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2024.04.18〜

33歳から始める北海道から九州までの歩き旅

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ついこのあいだまで19時半頃だった日没は、18時過ぎには太陽が水平線の向こう側へと姿を隠すようになった。

 

遥か上空では尾を巻いた雲が細く伸びていて、誰かが箒で掃き取った痕跡のようにも見える。

 

ここへ来てから少しも色づく気配を見せなかった空は、今日になって赤く染まってみせた。

 

トド島の上空には、帯のように太く濃いオレンジ色の雲が掛かった。

 

仕事の合間に部屋へ取りに行ったカメラを片手に、あらゆる方向へレンズを向けて写真に収めた。

 

この島へ来てから毎日のように目にする風景を、美しいと思ったのは今回で何度めだろう。

 

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2024.04.18〜

33歳から始める北海道から九州までの歩き旅

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礼文島で出会った仲間たちとの思い出を、形にして残そうと提案が出たのが1ヶ月ほど前。

 

晩御飯を食べながら何を作ろうかと話し合った結果、Tシャツを作ろうという案に辿りついた。

 

デザイン面は、とにかく思い出を最優先。

 

天気が良い日を見計らい、仕事の合間を縫って全員分の撮影が完了したのはつい先日のこと。

 

そこから今度は休日を活用して、写真の編集から切り抜き、画像作成までを一通りやり遂げた。

 

デザインのクオリティはひとまず置いといて、とてもキュートな仕上がりになった。

 

日本縦断時に着用するであろうこのデザインTのおかげで、きっと少しは誰かに支えられながら歩いている気分になれるかもしれない。

 

まだもう少し頑張れそうだ。

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終業間際にお店にやって来たのは、すでに顔馴染みの漁師のおじさん。

 

ウニを送りたいというので、配送手続きを済ませた。

 

そのまま会計を済ませようとしたとき、ビールをご馳走するから軽く飲もうというので、店内で販売するクラフトビールを僕の分を含めて2本レジに入力した。

 

退勤を済ませた後、そのままお店の前にあるベンチに腰を下ろした。

 

トド島がよく見える岬は、昼すぎまでは確かに穏やかだったけれど、夕方には白波が立つほどの風が吹いている。おじさんは少し寒いのか、肩を少しすぼめ腰を丸くていしている。

 

さすがに申し訳なく思い閉店後の店内へ移動すると、ちょっとだけ背筋が伸びた。おじさんと面と向かって話をするのは、実は今回が初めてで、気になっていた質問を2、3させてもらった。

 

そうしておよそ20分の、ささやかな飲み会は終わった。おじさんを見送ったあとは晩御飯の準備。

 

毎週土曜日は男がご飯をお作る日と決まっている。僕の担当はレンコンの炒め物と、揚げ豆腐。



宿のロビーにあるテレビから流れる音で、先週に続きジブリ作品が放送されていることに気がついた。

 

視界に飛び込んできたシーンから、タイトルを即答できるくらい何度も鑑賞してきた作品。

 

雲の峰の向こうに、大きな積乱雲が渦を巻きながら出現するシーンが特に好きで。

 

そのあと主人公がたどり着いた先にある、空に浮かぶ島の光景とBGMの組み合わせが完璧すぎていつもワクワクさせられる。

 

胸に抱いた夢を、他の誰でもない自分自身が信じ抜いた先に実在した景色。

 

そこにたどり着く原動力となった父の言葉と好奇心。

 

僕の旅の行く末も、いつか天空の城にたどり着く日が訪れるのだろうか。

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宿前の海が鳥の鳴き声でやけに騒がしい。

 

気になって窓を開けると、見たことのない数のカモメが海面近くを飛び交っていた。

 

よく見るとそこに親鳥の姿はなく、茶色い毛色の子供たちだけで飛び回っているようだ。

 

一羽の動きをしばらく追っていると、なんとなく飛び方にぎこちなさを残しているようにも見える。

 

風の強い厳冬期に向けて、上手く飛ぶための特訓でもしているのだろうか。

 

だとすると今日の岬は風が穏やかで、きっと練習日和だったに違いない。

 

そんなカモメたちは、太陽が水平線に沈んだのとほとんど同じタイミングで、どこか別のところへ羽ばたいていった。

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登山道入口へ向かうバスの中から、この島では見れないと思っていた夏雲が目に飛び込んできた。

 

8月とは思えないほど濃い青色の遥か上空へ、数秒ごとに形を変えなが伸びている。

 

広い視野で眺めると、至るところで同じような光景が広がっていて、出遅れた夏の景色を急いで準備しているかのようだった。

 

そんな忙しない雲の動きに比べると、落ち着いた足取りで歩きはじめた。

 

林道に入ると、前に降った雨の影響で地面がぬかるんでいて、何度も足を滑らせた。

 

1時間余りでようやく沿岸部へたどり着くと、見たことないくらい穏やかな波が優しい音で海岸に打ち寄せている。

 

カメラを構えたくなる光景をようやく目にすることができたのは、三度目の正直だった。

 

日陰になっているわずかな岩場の窪みで、作ってもらったオニギリを頬張ると、30分も経たずにその場を後にした。

 

