発酵は温度と湿度が命といっても過言ではない。

そして60度というのが微生物の活動の境のよう。

 

60度は酵素が死活する温度。さらに低温殺菌法で用いられる温度は60度-65度。つまり生きた酵素を体に取り入れるために、60度以下で調理した食べ物の方がいい。

 

1)お味噌の酵素や乳酸菌を活かして体に取り込みたいなら、お味噌汁はグツグツ煮ないで。生味噌に近い状態で体に取り入れて。

 

味噌汁をグツグツ加熱するのではなく、出汁と具を十分加熱して火を止めてから味噌を入れる方が味噌の中にある生きた酵素を期待できる。味噌汁を食べる時間帯が異なる家族がいる場合は、お鍋には味噌を入れず、出汁と具だけに留めておき、飲む直前にお椀に直接お味噌を入れて、出汁と具を注ぐスタイルをお勧め。このスタイルは自分好みの味噌を選べる利点もあり。例えばお父さんは豆味噌、子供は麦味噌、お母さんは米味噌のように。

 

2)麹の甘みを引き出したいなら、50-60度。炊飯器の保温機能がおすすめ。

 

麹の糖化作用を活かした発酵食品甘酒などを作る場合は50-60度の状態を数時間保つことが重要。60度は超えないで。大切な酵素が壊れてしまうから。

 

3)塩麹を作るなら常温で。

 

甘さよりも麹が引き出す旨味やお肉などのタンパク質を柔らかくする分解作用を活かしたい塩麹。自分で作る場合、常温で麹、塩、水を混ぜたものを約1週間寝かせるのをお勧め。30度前後の環境で、湿度があれば麹菌は活発に繁殖する。

保存は冷蔵庫で。漬け肉などする場合は常温で寝かせるとお肉などはスピーディに柔らかくなる。(長時間になる時は冷蔵庫で)

 

4)乳酸菌は低温でも元気。味噌の乳酸菌を活かしたい場合は生味噌を。

お漬物、キムチ、ヨーグルトなど乳酸菌が豊富と言われる食べ物は冷蔵庫保存が多い。というのも一般的な酵素の至適温度が35度-60度だが、乳酸菌の生育温度条件は4-50度。低温でも元気なのが乳酸菌の特徴。一方死活温度も低い。乳酸菌を取り入れたいときは高温調理はNG。低温(といっても常温も低温の範囲)で取り入れて。

 

下記は面白かったのでまとめてメモしてみた。

 

[60度-65度]

・酵素死活温度

・低温殺菌(パスツリゼーション)法では60-65度を数分〜10分で殺菌作用。

 

[50度-60度]

・酵母やアミラーゼなどの酵素活性が死活する。

・一方麹菌が活発に活動して糖化が行われる。ウィスキーの麦芽の最適糖化(酵素分解)も行われる。

 

[50度]

・乳酸菌の死活温度。

 

[30度前後]

・酵母の活動にに適した温度(45度まで酵母による二酸化炭素の発生進む)。

・麹菌の活発に繁殖する温度(湿度70-80%)。

 

[36度-37度]

・人間の体温

 

[30度-35度]

・麹菌胞子の発芽最適環境条件(高湿度の場合)

・酢酸菌の発酵適温

 

[25度-30度]

・赤ワインの発酵温度

 

[15度前後]

・白ワインの発酵温度

 

 

参考文献

発酵食品学 小泉武夫

乳酸菌とビフィズス菌のサイエンス 日本乳酸学会