離乳食に推奨される炭水化物は「精製」されたものが基本で、白米、精米された小麦粉で作ったパンなど、発達していない赤ちゃんの胃に消化負担にならないものが指南されている。

 

玄米、雑穀、全粒粉パンなど大人達にとって精製された炭水化物よりも栄養分が多く含まれていて腸活に良いとされている所謂「白くない炭水化物」は赤ちゃんには推奨されない。

 

本当にそうなのだろうか?

 

そう思ったのは子供が1歳を過ぎて断乳をした時だった。

それまで完全母乳で育てていた子供の食生活がガラッと変わったタイミングでもある。

小さな子供の体に大きな変化が起こった。

便の臭いである。臭くなった。

 

母乳中心の食生活をしていた子供の便は臭さはあるものの、ほのかに乳酸菌的な香りが含まれていた。

 

断乳後、その乳酸菌的香りが消えてしまった。。。

 

なぜ?それは人の母乳には130種類ほどのオリゴ糖が含まれていると言うが、ある日、赤ちゃんの体に取り込まれなくなってしまった事が原因だったのではないだろうか。実はヒ

トはオリゴ糖を消化できないが、オリゴ糖は腸内細菌の大切なエサ*で、子供の腸活には不可欠で、それが香しい乳酸菌的香りに繋がっていたのだと思う。

 

その頃から、子供に精製されていない炭水化物、玄米を与えると言う選択肢を真剣に考え出した。

 

そして、出会ったのが福岡市にある高取保育園の試み。ゼロ歳児から玄米和食を実践して早50年。園長の西福江さんの著書を読み、今まで引っかかっていた事が溶けていき、納得して子供の玄米和食を始めている。それは白米を玄米に替えることだけではなく、本物の食の感覚を育むことであり、甘みに偏らない味の教育であり、発酵食などももちろん取り入れる。よく噛むことや、食事の後片付けの手伝い、子供の頃から陶器を食器として扱うことも含まれている。総合的なアプローチが重要なのだと改めて感じている。

 

私が取り入れている1歳児の子供の食事は酵素玄米。そのままで食べさせることもあるが、ほとんどの場合はポタージュ状にして食べやすくしていている。子供の便を見ると玄米は消化されていない事が多い(子供がまだよく噛めていないことも理由の一つだが)。高取保育園ではゼロ歳児から玄米クリーム(煎った玄米を10倍の水で炊いて、漉して、クリーム状にしたもの)を出している事にヒントをもらった。




 

タンパク質について、大豆はそのままでは大人でさえ消化しにくい。今は子供にお豆腐を頻繁にあげているが、もしかしたら多すぎるのかもという気がしている。納豆も大好きで3日に2回食べているが、納豆以外の豆の取り入れ方は考える余地がありそう。納豆も酵素玄米も発酵によって消化しやすくなるはず。さらに他の方法も探ってみよう。子供の腸活をこれからも学び、実践してみたいと思う。

 

玄米を取り入れ始めてから、子供の便の臭いは少しだけ良くなった気がしている。。

 

*腸内細菌の中でも「ビフィドバクテリウム属の細菌は特殊な酵素を生成して、オリゴ糖を唯一の食糧源とする。その廃棄物としてでるのが短鎖脂肪酸だ。酪酸、酢酸、プロピオン酸は三大鎖脂肪酸だが、この時四番目の短鎖脂肪酸である乳酸塩(特に乳酸と呼ばれることもある)が放出される。これが赤ん坊にとって貴重な物質となる。乳酸塩は大腸の細胞に吸収され、赤ん坊の免疫系の発達に重要な役割を果たす。簡単に言うと、大人に食物繊維が必要なように、赤ん坊には母乳に含まれるオリゴ糖が必要なのだ」(あなたの体は9割が細菌 河出書房新社 より引用)

発酵は温度と湿度が命といっても過言ではない。

そして60度というのが微生物の活動の境のよう。

 

60度は酵素が死活する温度。さらに低温殺菌法で用いられる温度は60度-65度。つまり生きた酵素を体に取り入れるために、60度以下で調理した食べ物の方がいい。

 

1)お味噌の酵素や乳酸菌を活かして体に取り込みたいなら、お味噌汁はグツグツ煮ないで。生味噌に近い状態で体に取り入れて。

 

味噌汁をグツグツ加熱するのではなく、出汁と具を十分加熱して火を止めてから味噌を入れる方が味噌の中にある生きた酵素を期待できる。味噌汁を食べる時間帯が異なる家族がいる場合は、お鍋には味噌を入れず、出汁と具だけに留めておき、飲む直前にお椀に直接お味噌を入れて、出汁と具を注ぐスタイルをお勧め。このスタイルは自分好みの味噌を選べる利点もあり。例えばお父さんは豆味噌、子供は麦味噌、お母さんは米味噌のように。

 

2)麹の甘みを引き出したいなら、50-60度。炊飯器の保温機能がおすすめ。

 

麹の糖化作用を活かした発酵食品甘酒などを作る場合は50-60度の状態を数時間保つことが重要。60度は超えないで。大切な酵素が壊れてしまうから。

 

3)塩麹を作るなら常温で。

 

甘さよりも麹が引き出す旨味やお肉などのタンパク質を柔らかくする分解作用を活かしたい塩麹。自分で作る場合、常温で麹、塩、水を混ぜたものを約1週間寝かせるのをお勧め。30度前後の環境で、湿度があれば麹菌は活発に繁殖する。

