このブログには多くの医療者も
コメントをくださっていますが

医療者がわが子をなくしたとき

周囲に仲間はいても
なかなか相談もできないし
必ずしもわかってもらえる
わけではありません

これまでの自分の
患者さんへのかかわりやあり方に
自己嫌悪を抱くこともあるかもしれない

かえって孤独で
かえってそこにいるのがつらくて
自分で感情に蓋をしてしまうことが
普通の方以上にあるのかなとも思います

そんなこともあって
ラウンジクリニックでは

医療者向けの相談の場にも
なればと思ってきました



先週、クリニックを受診してくださった
A.Iさんは助産師さん

8年前に最初のお子さんを、
妊娠15週にパルボウイルスに感染、18週で破水、
妊娠22週で胎児水腫(あかちゃんの全身がむくむこと)となり、
27週に帝王切開で出産しましたが、
産声を聞くことなく2時間後になくされています。



その後に男の子が2人授かりました。
『5歳と3歳の男の子を出産し子育されていますが第1子とは違う性別の子育てに、受け入れられないのか?男の子2人でやんちゃな事もあり、最近怒鳴ってしまうこともしばしばです。そんな自分に悲観し、現在専業主婦ですが自分の人生に悩み苦しい時がしばしばです。
先生とお話しをさせて頂き、何か自分の中にあるもやもやとしたものやしこりに変化できたらと思いました。』
と彼女からラウンジクリニックに予約が入り、
先週お話しをうかがわせてもらいました

414・415へ続く

ラウンジクリニックでA.I.さんから
お話しをうかがわせていただいたあとに
いただいたメールです
(掲載許可をいただいたものです)

竹内先生

先日は、私のお話を聞いて下さり、ありがとうございました。
感謝の気持ちでいっぱいです。
この8年間、こんなにも話をしたことはありませんでした。
第1子を出産した病院では、私が助産婦という事もあってか、
産後のおっぱいケアも精神的なケアも全くありませんでした。
キンキンに張ってくるおっぱいに対して、自分でひたすらアイスノンで冷やしたり、
これでいいものか?と判断能力もなくなっている日々の中で、
自分でこの位搾ればいいのかな?みたいな・・・
主人が忙しい仕事の中も、面会時間ギリギリに会いに来てくれて、
病室には入院患者が私1人だったけれども、
20時には、いかにもベットサイドへのピンポイントの
「面会終了です」の放送。←これには驚きました。滞在時間10分程度です。
それから、痛むお腹を我慢して、病棟外の椅子で、
赤ちゃんの名前を考えたこと を思い出します。
竹内先生の著書【赤ちゃんの死を前にして】を何度も読んで、
自分で自分を納得させたりしていました。
産後すぐのサポート・介入は、とても大切ですね。
第3子妊娠で入院中の時、妊娠・出産に対して
精神的に不安になって、担当医の勧めで
精神科の先生とお話をした事がありましたが、
自分から【この人】に話を聞いていただきたいという事ではなかったので、
ある意味消化不良のような、余計にモヤモヤしてしまい。
その後も友人にカウンセリングを勧められたりもしましたが、いまいち気が乗らず。
今回、来年の3月には島へ移住してしまう確立が高い事、
どうしてももう1人出産したいけど、第1子の事で
整理をしたいというタイミングで、先生にご連絡を致しました。

もう8年という月日が経つのに、ふと思い出しては
心がギュッと苦しく切なくなります。
産婦人科病棟で働いていた時、メインに関わるのは産科の方でしたが、
時に婦人科の方に関わる事もあり、
旅立つ命と誕生する命という両極端であり、
人間の人生にとって1番大切な部分と接していました。
その中で、旅立つ命も、病で苦しんでいる中でも輝きを感じ、
誕生の命の中にも輝きを感じて
【人間が人間としてこの世に存在するのには何か必ず意味がある。
意味のない命なんてないんだ】と感じました。

娘を亡くしてからは、彼女が存在した【意味】をひたすらに探していました。
娘の妊娠・出産体験は、私にとって助産婦として多くの学びと気づきでした。
それを教えてくれる為にも彼女は来てくれたのかな?と思いました。
妊娠を知った時、内診台でボロボロボロボロ涙を流して喜んだ事。
足のつま先から頭のてっぺんの細胞の一つ一つが嬉しい~~と、
身体全体で喜んでいた事。妊娠をして初めて妊婦さんの喜びを理解できました。

入院をして患者の立場になって、患者さんの気持ちを身をもって心から感じました。
破水をして毎日抗生剤の点滴をしていて、週に1度感染の値を調べる採血をした時、
「どうか値が下がってて・・・」と心から願って採血をして頂いてた事。
勤務の時は、ただただ採血をしていた自分。
きっと自分が採血をした患者さんも、心の中ではそう祈っていたのかもしれない。
仕事の忙しさから、そんな大切な気持ちを
汲み取っていなかった自分を情けなく感じたりしました。
人間にとって大切な基本的ニード(食事・睡眠・排泄・・・)が充分に満たされない苦痛。
その苦痛も、ちょっとした工夫・配慮で快適になる事、その方法を知りました。
助産婦として、本では学べない部分を学ぶ事が出来ました。
他の看護師・助産婦の患者さんに対する態度・行動、
ベットの上でとても勉強になりました。
恥ずかしい事ですが、自分が患者の立場になって気づいたことが沢山ありました。
頭では理解していたけど、身体で・心で気づく事ができました。

命の運命は、子宮に宿る前からすでに決まっていて、
受精した時点で人生がスタートしていてるのかな・・・とも思いました。
だから、極端な行動をしない限りは、全ては宿った命が決める事なのだとも思いました。
娘についても、これが彼女の運命だったと受け入れてはいますが・・・

