子宮体がんが疑われ、ロボット支援下による子宮全摘手術を受けるため入院した私。
手術前夜、入院診療計画書にサインを求められたけれど、そこに書かれていたのは子宮体がん疑いでもなく、子宮内膜異型増殖症でもなく、全く別の病名『子宮筋腫』でした。
前回のお話
話し合いでは、私の病名は間違いなく子宮内膜異型増殖症で、すでにがん細胞が存在する可能性があるため子宮全摘手術が必要だったと、改めて説明を受けました。
では、なぜ入院診療計画書には子宮体がん疑いではなく、子宮内膜異型増殖症でもなく、たった1cm程の大きさしかない子宮筋腫と書かれてしまったのでしょうか。
その原因は患者としてとても納得できるものではなく、全くもってお粗末なものでした。
まず、まるぽこ。先生の推測通り、病名『子宮体がん疑い』の手術同意書と、病名『子宮筋腫』の入院診療計画書を記載した人物は別です。
同意書の方は入院前最後の外来で、K医師が私の目の前で自ら病名を記入していました。
入院診療計画書はいつ、どこで、どなたが作成したのか知りません。
話し合いの日、K医師が見せてくれた私のカルテには、こんな風に病名が記載されていました。
これは術前に撮ったMRIの結果が基になっているとのことです。
AEHC 子宮筋腫
これをご覧になって、どう思われますか?
すぐに子宮内膜異型増殖症ってわかります?
AEHCはAtypical Endometrial hyperplasia, complexの略語だそうです。
日本語に訳すと複雑型子宮内膜異型増殖症。
疑陽性のなかで、最も悪いタイプです。
外来の時に聞き取れなかった"○○だから"というのは、"AEHCだから"だったのですね。
このAEHCというのをK医師が記載したのか、それともMRIを読影した放射線科の医師なのかは聞きそびれてしまいました。
まあ、どちらでも構いません。
問題は大きくふたつありました。
ひとつ目。
私のカルテは、パッと見て誰もが理解できる内容ではなかったという点。
ふたつ目。
K医師曰く、AEHCが複雑型子宮内膜異型増殖症の略語であると理解できない人物が入院診療計画書を作成してしまったとのことでした。
AEHCの意味を知らず、馴染みのある子宮筋腫の方がパッと目に留まり、筋腫のみを今回私が手術および治療を必要とする病名として記載したそうです。
医療用語を理解できない人物に書類を作成させ、恐らくダブルチェックもしないでOKを出したのでしょう。
ちなみにK医師はこの日お休み。
あの夜、対応した医師も看護師もみんなAEHCの意味がわからなかった。
対応した医師は私の担当グループ内でナンバー2なので、そもそもAEHCの意味がわからないは通用しないと思いますが。
だから私に「じゃあ、先生から何の病気だと聞いているのですか?」と質問をしたのですね。
ただでさえ動揺していたのに、この質問がさらに私の不安を増長し、「筋腫はあります。」と1cmの子宮筋腫を理由にそのまま押し進めようとした医師の対応により、病院への信頼は完全に失われました。
せめて、手術同意書と共通問診票の確認くらいはしてほしかった。
誰かひとりでも真実に気づいてほしかった。
誰でもいいから寄り添ってほしかった。
この夜、私の唯一の味方は夫でした。
夫は迷わず「帰っておいで。」と言い、病院まで迎えに来てくれました。
心からホッと安心した瞬間です。
余談ですが、X大学病院で子宮筋腫を理由に手術をする場合、K医師ではなく、別の医師をリーダーとした別グループでの対応になるはずです。
とっても有名な医師がいらっしゃって、そちらのグループをお目当てに首都圏以外からも患者さんが来院されてますので。
子宮全摘手術の行方 に続きます。