『これなら大丈夫そうね』マルシチは満足そうに住宅地を後にした。フードを被りロードワーク風に走り始めたマルシチとすれ違うように黒塗りのクラウンが走り去った。
数日してマルシチはタケルのGPSを確認すると、祖父母宅から移動してはいない。
『、、、、、』マルシチの頭の中に言い表せないもやもやが、、『これ、胸騒ぎ??!』
こうばの奥の風呂場で小さな浴槽にうずくまり水風呂に浸かったマルシチは頭を回らせた。
政府にとってタケルの存在は、、、、
タケルは学校通い出したのか、、、
動かないGPS、、、
『!』
すれ違った車のナンバーーー照会
付近の防犯カメラハッキング、、、、
『!』 ザバァ!
風呂沸いたかぁ?こうばから松木の声がする。
松木は風呂を覗き込むと、何だ居ねえのか、あちっ!熱すぎるよぉ!~ お湯少ねえし!
松木か風呂で汗を流し終わるころ マルシチは祖父母宅を訪問していた。もう髪は乾いている。
大柄のマルシチに怯えながらも、気丈に対応する祖母に、マルシチは『タケルクン 連れて行かれましたか』
と、優しくそして悲しそうに聞くと、祖母は話しだした。「あなたかマルちゃんさんね、これがタケルにとって1番安全だと、、」マルシチのことはタケルから聞いているらしい。『わかりました。』玄関脇の下駄箱の上には防犯ブザーが、開け放った一番奥の壁にはクレオンで描いたマルシチの画が貼ってあった。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240222/00/mddmot/8e/60/p/o0462108015404432456.png?caw=800)
こうばに帰ったマルシチは松木がさんざん使い切った風呂にまた水を張り小さく丸まって頭から水道の水を直接受けながら考え込んだ。『、、ブッブッ、、』