沿岸部を歩き終えると、また島内の中心部へと歩みを進めていく。

 

そのあとの林道は、前に歩いた時よりも一段と葉を茂らせれていて、掻き分けながら歩くのには少し苦労した。

 

それでも今回一緒に歩いている職場の女性は、怯むことなく、むしろ楽しそうに僕の後ろをついて来てくれていた。

 

しばらく続いた林道を抜けると、折り重なる丘陵が目の間に広がった。

 

海も空も青く、そのずっと向こうに見えたのは、とてつもない高さにまで膨れ上がった夏雲。

 

バスから見えたものよりも遥かに巨大で、空を丸呑みにしそうな怪獣が迫って来ているようだった。

 

ジリジリと止まない蝉の音と、空気中に染み込んだ青々しい草木の匂い。

 

空に張り付けたような輪郭の積乱雲。どこを切り取っても夏で、今年はじめて蒸し暑さを味わえたような気がした。

 

帰路に着く道中、目の前の夏雲は何度も形を変えていたけれど、空が赤みがかった頃にその姿をどこかへくらましたのだった。

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❶簡単なプロフィール

 

旅好き、写真好きな方は仲良くしてください。
ぜひ、旅の道中で会いましょう!!

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❷自己紹介

初めまして、塚真です。ずっとやってみたかった徒歩で日本縦断旅を実行すべく、今年の3月まで働いていた東京の会社を辞めました。4月18日より日本の最北端でもある宗谷岬から歩き始め、6月11日に函館に到着。その間、歩いた距離は763km。日々の様子をnoteで更新しながら、現在は礼文島にて長期滞在中。10月までは働きながら島暮らしを経験し、そのあと本州に渡り青森から縦断旅を再開予定。目的地はずっとずっと先にある、九州の屋久島。

❸日本縦断旅をしようと思った訳

細かく言えば色んな理由や目的があるけれど、一番は人生の最後に大きな後悔を残したくなかったから。自分の身の回りに、歩いて日本を旅した。なんて人がいたら、間違いなく嫉妬していたと思います。多くの人がやらない選択に、僕は魅力を感じるのかもしれません。それでいざ旅をスタートしてみると、やって良かったと思える出来事や出会いがたくさんありました。まだまだ旅は始まったばかり、これからもっと色々な経験ができると思うと、楽しみでなりません。

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“洞爺湖は僕の好きな湖”

❹これまでの旅の様子を少し

初日からとてつもない濃霧で 、見たかった景色を全て遮られた。 寒風吹き荒ぶ環境下をずっと一人で歩いていると、追い討ちをかけるようにレンズが壊れた。

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“宗谷丘陵にある白い道”

2日目にはこれまで味わったことないほどアキレス腱を痛め、完治するまで2週間は痛みを堪えながら歩いた。曇りが続き、景色が変わらない道をただ歩くのは、想像以上にしんどかった。

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“しばらく歩いた山道”

歩き初めてからの数日は散々なもので 、面白いことは一つもなかった。スターとして5日目、風が暖かくなり分厚い雲がちりじりに散っていく。珍しくもなんともない、ただの青空が、とてつもなく嬉しかった。

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“青空”

新しい出会いと経験の連続は、求めていた旅のカタチで。 隙間だらけの本棚を、少しずつ埋めていくようだった。アスパラの収穫、山羊の乳搾り、初めてのチェーンソー 、タケノコ採り。初めて会う家族との食卓、初めて入る店で仲良くしてくれた人たち。

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“お世話になった家族と”

旅の途中ですれ違った同士たち、 色んな角度から物事を知り、そして経験を重ねた。 将来役に立つかはわからないけれど 、僕の人生において、とても価値のあることのように思えた。

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“台湾人と仲良くなった”
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“リアカーで北海道を一周する人”
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“九州からキャンピングカーでやってきた人”
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“島の職場の仲間たち”

人生の本質を説いた言葉を、本屋だったり広告だったり、たくさん目にする機会はあるけれど、結局自分で経験してみないと何もわからない。

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“小狐と風車”

あの人がこう言っていたから、あの本にはこういう事が記されてあったから。たったそれだけを判断材料にはしたくない。いろんな道を歩いて、いろんな人と出会って、いろんなモノを見て、いろんなコトを考えて、僕はこれからも歩き続ける。

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“留萌市までの道中で見た夕陽”

❺おまけ(礼文島の風景を写真で)

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“ゴロタ岬から見えたトド島”
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“職場の人たちと朝陽を見た”
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“島の花火大会”
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“ウニ漁に出る船たち”
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“今はもう使われてない礼文空港”
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“島の登山道から”
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“礼文島で一番高い山から”
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“礼文岳から見えた宗谷岬”
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“礼文滝”
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“宿の前から見えた夕陽”
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“青い海と漁船”
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“島の登山道から②”
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“島の登山道から③”
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“野生のアザラシは海でゴロン”
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“礼文岳から見えたスコトン岬”
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“エーデルワイス”
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“島で唯一の湖”
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“利尻富士”
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“ウニ漁へ向かう漁船と朝陽”