Aloha!
コレ、実は前回もそうだったんですが、
実はアメブロに上がった記事を読んでイラッと来たシリーズなんですよね（笑）
むかしの僕だったらエレキギターやメーカーについて明らかにデタラメだとか勉強不足から誤認したままの知識を、尤もらしく書いてある記事には必ずコメント欄で指摘をしないと気が済まなかったんですが、最近ではちょっとだけオトナになったので（子供も3人いますし）自分とこでホントのトコロを書いとけば良いかなーっていう試みです。
こんな辺鄙なブログを覗いて下さる人にだけ『ホントの事』ってシェアされてりゃそれで良いじゃん？て事ですよね。縁もゆかりも無い、況してや国籍すら違う赤の他人を僕がわざわざ賢くしてあげなきゃならない義理はないので。
じゃ、以下本文です。
Gibsonって倒産したの？
日本人の皆さんの認識する処の倒産とは違いますよ。
多くの場合破産とか倒産っていう言葉のイメージからすると、経営がヤバい＝Gibsonって売れてないんだなぁって安直に考えると思います。
ところがどっこい、Gibsonのギターは売れまくっている。＄2,000オーバーの価格帯のギターのシェアは世界中の40％を占めるくらいには売れている。
2018年にGibsonがアメリカ合衆国法に基づいて裁判所に申請したのはチャプター11という『再生型』の手続きです。
一般的なイメージとして認識されるのはチャプター7の『清算型』の手続きです。
前者の再生型破産申請というものが経営者や団体の再建案を基に可能な範囲で負債を減免する措置であるのに対し、後者には再建案の提起が認められず一方的にその資産を解体して売却するという措置になる。
要は『Gibson社の製品は売れているしそのブランド価値は存続されるべき歴史的な価値がある』という認識がアメリカ社会にはある、という事です。
バカ『でも負債を作ったから経営が立ち行かなくなったんだろう？やっぱり日本のレスポールの方が造りがいいしGibsonの造りが悪くて赤字になったんだろう？』『っぱ国産よ！』『職人の魂が込められたMade IN Japanが世界一』
なわけねぇだろ（笑）
なんでGibsonの経営が悪化したの？
ちょっと調べればGibsonはギター造りが悪くて経営難に陥ったわけじゃないのはすぐわかる。
結論から申せば、M&Aで買い取った企業が業績不振に陥った事によるつまずきです。
その筆頭格が日本を代表するオーディオ機器メーカーのオンキヨーとTEACKです。
そう、Gibsonは楽器メーカーという立ち位置から総合音楽産業へとシフトする意図から2013年に社名をGibson Guitar CorporationからGibson Brand Corporationに変更しており、世界最大の音楽、音響メーカーを標榜したわけです。
ところが肝心の、と言うか方向転換の要であったオンキヨーとTEACKの作る負債が大き過ぎてGibsonがいくらギターを売ってもその経営を圧迫し続けた、と言うのが事実です。
いいですか？モノづくり大国である日本の有名な企業がGibson社の脚を引っ張って、結果破産申請をするに至った、と言うのがホントなの。
だけどそういう事実って日本人には印象悪いじゃないですか？
だから日本人向けの提灯記事では、さもGibsonやGibsonギターが落ち目であるかのような印象を与える書き方になっている。
バカが悪いのはそういうことをきちんと調べずにGibson社やGibsonギターを鬼の首でも獲ったかのように悪し様にいうところです。
挙げ句の果てにはやれフジゲンやTOKAIのモノづくりにGibsonは敵わなかったとかいう『ファンタジー』を撒き散らすっていうね。
ちなみにGibsonがチャプター11を申請した2018年の前年ってエレキギターだけでいくら売り上げ的いたか知ってますか？
＄1億2,200万ですよ？
当時の為替レートで換算してもエレキギターの総売上は134億円です。
アコースティック楽器、ギターやウクレレまで含めたら＄13億ですよ？コレも当時の為替レートで変換すると1,430億円です。
日本の皆さんは日本人にとって心地よい情報しか耳に入れないし目にしないでしょう？それに基づいて日本人としてホクホク出来る情報しか発信しない。
そういう意見をもつのは良いとしても、それを事実かのように公の場で嬉々として騙るのはいかがなものかと。
個人的な意見ではあるのですが、自分で情報を精査出来ないバカ、勉強不足なギター愛好家は得意になって喋るなってこと。
特にエレキギター関連のハナシに於いては、ね。
以上！
Mahalo!
