ファルコン・メシャム・ボウルのブレイクイン |   私的喫煙日記

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ついにこの日がやって来てしまった。

去年の夏頃にコロナ禍中の勢いで買ってしまったファルコン用の真ん丸いメシャム・ボウルを、いよいよ使ってしまおうというわけである。

 

はじめに断っておくが、私はファルコンというパイプに特別に詳しいわけではない。

大昔から売られている、所謂、メタル・システム・パイプと言われるモノだというぐらいの認識しかない。

20世紀半ばには、このようなアルミニウムでできた科学的根拠の在りそうな無さそうなシステムパイプが、さながらカンブリア爆発の様を呈して生まれては消えていった。カーステン、ロンソン、イーストマン、その他物凄い種類のパイプ達である。

トニー・プリングルという人のサイト「スモーキング・メタル」を、暇な時に、本当に暇で暇で、猫の毛でも毟ろうかやることがないからという時に見てみると良い。

 

流山珍も若気の至りと言いましょうか何と申しましょうか、一時期、こんなパイプをいろいろ買ってしまった事があった。人間という生き物はとかく「科学」という言葉に弱い。海老とか電とか酢とか、尤もらしい根拠があると、飛びついてしまうものだ。いや、人間という生き物と言ってしまっては申し訳けがない。そうだ。私のような人種は、だ。いや、もう、その、、、私は、だ。

 

ファルコンはカーステンに比べると少し安価で、ドラッグストア感が強い。昭和の時代に、パイプでも始めてみようかなシガレットより身体に悪くないみたいだしー、ぐらいの軽いノリで、近所のたばこ屋で仕入れたは良いもののずっとホコリを被っているこんなパッケージ

を見て、ちょっとよろめいてしまう。

そんな、パイプである。

 

そんなパイプと侮るなかれ。コアなファンもいる世界なのだが、まあ、結論から言うと、美味しくは煙草を吸えない(バッサリw)。

正確に言うと、ビギナーが「今日から俺もパイプ・スモーカーだぜい」と入門用に買ってしまうのは間違いだ。ここは強調して言おう。大いに間違いだ。最低でも普通のブライヤーのパイプで何年か慣れて、それからでないと美味しく吸う事はできないだろう。

理由は簡単で、シャンクがアルミだからだ。これはカーステンにも同じ事が言える。金属はジュースを決して吸わない。そしてヤニ臭くなる。しかもカーステンに比べて華奢だ。アルミは柔らかいので、まだ温かいうちに掃除で分解してゴシゴシとやっていると、まるで赤子の手を撚るかのように「グニャリ!」と曲がってしまう。そのまま気が付かずに弄っていると下手をすれば管を捩じ切ってしまう事もある。

「パイプなんて面倒臭い。あーやめたやめた!」となるビギナーの多くはファルコンで始めていると言うのは想像に易しい。

流山珍のようなパイプ歴35年超えのベテランが、酔狂に「ファルコンでも弄ってみようかな」という余裕を持って接する。これがファルコンとの正しい距離感である(エラソーwww)。

 

とは言っても、前述のカーステンと同様、ジュースを処理する方法はある。ボウルの底はアルミの皿になっていて、ここにカーステンでバルブにティッシュを詰めたように、ティッシュを詰めてやれば1ボウル分のジュースぐらいは吸ってくれる。

本当は専用のドライ・リングという消耗品があるのだが、いつまで供給されるかわからない上にコスパが悪い。針金が入ったクリーニング用のモールの切れ端みたいなヤツなんだが、実際にモールを切って代用しようとすると1ボウル分のジュースを吸うにはちょっと足りないのだ。ティッシュを紙縒りのように捩じって真ん中の柱に巻いてやれば、それで充分。

 

はてさて、

ブレイクインから丁度一週間が経ったところであるが、この桜の季節に、リムが仄りと桜色になって来た。

美しい。。。。

カーステンのブルドッグよりも更に色づきが早い印象だ。

それにしても、この互換ボウルというのは実に良い。ボウルだけで考えれば連投が無限に可能だからだ。実際、この一週間、私はこのボウルしか使っていない。一日に2ボウル吸ったとしても、14回連続で使う事になる。

ファルコンのシャンクは、ファンメイドのバッタ物を合わせると、実に色々な物が作られていて、これはこれで楽しい。

そしてこのスクリューの切れ目の位置を合わせて嵌めることで、4つの方向にボウルの方向を変える事ができるため、色づきの偏りもないのだ。

 

色々とイイトコづくめのファルコン・メシャムなのである。