・結びの地意外と都会水まんじゅう 姫 | 80代。マダムクニコの人生ブラボー!

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コピーライター歴30年以上。
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70代で、仕事を娘に譲り、今は
のんびり余生を楽しんでいます。
日記のブログは初めてですが、映画や旅、グルメ、俳句、芸術、読書など、自分史の積もりでいろいろ書いていきます。

・結びの地意外と都会水まんじゅう 姫



2か月に1度の酒呑み句会。

今回も4名で。

岐阜の句友が大垣吟行を設定してくれた。


父方の祖父がこの地出身なのに、数えるほどしか訪れていない。


大垣駅に着くと、その足で夏の名物水まんじゅう屋へ。

夕方には売り切れてしまうので、粋な計らいだ。

さすが岐阜の連衆。


老舗のつちやさんの店内コーナーで、こしあんを透明な皮で包んだ、冷たい水まんじゅうを頂く。

甘味が苦手でも、スルッと喉を通る。

井戸水で冷やすのは、水都ならではの楽しい趣向だ。







英気を養った後は、大垣城へ。

ビル群を従えた、明るい平城だ。

天守の最上階に登っても、見えるのはビルばかり。

一角からようやく、伊吹の山並みが臨めた。


天守の1階に、立派な御殿箪笥があった。

これほど豪華ではないが、義母の形見の箪笥を愛用している。

義母の先祖は仙台藩に仕えていて、お下がりを頂いたらしい。


猛暑日。

水が恋しい。

水都だけに、城内の井戸水を汲むことができる。

市内各所に湧水スポットがあり、市民の日常に役立っているそうだ。

200年の歴史を含んだ味わい。







隣接の郷土館へ。

大垣藩家老の旧邸の正門と外塀を活用。

どっしりとした門を潜ると、眼前に枯山水の庭が広がる。

この意外感!


大垣祭りや合戦の歴史、城郭のジオラマなどを楽しみ、蕉翁結びの地へと向かう。


水門川沿い。

川を利用して、子供たちがサップ遊びをしている。

美濃街道の風情ある街並み、涼しげな運河。

風の間に間に揺れる柳。

絵になる風景だ。









芭蕉と曾良との2人旅の像の前に、奥の細道結びの地記念館がある。

旅の小道具、直筆の手帳などが感慨深い。





圧巻は奥の細道の再現ビデオ。

蕉翁と一緒に旅した気分になる。

東北の好きな私は、ことに嬉しかった。


蕉翁は大垣をこよなく愛した。

風光明媚で人情厚く、友人も多くいたようだ。

結びの地とは、終焉ではなく、縁を結ぶ地のこととか。

この地を訪れて、初めて実感した。



さて、ランチの場所がなかなか見つからない。

タクシーで駅に戻る直前に、隣り合う鮨屋を見つけた。


すし半へ。

昼休みに入るところだった。

普通の寿司ランチに中トロが。

握り6巻に細巻1本、たっぷりの天ぷら、茶碗蒸し、アイス…。


上質な逸品ばかりなのに、1200円とは!

名古屋の半値かも?

大将のおもてなしもいい感じで、再訪したいほど。


句作と句会は、駅構内のファミレスで。

短時間での作句、選句、披講にも慣れてきた。

吟行はいいな。


次回9月は、名港水族館へ。

楽しみ過ぎます。



御殿箪笥義母の形見や夏の城


ビル街の天守の一角遠青嶺


門入れば江戸の石庭青芭蕉


廃船に水都の影や夏柳


噴井戸や値千金炎天下


冷んやりと甘き湧水水都かな


蕉翁の矢立鈍色半夏生 


蛤はソールドアウト結びの地


結びの地に並ぶ江戸前鮨のれん


結びの地へ一万二千歩炎天下