さて、このBoulachghaleと言う場所は今回1年近く交渉しやっと原石屋に案内して貰ったのですが、大変な場所でした。 ここなら人に知られていても簡単には近づけない場所ですから安心だと思うのですが、それでも原石屋達は今まで秘密にしていた場所で、このBoulachghale産の化石を別の産地だと偽ってまで守っていた場所です。
Boulachghaleへ到着するには砂丘地帯を越えなくてはいけませんでした。 気を抜くとたちまちスタックしてしまいます。 決して少人数では行っては行けない場所です。
イヤに成るぐらい長い時間を掛け砂丘地帯を越えると眼前に岩山が見えてきました。
近づくにつれ地面にはゴロゴロと角の有る岩が数を増し、流石にこの状況では車で進めないので残りは徒歩に成ります。 こんな所を走るとタイヤが切れてしまうのです。
なだらかな丘とでも言えそうな地形を地表から1m程掘ると堅い岩盤に当たります。
ここが2009年より秘密にされていたBoulachghaleの産地です。
秘密にしていた理由はこれです。 Issoumour産だと誰もが信じていたNewタイプのアカンソピゲの産地です。(市場でIssoumour産と言われていたのは間違いで、実はBoulachghaleだったのです)
このネガポジの原石、間違い無く新タイプのアカンソピゲですね。 特徴の尾板から伸びる棘が下向きに巻き込む様に生えているのが原石からも見て取れます。 欠損しているのでは無く母石に埋まっているのです。 今は完全に枯渇してしまったMrakib産のアカンソピゲはこの部分が真っ直ぐなのです。
化石の採取をしていると何やら雲行きが怪しくなってきました。 留まる訳にも行かず戻る事にして、その砂嵐に飲み込まれる瞬間を撮影してみました。
この後体中砂まみれに成ったのは言うまでも有りません。 もしこんなシャッターチャンスに出会っても迷わず逃げて下さい。 ノンビリしていると大変な事に成ります。
何とかジープまで戻り待避しましが、この状態では進む方向も解らないありさまです。
砂漠を嘗めてはいけない事を実感した一日でした。
さて2009年よりこの地からNewアカンソピゲが採取されていた訳ですが、この3~4年の間に完体で採取出来たのは20数例と言う事です。 単純に計算して2ヶ月に1個体と言う感じです。 それよりも部外者の私を特例的にとは言え案内してくれたのは訳が有るようです。 そんな気がしては居ましたが、そろそろ化石を含む岩盤が底を突きそうだと言う感じです。 と言う事はまたアカンソピゲが幻となってしまう事でしょう。
最後に少し補足しますとBoulachghaleは本来画像に有る産地より数キロ離れた場所で、そこはサハロップス等が採取出来る事で知られた場所です。 このアカンソピゲが採取出来る場所は正式な地名は無い為、便宜上最も近い場所の名前で呼んでいます。