです。


【 1曲が独り歩きした弊害 】
 なぜ、あと一歩、
借りるとこまで踏み込めなかったのか。

 それは多分、
私がそれまで唯一聞いたことのあった「山谷ブルース」のイメージと、
このアルバム・タイトルの仰々しさに気圧されていたからだと思うのです。

 唯一知っている重苦しい印象の曲と、大上段に構えたタイトル。
心して聞かねばならないような気になって、
「勉強のために」と手を伸ばすものの、最後の一段でいつも引き返していたのでした。
  勿論単純に、
「山谷ブルース」のメロディが別に好きじゃなかった、というのもありますが・・・。


【 そして見えてきた、懐の広い唄い手 】
 心して再生ボタンを押してみて驚きました。
1曲目「今日をこえて」の雰囲気は、
これまでの私の中の岡林信康イメージとは全く違うものでした。
 勿論、底抜けで明るいとか、何の毒気も無いなんてことはありませんが。
しかし、なにか乾いた秋風のように、
スカッとした雰囲気がそこには漂っているのです。

 2曲目「ランブリング・ボーイ」3曲目「モズが枯木で」になるとそこから更に一歩進んで、
牧歌的なコードの響きや透き通るような声がフィーチャーされ
唄い手としての岡林信康の繊細さ・丁寧さを感じることが出来ます。

 もちろん、8曲目「戦争の親玉」9曲目「それで自由になったのかい」のように、
絞り出すようにメッセージを叫び、
弦を引きちぎるようなストロークをぶつける楽曲もあり、
それらは、個人的に「山谷ブルース」より断然好きでした。

 こう考えると、私は相当「山谷ブルース」と相性が悪かったし、
そこに引きずられて、出会うまでにかなりの時間を要したんだなぁ、と分かります。

【 有名曲≠代表曲 】
 当たり前のことですね。
しかしもし、皆様の中にも同じように
岡林信康といえば「山谷ブルース」のイメージのみ、みたいな方がいらっしゃったら、
是非是非、まずは勇気を出してアルバムを買うか借りるかしてみることをオススメ致します。

ちなみに、下のYouTube動画の音源、
バックの演奏ははっぴいえんどだそうです。


 以上、つい最近借りた日本のフォーク(とロック)のCDでした。


ではでは。

次回は
借りたCDヒップホップ編か、
西岡恭蔵とPharell Williamsを取り上げて、そのサウンドについての記事でも書こうかと思います(笑)



今後のライブ

7/13(日) @LOOP annex(渋谷)
OrganZaka-ROCKERS

【時間】open/start 17:00/17:30

【料金】前売/当日 ¥2600/¥3100(+1drink)

【出演】B.o.Mband/Lotus Land/JUGGER NOTES/THE ROAMERS/nasu.