雑誌の中のオーディオ

雑誌の中のオーディオ

古い雑誌に載せられたラジオ、オーディオ、音楽などの記事をいろいろと。

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オーディオ創刊号


1955年に創刊されたオーディオ誌です。私もはじめて見ました。

テレビのアンテナを立てている様子からしてテレビがようやく家庭に普及して来たころなのでしょうか。

住居の窓に当時の状態が現されているようです。テレビを見ているところ、レコードをかけようとしてい

るところなど、いかにもオーディオ誌らしいですね。


記事ー1


内容を見てみると、真空管アンプの製作記事が沢山ありました。

これはそのひとつで、モノラルアンプである点を除けば内容も外観も現代のアンプを変わらないように

思えます。トランス類もとても立派に見えます。

もし現存すればかなりいい音で音楽を再生してくれるでしょう。


記事ー2


またこのころは雑誌の内容から見るとようやくLPレコードが普及して来た頃のようです。

レコードの取り扱いや注意点などが記事になっていて、これは女の人の顔がレコード盤で現されてい

て、レコードを花嫁にたとえて大切に!と言ってるものです。

面白いイラストですね。またそれだけLPレコードが貴重な存在だった時代を反映していると思えます。





今日はこの雑誌の最後として当時のオーディオ アンプの例を取り上げます。

「ゼッタイ失敗しないアンプ」と題して載ってました。3極管アンプの本格的なものです。

完成された姿をみても堂々としたなかなか立派なものとなっています。電源トランス

も重量感があります。

2A3

この写真のアンプの回路構成をみますと、双3極管の6SN7と2A3の3段構成です。

2A3-2


記事の内容では3Wの出力となっています。細かなことは分りませんが、現在作られ

ているアンプとほとんど変わらないように見えます。

このままでも現代に通じるいい音がしていると思われます。

この回路図と上の完成写真から観て、ただ一つ当時のものだということが分ります。

それは出力トランスが付属してないことです。当時の事情からして、出力トランスは

スピーカに付属しているものを使用する構成になってます。回路図にはスピーカに

エキサイト型ダイナミックスピーカ(どのようなものかわかりません)が接続されてい

ます。

このままコピーして今の部品で組み立てて見たい気分にさせてくれます。クラシック

音楽などをいい音で再生して貰えそうです。



先の雑誌の内容は電蓄を主に種々のアンプの組み立て記事で埋められてます。

その中で変わったものにテレビの記事がありました。「ぼくのテレビジョン教室」と題され「ABCから製作ま

で」のサブタイトルが付いてます。


テレビ


写真にはその当時の家庭用テレビのケースを外した状態が載ってます。

ブラウン管が丸いのも面白いですね。もちろん真空管で作られており、まだトランジスタは影も形も見えま

せん。記事によれば18本から30本位の数多くの真空管で作られていたそうです。

配線など大変複雑な構造だったものと想像されます。

またその下には相撲中継をしているテレビを大勢の人々が取り囲んで観ているイラストがあります。

まだテレビが高値の花で一般家庭に普及する前の世相を現しているようです。

そして面白いのはこのイラストの説明に「絵と一緒に音声も入る」と説明がついてるのです。いまでは当た

り前のことが当時はこのことが大変画期的なことだったのでしょう。

白黒テレビが一般に普及したのは東京オリンピックからだと云われてますが、これはそこに至る時代の当

時の最新技術の解説記事だったに違いありません。

先の雑誌を見ていて記事の他に気が付くのはその当時の宣伝広告です。日本のオーディオの変遷を

見るになかなか面白いと思います。

図解とラジオ2

一世を風靡した山水のトランスはもう見られません。アカイもフォノモータは作ってないでしょう。

ピックアップのニートや不二家電機もないでしょう。パイオニアと並んでるハークは私も最近に知った

のですが当時のスピーカメーカーらしいです。まさに往年のオーディオメーカーの貴重ななごりのよう

な気がします。

電蓄2

これも雑誌にあったイラストです。「スーパーだから音がよい」と書かれています。高一ラジオなどから

スーパーラジオに移る時代を反映しているようです。いま静かに流行っているクラフトオーディオの方達

に見て貰ったら喜んで貰えそうなイラストだと思います。

きのうは私のアメーバブログ第一日目でした。

雑誌の発行年月を調べましたら昭和28年12月10日とありました。随分古いですね。

あの表紙はあの頃の大分富裕な家庭の応接間でしょうか。私はあのような電蓄は使用

したことがありません。でも中の構造は大体分ります。

ラジオがスーパー方式に移るころのもので、アンプはST管のシングルあるいはプッシュプル

の構成と推定されます。私もこの時代から大分遅れてラジオに興味を持った少年でした。

作るよりも家のラジオをいじくり回して壊したことの方が記憶に強いです。

でもその頃は外観はプラスチックで中はミニチュア(MT)管の真空管ラジオになってました。

でもこの雑誌の頃はまだまだ大きな真空管のST管全盛のこ頃だったと思います。

ST管ラジオ

こんながものが載ってました。

真空管アンプの製作記事の中で、大型のアンプでは鍋を掛けて料理が出来る程に発熱して、

後ろの電力計が怒っていると云うユーモア溢れるイラストです。

今も真空管アンプを利用している私には実感として分るだけにこのイラストにとても親近感を

覚えます。

この製作記事を読みましたところ、このような発熱の大きなものでなくても良い音のアンプが

出来ますということでした。

また続けます。

図解とラジオ1

部屋を整理していたところ数年前に知人から頂いたままになっていた古い雑誌の一塊を見つけ出しました。

上の写真がそれで、私より一世代以上前の方達の少年時代に読まれたものと思います。表紙を見ているだけで何か楽しくなって来そうです。今日はこの写真を載せるだけで時間が来てしまいました。

また続けます。