なかじー的P.O.V〜なぜ故アマチュアはアマチュアのまんまか? | Honolulu Music Society byなかじー

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出自は日本生まれの日本育ち。
米国籍を取得してハワイに在住する音楽家であり実業家。3児の父。

今までの日本人には発想出来なかった独自の視点と解釈を元に展開されるちょっとだけ凄いブログ。
更新不定期。

​Aloha!

ライブが無い日なので今朝はペプシ。本来ならコカコーラ派なんですけど『飲んで応援』という事でハワイに移り住んでからは『コーラ』と言えばペプシを愛飲しています。


さて、今日は音楽談義。


僕はその日にライブが無くても『曲落とし』という作業をします。単純に『以降のライブ』にて演奏しなくちゃいけない楽曲を覚える作業でして、事前にリクエストされているセットリストに従って楽曲を聴いて、コピーして練習するっていうだけの作業ではあるんですが、練習そのもののプロセスも座奏で覚えて立奏で仕上げるという『ライブのため』の流れがあるのでわりと大変だったりします。


音楽を聴いたり演奏したりする事において、おそらく多くの人達と僕らが違うのは、楽曲の好き嫌いとか関係ないってところだと思うんですよね。


『この曲をやって』と言われた時に、『そんな曲よりもあの曲の方が俺は好きだから、俺はそっちをやるね』とか言ってたら100%仕事にはならないわけですよね。


音楽を必要とされる場に於いて期待に応える演奏をするから需要と供給の関係が成立してお金がもらえるという非常にシンプルな構図の中で僕らは収入を得ていますから音楽を聴く、ギターを弾くという行為のひとつひとつとは、『自分を満足させるためにやっているんじゃない』っていう原理原則が僕の音楽活動にはあります。


だから自分の中にも音楽的な好みとかもっと言えば好き嫌いのような嗜好性(指向性)はあるにせよ、そこを超えて音楽というものを聴き込み、弾き込むという事を毎日毎日やっている。


仮に自分の好きじゃないジャンル、未経験なジャンル、馴染まないジャンルの音楽でもとにかくギター片手に聴き込む。


『好きじゃない』で聴かない、弾かないは僕らには許されなくて好きになるまで聴いて、弾くが僕らの基本姿勢だったりします。ソレやっていると6時間なんてあっという間です。


これが出来るかどうかで多分プロになれるかどうかで大きな差が出る部分だと僕は思っていて、逆にいうと自分の好きなものしか聴かない、好きなことしか弾かないっていうのは何十年取り組んでも趣味の延長でしかないって思うんですよね。要はアマチュアって事です。



​ロックっていうのは好き勝手やる事?


多くの場合、『ロックっぽい』っていうのは自分のやりたい事を好き勝手にやるというイメージがあると思いますけどそれってホントにそうなんでしょうか?


僕はそれをみなさんが今一度考えてみられる事をオススメしたいです。


たしかにいろいろなしがらみが世の中にはあります。たとえば学生であるなら髪の毛の長さとか制服の着こなし、上履きの銘柄に至るまで規則、校則というものがあったりしますよね?

ソレを破って反抗するのが『カッコいい』と思う時代がほぼ誰にだってある。

そういうマインドの時に強く影響を与えてくれるのが僕にとっては『ロック』でした。


ロックスターであるとかギターヒーローのような存在が何物にも縛られず、自由気ままに自分の好きな身なりで好きな事だけを好きなようにやってキャーキャー言われているのを見て誰もが『コレだ!』と思うわけじゃないですか(笑)


いや、


才能に溢れた人はそのように振る舞ってそのように音楽を創って演奏するだけで『需要と供給の関係』が成立するのかもしれません。


しかし、才能に乏しい人間が、ロックスターやギターヒーローのアティテュードだけを真似してもソレって寒くはないんですか?という事。


いや、なんですかね、


ライブ前にビールを煽って演奏を始めるギタリストに憧れてライブ前に真似してビールを一気飲み。

演奏がヘロヘロでミスを連発とか、たとえアマチュアでも許されないわけじゃないですか。


それを『ライブってそういうもの』とか『間違えても弾ききってロックっぽい』みたいに正当化したり、しあったりする空気って町場のライブハウスなんかにはあったんですがそんなの明らかに間違いと僕なんかは思っていました。


滑ってる!


言い方が冷たいかもですけど『自腹を切ってやるライブ』なんてのは所詮はその程度で、ライブするのにギャラが発生しないっていうのは、その場で許容される範囲で好き勝手をやっても許されるという事で、その許容される範囲が低くて広い場所でのみ行われるんです。


ロックスターやギターヒーローに憧れてギターを手にした人が、彼らと同じかそれ以上の鍛錬と克己、研鑽を積んで、ひたすらに磨き上げた事を披露するなら、その人はちゃんと音楽家としてはそれなりの評価は得ているはずなんですよね。


お金を払ってでも彼が見たい、彼の音楽が聴きたいと思う人が必ず出て来る。


だけど、ただロックスターの身なりを真似して同じギターを買って自撮りをパシャリで練習そこそこ。


振る舞いや口調を『ロックっぽい』感じで取り繕って動画をアップ。でも練習そこそこ。


自腹を切ってライブをやらせてもらって調子っ外れな演奏を披露。練習そこそこならソレも納得。


ミスが連発で音もダンゴでスタジオで組んだセッティングがまるで活きなかったけど『ロックっぽいネ』と慰められて打ち上げでビールを煽ってライブの様子をSNSに投稿、『イイネ』をもらって悦にいる。


それはそれで趣味としてはいいんだと思うんですが、やはりそれを何十年積み重ねたところでやっぱりアマチュアはアマチュアのままであるということ。


そしてバンドを組んでいない人が誰かが主催するライブ(自腹)に呼んでもらって手弁当で飛び入り参加したとしても、ソレって別に仲間うちで盛り上がるためだけに呼ばれているだけなわけで、ソレって単に身内しか集まらないカラオケパーティに誘われた程度のことだったりします。


そういうのを『誰々さんのライブに出演』とか自分アゲをしてしまうわけじゃないですか、往々にして。


自分が研鑽し、磨き上げたもので聴いてくれる人を喜ばせるっていうような気持ちや行動ってそこには無いんですよ。そこにあるのは目立ちたいカッコつけたいロックスターになり切って遊びたいって自己満足だけ。


『音楽なんて自己満』


いいや、ちがうね!


音楽を創ったり演奏をしたりすることが『職業』として成立するのは、それを聴く人の快癒と娯楽に資する場合だけです。


『音楽なんて自己満』


だからジブン何十年もアマチュアなんやで?



誰かの声『なかじーよ、お前はアマチュアを見下しているのか?』


いいえ、違います。


何十年もギターを弾いてきているのにアマチュアのままである方々が大勢居る。

単に自分の人生の大半をギターと共に過ごして居るってだけなのに、あたかも自分をロックスターと同じ側に居ると誤認している人に対して『なぜ貴方は本物のロックスター、ギターヒーローになれなかったのか?』


って事がお伝え出来たら。それだけです!



Mahalo!