隣の芝生は覗くだけで十分である。 | 日々

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夏に向けて何か計画たててる? ブログネタ:夏に向けて何か計画たててる? 参加中


オットはネイビー時代の同僚達と同窓会ゴルフコンペが7月に
あるので、3日間 どっかのホテルに泊まりで彼らと遊び狂うらしい。
ガールズ・ナイトならぬボーイズ・ナイトだ。
新婚時代は彼らが毎週遊びに来ていたので、懐かしい顔を見たいけれど
男同士のこういう付き合いに顔を出すのはヤボなので
私は留守番。
が、8月に私の日本のイトコ達がカルフォルニアで「イトコ会」をやるので
私も一人でそっちに行く予定。
イトコ達にたかりまくろう!と今からネットで色々検索している。




さて、子供の会話って一般的な親はどれくらい分かっているのだろう?

家にウソ息子が居た頃、彼はまだ1歳に満たないうちから
「うばーへっぱー」と機嫌よく話していたが、私には全く彼が
何を言っているのかはわからず、3歳半くらいになって
ようやく食事、体調などの会話が成立したような気がする。
「うばー」の頃は「話」ではなく「表情」で
少し理解したつもりになっていたくらいだ。


私の友人には子沢山一家が結構いて(3人以上)
そのうちの一人は赤ん坊が宇宙語を叫びだすと
「あ、はいはい」とすぐ理解している。(マジか、あれ?)

そして、アメリカに住みだしてから知り合う
どこの家庭の子も当たり前に英語なワケで
赤ん坊ですらなんとなく英語なワケだ。

2~3歳の子供の英語なんてのは、私には100%理解できない。

調子をあわせて「ヤーヤー アイノウ」などと頷いてやるが
実際は『コレ意外とスッゲー事喋ってるんじゃねえかな』と
半分ニヤケ半分困った気分で、目の前の小さな三頭身を
見ているだけだ。

だから、私は子供同士でも会話は成立せず
何か波長のようなモンでやり取りしているのだと
常日頃思っていたのだが…




今日は午前中から仕事だったので、窓を開けたまま化粧を
していたので、隣の3歳児が庭で騒ぐ声がよく聞こえ
愉快な気持ちで出かけたのだ。

で、夕方帰宅し、裏庭のドアを網戸にしたら
まーだ隣の3歳児は騒いでおり「こりゃマードン(隣の奥さん)は
グッタリだろう」と思い、少し家でソフィ(3歳児)を見るかね、と
ちょいと庭に出たら案の定ソフィは芝生に座り込みサッカーボールに
酔ったオヤジのように絡んでいたのだ。

マードンは、ポーチの椅子にグッタリと腰掛けつつ
この世を恨んだ顔で巨大なダンボール箱を踏んでいる。

「マードンちゃん!疲れてるねえ」と声をかけると
「ああああ、マーミーーー!もう人生って最低よう!」と
穏やかに笑いながらも疲れきっている若いママ・マードン。


「ソフィー、マミの家で猫と遊ぶー?」と聞くと
「ガトー!ヤー!アイドゥなんとかかんとか」と
巻き舌なスパニッシュと理解不能な宇宙語を命令口調で言いつつ
ヤクザ系3歳女児は楽しそうに我が家に入っていった。

後を追いつつマードンに
「家で2~3時間くらい見てるから夕飯作って休んでなよ」と
伝えると「ひいー嬉しいー」と自宅に駆け込むマードン。
目が離せない時期だからねえ。
タイヘンよね、マードンちゃん。


隣の家だし、3歳といえども気が強い
ソフィは物怖じせず私とオットと過ごせる。
が、私の英語のアクセントがたまにわからないらしく
イラッとした顔をするのも、可愛らしい。

当然、会話は成立せず
ソフィの「ぶんがらっと、ぶんがらっと!」と言う呪いのような言葉の
数々に「オーヤー…で、ソフィはどう思ったの?」と
彼女が話したいように聞き役に回りつつ
オットの靴下などを繕いながら、お相手をする。

ずーっと何か語っているソフィ。
イタコが天職かと思われるほどに。
が、何を言っているか本当にナゾ。

オス猫のトビーはソフィに抱え込まれ、全てを諦めたように
目を閉じ、耳も伏せている。
うるさいのだろう、ソフィの語りが。
今夜は神経性の下痢をするだろうが、我慢してほしい、トビーくん。
平和だ。


…と、平和に過ぎる子守り時間だったはずなのだが
今日は、30分ほどで疲れて老けたままのマードンが
「忘れてた…今日これから家でポットラック(一品持ち寄りパーティー)だった」
と、御近所の同じくらいの子供がいるファミリー数件との
約束を思い出し、ソフィを迎えに来たのだ。

でも、準備などもあるだろうから
「ああ、じゃあ、あなたの友達が到着したら私がソフィを
連れて帰すわよ?」と伝えると
「うわあ、嬉しいー!あと1時間くらいだけどいいの?」と
急に顔色が明るくなるマードンちゃん。

