昨年4月に県立病院で発生した医療死亡事故の公表が今年5月下旬になったことについて、黒岩祐治知事は1日の会見で、「1年も前のことで納得できない。できるだけ早く発表できる体制を整える」と、公表の在り方を見直す考えを示した。

 県などは、県立9病院で2010年度中に発生した医療事故の件数や事例を5月30日に発表した。死亡事故が1件あったが、「公表しないでほしい」という家族からの強い要望があり、県の基準に沿って一括公表の時期まで発表しなかった。

 黒岩知事は「事実を深くは存じ上げていない」と前置きした上で、「迅速性と透明性が再発防止に向けて一番大事」と説明。医療事故に限らず、県政全般の案件についても、スピード重視で積極的に公表していく姿勢を強調した。