翌朝、再び飯田線に乗る。
交通系ICカードは使えない。
これぞローカル線!
駅が異様に多い。
本線は様々な地方鉄道を統合したため、駅を省略できなかったようだ。
我人生で、本線に乗ったのはほんの数回だけ。天竜の秘境駅独特の風情を覚えている。
豊橋駅で乗り換え。
蒲郡でクラシックホテルまでタクシー。
荷物を預けて、タクシーで形原温泉あじさいの里のあじさい祭りへ。
亡母を連れて、見物したことはあったが、こんなにみごとだったとは。
丘の斜面に咲き競う、多種多色の豪華な花のオンパレード。
階段を上ると、神秘的なほだら池が広がり、あじさいもちらほら。見晴らしがよく、三河湾の島々も。
しかし、近くに昼食スポットはない。
湯は枯渇し、旅館は1軒残っているだけ。
さびれに寂れてしまった。
何度もお茶やランチで来たことがあるが、宿泊は初めて。
旅行社のサービスで、ケーキとコーヒーを頂く。
甘いものは苦手だが、空腹なのでテラス席へ。
すごい眺めだ。
多島海の複雑な造形美を存分に楽しむ。
海鳥と夕陽も加わり、日常を完全に脱却。
トワイライトタイムサービスのビールを飲みながら、至福の時を過ごした。
夕食は海の見えるダイニングルームで。
スパークリングワイン1杯のサービスあり。
目の前は竹島。
長い桟橋が残照の中に浮かび上がる。
こんなにじっくりと海を見ながらのデイナーは、滅多にないことだ。
地元産の深海高級魚クロムツとアカザエビの料理が出た。
あっさり味。
メインは牛フィレ肉のカツレツだ。
菊池寛や志賀直哉、川端康成らが愛した、クラシックな味わい。
柔らかくて、コクのある不思議な食感。
病みつきになりそう。
総じて昔懐かしい味を再現している。
クラシックホテルならでは、といおうか。
全国に9つあるクラシックホテルのうち、3つに宿泊したが、どこもレトロな味だ。
1934年完成の建物は城郭建築。
内装はアールデコ様式。昇降機の階表示針は銅製の重厚なもの。現在も現役だ。
マントルピースやソファに歴史を感じる。
古い建物が好きなので、館内ツアーを期待したが、用意されてなかった。
さて、クラシックホテルの朝飯は?
結構、和食の質が高いので選んでいたが、今回は和と洋をそれぞれ頼んでみた。
がっかり!
とくに洋は、家の朝食と変わらない。
オムレツこそシェフの味だが、質量ともにお粗末すぎる。
ここまで気に入っていたのに、一気に⭐️が一つ減った。
しかし、あと6つあるクラシックホテル、全部制覇したいな。
食堂もバスもまばらや四葩祭
一目千本堕ちし湯街の四葩祭
麓より見上ぐるがよし四葩丘
紫陽花の坂とコラボや補陀ヶ池
多島海クラシックホテルを巡る夏
深海魚クラシックホテルの夏メニュー
テラス席夏の島なみ欲しいまま
昇降機の階を指す針夏深し