もちろんと快諾し、ソフィの髪の毛をかわいく巻いてピギーテイル
(日本じゃツインテールってのか)に準備し
帰宅したオットと「かわいいねえ」と目を細める。


ゲストが続々と隣に到着し、少し落ち着いた頃合を見て
ソフィに「パーティーよー!」と伝え
「うきーーーー!」と喜び仰け反るソフィを抱えて
自宅に連れ戻し、マードンから感謝のキスをされ
「マミも一緒に食べてよ!」と誘われるも
「子供だらけだからイヤだわ。」と、言いニヤニヤと我が家へ
一人戻る。


オットと2人の自宅は、小さな花火のようなソフィが居なくなり
いつもより静かに感じられる。
それはそれでいいんだけれど、何となく淋しいものだ。



で、ノソノソと夕食を食べていたらマードンの御主人が
「先程はありがとう」と、いろいろな御惣菜の乗ったプレートを
わざわざ持ってきてくれて「BBQするから裏庭で一緒に食べてよ!」と
再度誘ってくれたので、オットと少し顔を出す事に。
家の今夜のオカズだったスコッチエッグ、味噌汁を片手にフラリと。
(味噌汁は隣の長男が大好きなので、時々おすそ分けしている)

裏庭には御近所の若い夫婦が5組ほど来ていて賑やか。
私に犬のフンをいつも注意されるネイト一家も
2歳児と3歳児を連れて参加している。

その他、同じような3頭身のチビな子供が8人は居るだろうか。
金髪・栗色・アフロにオカッパ、人種ってのは本当に様々だ。


ソフィの為に、庭に造られた小さい 家 の 権 利 を 争 い
子供達が言い合いをしているようだ。
が、なにしろ3歳くらいのがウジャウジャ。

ネイトの2歳児が「ガッデムびんぶら!」と絶叫し
「わーはっはっは!2歳児がガッデムって!」とウケていたのだが
(偶然そう聞こえただけだろうがね)
事態は暴力沙汰にまでなりだしている。

親達が3頭身軍団を引き離す。
それぞれ言い聞かせているのだが、そんなモノ聞くワケがないだろう。
相手は魔の2歳児と3歳児達だ。


すぐに「おらおら!さっきオレが言ったべよ!」とばかりに
ネイトの3歳児がダークスキンも艶やかに
ヨダレを垂らしながら、ミニ・カーネルサンダース(たぶん2歳・肥満児)に
つかみかかる。

ミニ・カーネルだって負けてはいない。
「もすっ!言いがかりっしょ、それは!ワシの土地ですって!」
(そんな感じにキーキー叫んでヨロヨロしている)

割って入るブロンド美人は(3歳)2人をなだめているように見せかけ
小さい家にフライドポテトを持ち込み、落ち着こうとしている。
ズル賢い。

どうも会話になっているようなのだ。
彼らの間では。


我が家のアイドル・ソフィだって負けてはいない。
スパニッシュの勢いそのまんまの巻き舌で
「おーるごっぶら!ういーーーー!」と謎の絶叫で
ネイトのガキを(あ、いけない。3歳児ね)つっ転がしている。
いけ!ソフィ!
ヤツの親父(ネイト)もつっ転がせ!
あの泥のあたりに!! 



その騒ぎの間を誰かのバカそうな犬が走り、芝生で座る1歳児くらいに
直撃し「ああーん」と泣かせている。
が、どの親も駆け寄って助けていない…捨て子か?

泣いているならば、生きているので、私は手助けせずに見ていたが
家のオットがヨタヨタと駆け寄り抱き上げている。
「ヘイボーイ、ユーオーライ?」だと!?
チッ!
私が転んだ時には、冷たく見下ろして
「グランマ(婆さん)、ハイヒールなんか履くからだ」と
せせら笑いやがったのに!

それにな、その転がり赤ん坊はパープルの寝巻きに
チワワのぽこち んみたいなリボンを薄い
み す ぼ ら し い 髪の毛にくくりつけてるんだよ!
ヘイボーイとか言うんじゃねーよ!

三頭身軍団の熱気が私にまで伝染し、苛立ってきた。
泣いている気の毒な赤ん坊にまで、さりげなく罵詈雑言だもの。
これは良くない兆候だ。


力の限り戦え、三頭身軍団よ!
そして今夜はグッタリ疲れ果ててサッサと寝ろ!

心の中で、私は彼らに声援を送り、ガキどもの絶叫にぐったりと
疲れ 心 臓 を 押 さ え て い る オットとそっと帰宅し
二重窓をピッチリ閉め
「あー、家は静かでいい」とソファーに倒れこみ
「しかしネイトの一家ってのは、マジでどーしよーもねーな!」と
悪口に花を咲かせたのだった。
ああ、愉快。