ブログネタ:一番仲のいい家族は?【投稿でドットマネーがもらえる!】
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このブログでも何回か登場している義姉。
オットの上には、2人の姉がいて、両方とも非常にクセがあるのね。
長女はオシャレで美人、仕事のキャリアもバリバリ。
まるでTVドラマの悪役ヒロインのような『やり手シスター』で、今もニュージャージーに
住み、週末には そりゃあ素敵なパーティーで数々の有名人と
サラリと会話を楽しんでいる。
私が聞いた有名人の名前の中には、日本の売れっ子女流作家さんなどがいて
「彼女と話していて、ちょっと違和感があってね。で、マミの独特の英語アクセントを
思い出して『家の弟の嫁が日本人なのよ。あ、名前もアナタに似ているわ。
マミっていうのよ。ちょっと 生 意 気 だ け ど いい子よ。」と
お話したそうだ。
(生意気と一言加え、そのまま私に告げる所に、人の悪さがにじみ出ている)
女流作家さんは「あ、私の名前を言ったら、多分、義理の妹さんわかるわよ。」と
答えたらしく、一緒に撮った写真を見せてくれたのね。
彼女のデビュー作、今でも大好きで何度も読み返しては
思い当たるシチュエーションとせつなさに涙をさらさらと…。
ボロボロになってしまい単行本だが、3冊は買い換えているほど好き。
私も大昔の独身時代に、一度だけクラブで飲んでいるお姿を拝見し
『うひょー、小さいー!小さくて蜂蜜みたいな肌艶ー!』と内心
むしゃぶりつきたくなったが、思いがけず可憐な仕草を見てしまい
(同席されていた方の話しを聞きながら、そーっとグラスを置いた仕草)
『絶対にそっとしておかなくては!』と思い、その場ではミーハー心を戒めたのだ。
が、その後、エントランスで目が合い、とっさに会釈をしたら
ものすごく可愛らしくニヤリと微笑みながら手を振り
ホットパンツ姿で悠然と歩いていった小さな背中を見たのは
私の宝物のような思い出だ。
(この思い出の事は長女には言わない。)
で、次女。
この次女である義姉が、すさまじい困ったちゃんで
私もオットも、オットの身内は全員、煮え湯を飲ませまくられている。
私ともケンカは多いが、私が心の底から安心して話しが出来て
久しぶりに会った時など「Rおねえちゃん」と自然に駆け寄れる相手なのが
この次女なのだ。
彼女は私を『つかえるヤツだ』と思っている事も重々承知している。
お互いに怒鳴りあいのケンカは当たり前だし
「あばずれアジアン!大嫌い!」と怒鳴られた事もある。
私は彼女を「ばいしゅ んふ のカバ」と罵った事もある。
全部出し合った2年半の同居生活があったせいか
彼女の持っている性根の何かが私に憎しみを生まれさせないのか
私は彼女が大好き。(でもときどき大嫌い)
だから、仲が良い家族は誰か、と聞かれて
一番最初に思いつくのは、Rおねえちゃん。
さて、アメリカは今日から(土曜日)3連休。
あ、人によっては4連休かな?
我がオットも、ノンビリと3連休を過ごそうと今日は昼まで寝ていたの。
本当は、フロリダかノースカロライナに遊びに行こうと思っていたのだけれど
空気の乾燥のせいか私があまり調子良くない為、遠出はしたくないと
ダラける事に決定したワケだ。
午後になり、お隣の息子くんとその友人が家の庭で
サッカーやらキャッチボールなどをしている姿を
微笑ましく見つつ、コーヒーを入れていると
オットが重々しい顔で言い放ったのだ。
「着替えなさいよ。出かけるよ・・・。」
イヤーな顔で、私は
「えー、今日はダラけててイイって言ったじゃーん。昼寝するんだよ。」と
自己主張した。当然だ。
NOと言えない日本人などこの世には存在しないのだ。
厳しい顔でオットは
「行くっつったら行くんだ!」と尚も言い
私は
「イヤだよ! 絶 対 に 行かない。」とジェームス ディーンがのりうつったかの
ように反抗した。
オットは少し表情を和らげ
「CVS(ドラッグストア)で、好きなものを買ってあげるよ。」と言い出した。
なぜドラッグストア限定なのかなどと、何も考えずに
『得な話しだね、コレは!』と
その場で寝巻きを脱ぎ捨てパンツ一枚になり(キッチン)
「服 持ってきて頂戴よ!」と、私は居丈高にオットに命令した。
反抗した直後に、ホイホイと言いなりになるなんて
私の美意識が許さない。
何かひとつ命令し、己のプライドを保つのだ。
ありがたい事に慣れたもので、オットは、さっさと適当な洋服を持って来て
「はい、可愛い洋服を選んだよ。」と手渡してくれる。
Tシャツの真ん中で、ライオンが険しい表情で叫んでいるヤツだ…。
