神戸市中央区の市立医療センター中央市民病院は20日、腹部大動脈瘤切迫破裂で13日夜から14日未明にかけて緊急手術を受けた市内の80歳代男性を術後に集中治療室(ICU)に運ぶ際、酸素ではなく、二酸化炭素を吸引させるミスがあったと発表した。

男性は一度は蘇生したが、再び心肺停止状態となり、重篤という。

同病院によると、女性麻酔科医と女性看護師がボンベを取り違えた。

酸素ボンベと二酸化炭素ボンベはほぼ同じサイズだが、取り違えないように酸素が黒、二酸化炭素が緑で色分けされている。
 昨年4月に県立病院で発生した医療死亡事故の公表が今年5月下旬になったことについて、黒岩祐治知事は1日の会見で、「1年も前のことで納得できない。できるだけ早く発表できる体制を整える」と、公表の在り方を見直す考えを示した。

 県などは、県立9病院で2010年度中に発生した医療事故の件数や事例を5月30日に発表した。死亡事故が1件あったが、「公表しないでほしい」という家族からの強い要望があり、県の基準に沿って一括公表の時期まで発表しなかった。

 黒岩知事は「事実を深くは存じ上げていない」と前置きした上で、「迅速性と透明性が再発防止に向けて一番大事」と説明。医療事故に限らず、県政全般の案件についても、スピード重視で積極的に公表していく姿勢を強調した。
 珠洲市総合病院で2007年11月に女児を出産した金沢市の両親らが、「出産時の医療ミスで女児に呼吸障害や脳性まひの障害が残った」として、病院を運営する珠洲市に約1億3千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が31日、金沢地裁であった。中山誠一裁判長は医師の過失を一部認め、市側に330万円の支払いを命じた。

 判決によると、母親は07年11月に同病院を受診。胎児に仮死の兆候があったため入院し、緊急帝王切開で出産したが、医師が分娩監視装置を一時外すなどの過失があったために処置が遅れ、女児に重い障害が残ったと認定した。