母親の大切な役目は【見守ること】なんですよね。
子育てをしている今感じますが、子どもにとっても【見守って】くれている
存在があることで、安心して歩き出していけると思います。
そう考えると、母親は妊娠中から、子どもに教えて・鍛えてもらっているんですよね。
簡単なようで難しい【見守ること】 これはお産にも通じますね。

27週という短い期間でしたが、
最低限の医療行為で見守り続けた事は良かったと感じています。
出産方法に関して、帝王切開は絶対に嫌だと拒否していましたが、
朝のNSTの結果から緊急の帝王切開が決まりましたが、
その時は抵抗なく自然と自分の口からも
帝王切開をお願いしますと言ったのは、自分でも驚きでした。
結果、産声をあげずに生まれましたが、
手術台からチラっと我が子の姿が見えた時は、
「うわぁ~私、本当にママになったんだ。」と喜びでいっぱいでした。
産声がない事が、どんなに危険な状態なのかを理解しているのに、
ただただ出産をしてママになった喜びでいっぱいでした。
出産って、こんなに感動的なんだと、
介助をしていた時とは違う、心の底からの喜びでした。
22週の胎児水腫が発覚した時は、
推定体重が500g位だった小さな小さな我が子が、
インファントの上にいる姿は立派で、
苦しい中でも成長していてくれた事に、命の強さを学びました。
1582g・33.5cmに成長していました。
命は強いんですね。

お腹に傷だけが残って赤ちゃんはいない。
という状況は避けたかったことでしたが、
帝王切開で出産をして、
それまで苦しかった子どもを、この世に誕生する時だけでも
彼女が楽に誕生することが出来て、それが親として
彼女に最初で最後のしてあげらけれたことだとも思いました。
なので、お腹の傷は唯一、彼女が私の子宮に宿って誕生した1つの証にもなって、
とても愛おしい傷でもあります。

命が大好きで、妊娠・出産が大好きで、自分の身体が許す限り、
妊娠・出産をしたかった事が不可能になってしまった事は、
どうしても残念でなりませんが・・・
でも、これが私の運命。【受け入れる】ですね。
とても貴重な体験が出来た事、ぜひ活かしたいですね。

こうして、竹内先生とお会いできた事も、彼女のお陰だと思いますし、
これが彼女の存在した意味なのかもしれませんね。
姿はなくても、行き続けていることを感じました。
S医療センターのK先生もそうです。
それまで、医者不信ではありませんが、
心から尊敬できる産科医と出会うことがありませんでした。
K先生は、私の止った心の時計を動かして、
無くした自信を持たせてくださいました。ある意味、命の恩人です。

人は、沢山の人に支えられて生かされている。
今回、竹内先生とお話をさせていただいて、
また新たな気づきを教えていただきました。
答えがないことは分かっていますが、
こうして、ゆっくりゆっくりと気づいて目には見えない存在が、
私を通して形になっていくのかもしれませね。

今回先生と出会えて、正直はっきりとした答えはありませんが、
気づきはありました。
また時間をかけて、今回の気づきが形の1つになっていくのだと思います。
私の為に、お時間をありがとうございました。

くれぐれもお身体に気をつけて、
これからもお仕事に励み続けてください。
先生のご活躍を心よりお祈りいたしております。



415へ



記事414のメールを、A.I.さんからいただき
このメールをブログ等で紹介させて
いただけないかと連絡しました

多くの現場の医療者
(助産師さん、看護師さん、医師、コメディカルスタッフ)が
きっと苦しい思いをしていると感じているからです。

皆さんに読んでもらいたいと思ったからです
その時の、彼女からの返信です

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竹内先生



おはようございます。
今日は、おてんとさまがニコニコでとっても気持ちのいいお天気になりましたね。
ご連絡ありがとうございました。



気持ちを言葉や文字にして表現すること、
今回竹内先生と出会ったことで
改めてその大切さを実感しました。

仕事をしていた時はよく、
「私で良かったら、不安な事でも愚痴でも
心に置いておきたくない気持ちは、掃除機のように吸い取るので、
入院中に些細なことでも何でも話して下さいね」が口癖でした。
懐かしいです・・・ 自分の事となると・・・
医療従事者ということもあり、
自分の知識で自分で整理しなくちゃ!
みたいな気持ちがあって、どこか壁を作っていたように感じます。

お友達も親身になってくれて、
とても助かる部分はあるのですが、何か違うような。



今回、先生とお話をさせて頂いた事で、
言葉では表現できないけれど、この8年間の間では感じなかった、
確かな気持ちを感じる事が出来ました。
それを感じた事で、自信のような・元気のような・勇気のような、
とにかく前向きな気持ちであることは確かです。



こういった体験の気持ちを聴いてくださる
先生の存在は、とても救われる思いです。
きっと、同じような体験をしたみんなが
そう思っているはずです。



心からありがとうございます。



私の体験から感じた事が参考になれたら、
それはまた、娘が存在した意味だとも思います。



姿形を変えて存在し、生き続けていること・・・・・



この事を知ることができて、
ある意味幸せなのかもしれませんね。

[E:good] 東峯ラウンジクリニックコメント欄



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僕のクリニックでは
相談させてもらう前に
その内容を、できる範囲で詳しく書いてもらうようにしています

実際にカウンセリング(ご相談)させてもらう時には
僕がそんなに話すわけではありません

もちろん、答えらしきものを
与えてあげられるわけでもない

でもそれでいいのかなって思います
僕のところから帰ったあとで
自分の中で何かが違って動いてゆきそうって
少しでも感じてくれれば・・・

皆さんの周囲に、そんな方がいらっしゃった時
そうして、聴いてあげてほしいです
それって「しきゅうちゃん?」って
結びついた方、するどいです!
そうです! しきゅうちゃんのようにです(笑)