保存は冷蔵庫で。漬け肉などする場合は常温で寝かせるとお肉などはスピーディに柔らかくなる。(長時間になる時は冷蔵庫で)

 

4)乳酸菌は低温でも元気。味噌の乳酸菌を活かしたい場合は生味噌を。

お漬物、キムチ、ヨーグルトなど乳酸菌が豊富と言われる食べ物は冷蔵庫保存が多い。というのも一般的な酵素の至適温度が35度-60度だが、乳酸菌の生育温度条件は4-50度。低温でも元気なのが乳酸菌の特徴。一方死活温度も低い。乳酸菌を取り入れたいときは高温調理はNG。低温(といっても常温も低温の範囲)で取り入れて。

 

下記は面白かったのでまとめてメモしてみた。

 

[60度-65度]

・酵素死活温度

・低温殺菌(パスツリゼーション)法では60-65度を数分〜10分で殺菌作用。

 

[50度-60度]

・酵母やアミラーゼなどの酵素活性が死活する。

・一方麹菌が活発に活動して糖化が行われる。ウィスキーの麦芽の最適糖化(酵素分解)も行われる。

 

[50度]

・乳酸菌の死活温度。

 

[30度前後]

・酵母の活動にに適した温度(45度まで酵母による二酸化炭素の発生進む)。

・麹菌の活発に繁殖する温度(湿度70-80%)。

 

[36度-37度]

・人間の体温

 

[30度-35度]

・麹菌胞子の発芽最適環境条件(高湿度の場合)

・酢酸菌の発酵適温

 

[25度-30度]

・赤ワインの発酵温度

 

[15度前後]

・白ワインの発酵温度

 

 

参考文献

発酵食品学 小泉武夫

乳酸菌とビフィズス菌のサイエンス 日本乳酸学会

少し前になるが今年2月に参加した発酵祭の思い出しノート。

 

乳酸(2-3)の日、2月3日に行われたイベント。いわゆるお祭りではなかったけれど、なかじさんの言葉を引用すれば「

「発酵祭」は「発酵からヒト・モノ・コトを考える!」をテーマ」にしているに発酵トークライヴ・イベント。

 

5時間のトークにベビーを連れて行くのは大丈夫かな?と思ったけれど、トーク登壇者が再会したいウエダ家、会ってみたかったtaccoさん、尊敬するなかじであったこと、また子連れokがはっきりと明記されていたことが後押しとなり、参加を決めました。

 

発酵祭は「色んな分野に共通する発酵の原理・法則を見出し、ヒト・モノ・コト+世の中がより良く発酵していく発酵の視点からの「暮らし方・生き方」を探って行き、社会にシェアしていくイベントです!」(miyamiya homepage)とあるけれど、4ヶ月前に聞いたこと考えたことがじわじわと私の中で発酵して自分らしい発酵する暮らし方、生き方の方向性が少しずつ見えてきているという感じ。




 

なかじトークからの学び

- 日本人が昔ながらに身につけていた自然界の乳酸菌を活かす発酵の知恵。農文協の「諸国どぶろく宝典」に掲載されている十人十色の乳酸発酵の応報。お酒造りの乳酸発酵の鍵となる菩提酛、生酛は伝統的なドブロク作りからヒントを得ている。(例えば諸国どぶろく法典には焼おにぎり、白米、米のとぎ汁を使ったくされもとで乳酸発酵を促したり。この本については別の機会にブログで書きたいと思うが、原始的だけど効率的な乳酸発酵の知恵が満載で興味深い)

- 乳酸発酵の3つの大切な法則。嫌気性(酸素をなくす)、低温(乳酸菌は低温に耐性がある)、塩。

- 発酵は、えさと環境を用意するとそこに見合った発酵をする。


(なかじのトーク、微生物と共存する人間達←このイメージに激しく共感)


 

ウエダ家は遡ること2013年発酵食品サミットでウエダ家とまほろば(北海道)のセッションで関わらせていただいた理、ウエダ家が目黒にスタジオを構えていた頃には何度もワークショップで学ばせていただいた。野生酵母、微生物基準の基本は彼らから学んだ。今回は久しぶりだった。彼らにしか語れない微生物基準で考えるミクロからマクロの乳酸菌トークを展開。個人的に面白かったのは

- 乳酸桿菌と乳酸球菌の役割の違い。繁殖タイミングの違い。(別の機会で掘り下げる予定)

-  クロストリジウム属細菌とアレルギーの関係性(もっと勉強したい)

 

最後Taccoさん。これまではTGG豆乳ヨーグルト研究会(facebook page)のメンバーにしていただき、taccoさんやその仲間から共有される情報から学ばせていただいていた。ご本人のお話を伺えるとのことで興味津々。ご本人は写真の通り透明感のあるチャーミングな女性。それだけでなく芯が強く、視点が広く深い素敵な方。

まさに地に足が着いた発酵生活を正確に、且つ愛と冒険心を持って、ロジックを持ってリスナー私たちに共有してくださった。心に響くトークだった。最近のクロワッサンの発酵特集にも彼女が登場していたので、彼女の魅力を知りたい方はぜひご覧あれ。

- 今の世の中、グルテンフリーや色々私達は体に悪いとして排除しようとしてることが沢山あるが、究極的には人間が色々排除しようとすればするほど、人間が自然界から排除されていく。

- コメのとぎ汁を使った水キムチ。(目から鱗)

 

 

 

メモ書きになってしまったが、容赦を。

 

最後に乳酸菌を取り入れるヒントとして、毎日少し味噌を摂取することは良いと登壇者みなさまが合意していたことに勇気を得た。