くにたち公民館には付属の図書室もあり、私はそのどちらもよく利用しています![]()
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ここに紹介する本「お探しものは図書室まで」(青山美智子著ポプラ文庫―2021年本屋大賞2位)の舞台も、とあるコミュニテイーハウス(以下コミハ)とその付属の図書室なので、何となく親しみを覚えて読み始めました![]()
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ただ一つ違っているのは、この本に登場する図書室にはちょっと風変わりな、でもとても優秀な司書、小町さんがいるのです![]()
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どんな風に変わっているかというと、
例えば、スキルアップの為にコミハでPC教室に通い始めた21歳の婦人服販売員、朋香には、小町さんは「何をお探し?」と尋ね幾つか質問をした上で、ワード&エクセル入門書など初心者向けのPC専門書を何冊か提示し、その上更に、何故だか「ぐりとぐら」の童話を紹介、おまけとしてフライパンの形をした羊毛フェルトをあげるのです![]()
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朋香は、一見PCとは全く関係のない本に戸惑うけれど、借りて読んでみるとその時の自分の心境にぴったり、おまけにぐりとぐらのカステラ作りに魅了され遂には手作りに挑戦、結果、出来上がったカステラを挟んで職場での人間関係がスムースにいくようになります![]()
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また、趣味を求めてコミハの囲碁講座に初参加した定年退職者正雄には、小町さんは囲碁の本に加えて草野新平の詩集を紹介し、カニの羊毛フェルトをプレゼントします![]()
正雄は心平の詩集を読んで魅了され、それを書店勤めの娘とシェアすることで長らくのわだかまりが溶け、親娘の関係が修復されていきます![]()
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他に登場するのは、家具メーカーの経理部に勤めるサラリーマンだったり、子育てと仕事の両立に苦しむトレンド雑誌の編集者だったり、漫画家への夢破れたニートなど、いずれも人生や仕事の上で行き詰まりを感じ悩みを抱える人たち![]()
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彼らが図書室を訪れ司書から紹介された本を読んだことがきっかけで、未解決と思い込んでいた難問への答えらしきものを見つけていく・・・
そんなストーリーです![]()
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私自身、通常は借りたい本が既に決まっていて図書館を訪れることが多いのですが、もしこんなユニークな司書が実在するマジカルな図書館が実在するのならば、是非訪れてみたいものだと思わされました![]()
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(別に人生に行き詰まっている訳ではないけど、自分向けの思わぬ本が紹介されるなんてそれだけでワクワクしますよね?)
ちなみにかの司書小町さんは、どうやって付録の本を選ぶかと尋ねられ、「何となく」「インスピレーション」と返事、
その上で、「本も付録もその意味は自分で探し当てる、作り手や紹介してくれた人の狙いとは関係のないところでその人が自分自身に紐づけてその人だけの何かを得る」と付け加えた言葉が印象的でした![]()
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(後書きには本書の中で取り上げられた本のリストも掲載されています)
この本は <What You Are Looking for Is in the Library >というタイトルで英訳されていて、海外の<日本人作家の翻訳本ファン>の間でも好評のようです![]()
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現に、オーストラリアの私のメル友も偶然この本を読んでいたのには驚かされました![]()
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