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菊地彦達が出雲大社に到着時には 日は高くなっていた
参道近くの駐車場に入ろうと 車を走らせていると 参道入り口に 人だかりが出来ている
男「菊地彦様?」
菊地彦「車を止めろ」
男に命令し 黒山の側で車を停車させると
菊地彦は 人波をかき分け 集団の最前列に到達する そこには 見覚えのある車が 参道の両側にそびえる 石柱の1つに 原型を留めぬ程に ぐしゃぐしゃに潰れていた 菊地彦は思わず 車内に目を凝らす が… かろうじて見えてるのは 運転席に突っ伏した 男の影だけだ 菊地彦は警察が来る前に確かめなければならない事があった …と 対面にいる 女性が悲鳴を上げる 遠巻きに見ていた 人々の輪が 一瞬氷付く中 菊地彦の足は車へと 近付く
菊地彦「…緒方」
運転席に突っ伏した男は 燈九郎を出雲へと案内していた 菊地一族の1人 緒方だった 菊地彦は緒方の異様な頭部を見ている
女性の悲鳴の原因となったそれは… 襟足から頭頂部にかけて 何者かに切り取られていたのだ 菊地彦は 無表情に その傷痕を覗き込む
菊地彦「これは…」
切り取られたと思った その傷痕の切り口には 歪(いびつ)な形が連続している 後頭部に残った それは 明らかに 巨大な何かが 噛み千切った後だった
菊地彦は 車内を見渡す しかし燈九郎も あの竹内と云う老人も消えている 辺りの見物人に 片っ端から 聞いてみるが 2人を見た者はいなかった
菊地彦「くそ!何処に行ったんだ!?」
遠くからサイレンの音が近づいていた
【妖師探偵外伝・誕生篇】其の六 完
その七に続く…