寝巻きにしているTシャツ…。
それに…部屋着 兼 昼寝用のウエストゴム豹柄スカート…
ワイルドすぎる獣服…
実際ライオンとヒョウが出会ったら、血みどろの戦いになるだろうな…
とにかく、2階に自分で取りに行くのは面倒だ。
寝巻きから寝巻きに着替え、オットの運転する車に乗る。
「なんでCVSに行くの?」と聞くと、オットはアクセルを踏み込み
「FLU SHOT(インフルエンザの予防接種)」と
早口で答えたので
『あー、注射の後で、もし具合が悪くなったら予備の運転手が必要だもんねー』
と解釈して頷き
「大丈夫よー。帰りの運転は任せてね!」と、私はケナゲに言ったのだ。
オットはしばらく黙り込んだ後
「キミが注射するんだよ…」と恐ろしい事を言ってきた。
即答で「 や ら な い 」と答える。
数年前の冬、オットの勧めで予防接種を受けた事がある。
軍の病院で受けたのだが、何故か肩をバンバン叩かれ
ものすごく太い針でグッサリと肩に注射され
あまりの痛さに「ガチャピン!!!」と私は叫び
大流血し半泣きしながら、医務室を出たのだ。
その夜、私は高熱を出し、肩は腫れ上がりヒーヒー言いながら
翌日「アレルギー反応でしょうか?」と病院に行ったのだが
全く原因はわからず、医師の
「んー、なんか食べ合わせとか・・・あ、すっごく疲れてたんじゃない?」という
超 感 覚 的 な慰めの言葉だけで、家に帰り
数日間寝込んだのだ。
それ以来、アメリカでの注射は、私にとって
ものすごく恐いモノとなり
抜歯する時ですら「注射で麻酔するんなら、麻酔しない!」と
Drにケンカ腰で言う人生を送ってきた。
そんな私が予防接種。
それも町のドラッグストアーで。
数分でドラッグストアーの駐車場に着き
オットはさっさと降りて、助手席のドアを開け
「はやく!!好きなモノ買ってやるっつってんだろ!」
と声を荒げている。
目をカッと見開き、黙って、思いつめた表情をしてみた。
オットは私のこの表情に弱い。
いつもすぐに慰めてくれるのだ。
が、今回は、イラつかせただけだったようで、乱暴に腕をつかまれ
牛のようにクビを抱えこまれ、店内へ。
「おとうちゃん、首!首 もーげーるー!」
人前なので、抑え気味の声で抗議だ。
店員さんが少々おどろいた顔をしていたらしくオットが
「予防接種の予約をさっきしたんだけど、注射がイヤだって言ってさあ。」
と、笑いながら説明している。
私は大人なので、こういう態度をされると非常に腹がたつ。
大人っつーか、もう中年も後期に差し掛かっている。
オットと店員さんの「あはは、奥さん、大丈夫よー」という
緊張感ゼロの態度に、私は毅然とした態度をとったわ。
「ええ、大丈夫ですとも。ただね、あのー、ただ、針とかね…
あのー衛生面がね・・・」
高笑いするオットと店員。
何がおかしい。不愉快じゃないか。
カウンターの中から、痩せた白衣のお爺さんがにこやかに出てきて
「だーいじょうぶだから、奥さん。インフルエンザね。
すーぐだよーう。」
と楽しげに言う。
『墓掘り人』という不吉な言葉を連想させる顔付きだ。
「ええ、大丈夫ですとも。ホホホ。あ、ちょっと風邪気味だけどね。ホホホ」
私も笑顔で答え、片腕をテーブルに固定させるオットを
憎々しげに見やる。
オットがニヤつきながら、頭をふって「風邪気味はウソだね」と爆弾投下をした。
「いい爪の色だなー、奥さん!こういうナチュラルな美しい爪はアメリカで
なかなか居ないね、もう。瞳の色はヘーゼルかな?違うな?魅力的だなあ」
白衣のお爺さんは、振り返ってウインクしながら
やたらと褒めてくる。
アジア女性好きなのかしらね・・・とニコヤカに「ありがとう」を
繰り返していたら、腕にほんの少しチクリと・・・。
「奥さん、はい、注射完了ー。平気だったでしょう?」
白衣の薬剤師お爺さん、すんばらしい早業です!
まばたきしたら、終わってた、注射!!!
ぜーんぜん、痛くないんだよ!!!
あのね、今の予防接種って、ぜんっぜん痛くないの!
ちょっと硬い髪の毛が触ったくらい!
数秒後、オットに「ぜーんぜん何ともなかったよ!」と
力説しながら、普段は行かない『輸入菓子コーナー』に行き
ひとつ選んで
「これと、ライスクラッカー(せんべい)とジュースを買う。ぜーんぜん痛く
なかったけどね。明日も注射できるよ、何ならさ!」と後ろに居るはずのオットに
話しかけ、返事がないので振り返ると
全く知らない白人女性が、ものすごく困った顔をしながら
頷いていた。
気まずかったわよ、すごく・・・。
オットは『何でも好きな物を買ってやる』という約束を
都合良く忘れたそうで、先に車に戻っていたよ・・・。