「ガンプラは自由だ」

 

これはビルドファイターズに出てくる三代目名人カワグチの決め台詞だが、ガンプラに限らず、スケールモデルなどプラモデル全般、と言うか趣味全般でも言えることなのだ。

だが、何かしら制限を付けてしまって自由を阻害している気がするのよ。

 

 

箱やデカールなしのF-16と、この間買った作りかけジャンクのF-18を使ってやってみたいことを思いついたのよ。

で、キットは複座のD型だが、現行品がC型とD型ばかりなので、今回はB型で作ろうと思ったのだが、悪い癖でB型で使える装備、使えない装備は何かと考えている自分がいたのさ。

これがある種の自分にかかった「呪い」だと感じたんだよね。

 

私が呪いにかかった切っ掛けだと思うのが、あるプロモデラーがガンプラの作例で、「設定通りに作らないと、設定通りに作れない奴と言われてしまう」だと思う。

旧キットと現在呼ばれている昔のガンプラは、1/144で大体500円前後だ。当然価格的な制約や関節可動との兼ね合いなどから、設定画と違う部分やイメージとの大きな逸脱が多々あった。

そのため雑誌などでも毎月モデラーの改造作例が楽しみだった。

 

そのせいなのか、設定画とキットを見比べて、重箱の隅をつつくような間違い探しをやるわけです。

 

そしてそれはスケールモデルでも変わらない。

 

 

 

このファントム狂想曲なんてのは、その最たる物だ。

だが、勘違いしないで欲しいのは、知識は必要だと思うし、キットで省略された部分の再現や、コストの都合でメーカーが意図的に目をつぶったと思われる部分の修正は、プラモ作りの一つの制作法であり、正攻法でもあるのだ。

商品名が「シャア専用ザク」なのに、量産型ザクを赤くしただけで、角のない商品だったら、皆さん角を自作して付けるでしょ。それと同じなわけで。

 

問題なのは、それにとらわれすぎて、止まってしまうことなのだ。

以前、エッシーのF-16Bをマベリック6発装備で作ろうと思ったが、その最中に資料本読んだら、マベリックの運用能力が付加されたのはブロック15からという記述を見つけてしまったのだ。ブロック15だとF-16Bプラスであって、F-16Bはブロック10までなのだ。それで止めてしまったと。

 

 

 

このタイガーⅠ作る際に自由にやろうと決めたはずなのに、中々自由にはいかんな。

 

今回は戦隊物チックにカラフルな色に塗ろうと思ったのだ。

色を好き勝手にやるのだから、装備も好き勝手でいいじゃないかと思い至った次第ですわ。

でもネットを少し見てみたが、アイマス機でもない限りは、皆さん現物の戦闘機に忠実ですわ。

赤とかピンクに塗ってる人はいないみたい。

キャラクタープラモだと普通にできることが、スケールモデルだとやりにくいのは、実物が存在する(存在した)からだろうか。

 

 

そう考えると、アイマス機のカラーリングは画期的だったのだと思う。

 

 

なんというかね、私自身の問題もあるのだが、設定に忠実に作るほうが楽なのだよ。

外観の場合、どこをどう改造するかも設定画に従えばいいだけなので、考える必要がないのでね。

また絵心がないでせいで、オリジナル改造のガンプラを作ろうと思っても、指針となるイメージを具現化できないせいもあるし、またデザインのセンスもないようで、自分でいいと思える形が中々見いだせないのだ。

 

だから、設定画に寄せる改造に逃げているのだと思う。

 

もっと自由でいいのだと自分に言いたくなったと。

 

 

こんな風にF-14にバルキリーのスーパーパーツ付けて、これが本当のスーパートムキャットだ!と豪語するくらいのおバカなノリも必要なのだと思う。

 

 

でもね、自由とは言え零戦をピンクに塗るのは何か躊躇われるし、メッサーやフォッケなどのドイツ機もあれかな。

米軍機は戦隊カラーでもOKな気がするのは、お気楽で陽気なアメリカンという偏見のせいか。

戦車の戦隊カラーも何か気持ち悪い気がするし、自分自身を軛から解き放つのは難しい限りだわ。

こんなこと考えている時点で、そもそも自由ではないのだから。