https://ameblo.jp/mdsf-x1/entry-12457570084.html
キットを組んでいて判断に迷う部分が出てくるので資料が必要になるという上記の記事を書いたのだが、今回はそのキットごとの解説を。
タミヤのウォーバードコレクションのF-16ファイティングファルコンだ。
タミヤから発売されてはいるが、中身はイタレリの製品で、パーツとデカールがイタリア製で箱と説明書をタミヤが用意したキットだ。
これがキットのパッケージだ。
まず疑問に思ったのが、型式の記載がないことだ。
元のイタレリのキットは初期型のキットを金型改修しパーツを追加した「F-16C/Dナイトファルコン」だ。デカールもナイトファルコンの記載があるものが入っている。
そして次の問題だが、パッケージの写真がアウト。赤丸で囲ったエアインテーク下側のIFF/UHFアンテナが付いてる。これはA型とB型のアンテナでAプラス/Bプラス以降は付いていないのだ。
側面の装備品の説明だが、追加されたランターンポッドやクラスター爆弾が載っているが、ランターンポッドはブロック40以降の装備である。ブロック40だとC/D型なので、先に説明した通り写真のようにA型に装備されてるのはおかしいとなる。
これは推測だが、金型改修した際に既にあったA型の作成見本に追加パーツを付けてしまったが故の齟齬だと思う。
ちなみにこのキットだと、細かな違いを無視することにはなるが、作成可能なのはAプラス/Bプラス/C/D型の4タイプであり、A/B型は作れない。パッケージの赤丸で囲ったIFF/UHFアンテナはキットには付属しない。
またランターンポッドは夜間攻撃用のシステムなので、C/D型のナイトファルコンには必要だが、AプラスやBプラスやC/Dでも昼間の作戦の機体にする場合は使わないのだが、その辺の説明は一切ない。
これがキットの部品図だ。
F-16の型式を見分け方の最たるものは垂直尾翼の形だ。
赤で囲った尾翼がA型(単座)とB型(複座)のもので、青で囲った尾翼がC型(単座)とD型(複座)のものだ。
ではA/B型とAプラス/Bプラスの見分け方だが、今度は水平尾翼で見分けが可能だ。面積が30%増しになったのがAプラス/Bプラス以降の水平尾翼だ。このキットの尾翼はエッシーのA型よりも大きく、ハセガワのC型と同じ大きさだったので、Aプラス/Bプラス以降の尾翼で間違いない。
キットの塗装及びマーキングの説明だが、これがまた混乱の元。
キットに4種類のマーキングが入っているので、4つ載っているのだが、1~4といった具合に数字で示せばいいものを、紛らわしくA~Dとアルファベットで示すものだから、ネット見ると、このABCD表記がF-16の型式だと勘違いしている人がいたりした。型式とは全く無関係である。
Aタイプ アメリカ空軍F-16D
Bタイプ オランダ空軍F-16Bプラス
Cタイプ アメリカ空軍F-16C
Dタイプ ベルギー空軍F-16Aプラス
ということで、AとBが複座で、CとDが単座ということになる。
またイラストはいい加減でキットに付属しないエアインテーク下のIFF/UHFアンテナが描かれてしまっている。
コクピットの組立図だが、これもまた混乱の元である。
上で説明したとおり、塗装及びマーキング図ではAとBが複座で、CとDが単座になっているのだが、この図では逆表記になっていてCとDが複座で、AとBが単座になってしまっている。
タミヤのキットでこういう間違いは珍しいと思うのだが、まるでフジミのキットの説明書を見ているようだ。
プラモに慣れた人ならば、どうにでもなる問題だが、慣れてない人や知識がない人は困るのではないかと思う。
ちなみに私もこのキットを始めた時はわかってなかったよ。
https://ameblo.jp/mdsf-x1/entry-12367975265.html?frm=theme
ここ見ると「調べて改修する気はない」って書いてるよ。
だから調べはしたけど、改修はないと言いたいが、実は改修する予定になってしまっているので、ままならないものである。
だけど見分けが付かない段階でC型作ると言って間違わずにC型の部品を選んでいる勘の良さは自分を誉めてもいいとは思う。
あとはね、調べて知識がついた事で、無駄なことやってたと気づけたので良しとしよう。




