世界終焉篇
風神の神剣、風水剣が白の近くにあった鉄の破片を真っ二つにしてしまう。
黒は動かない。
「黒! 行くぞ!」
白はそういうと風水剣を思い切り上へ持ち上げ、振りおろした。
ブゥオォォン! と派手な空気を切り裂く音を出し、剣先を黒の方へ突き出した。
「ウィンド!」
突風が剣先から突然発生し、それは真ん前にいる黒へ向かった。
そして黒に当たると同時に風は消し飛んだ。
「雷神ヨ、チカラヲ……!」
バチバチ!! とこれまた派手な火花を散らし、電撃を白に向けて放つ。
「風神!!」
それを間一髪のところで風水剣でガードする。
「なんだ黒、やる気になったのか?」
「コロス…………!」
黒の姿が一瞬にして消えた。
これには白も驚き、後ろを振り向く。
「ゥグァ!」
後ろを振り向いた、その後ろに黒はいたのだ。
白は不覚にも地面へ倒れる。
黒は、倒れた白を思い切り蹴ろうとする。
「俺はッ! 強くなったんだァ!!」
ビュン!
黒は白を蹴ろうとしたために、片足を空中へと浮かせていた。そこに白が作り出した『強風』が吹くとどうだろう。
強風に煽られ、バランスが崩れる。そして、
白の背中に、黒の、固く握られた右拳が触れた。
いつの間に!? と白は少し驚いたが、すぐに――
バチバチバチ!!
黒の手から出る電流が、白の体へと流れた……はずだ。しかし白は少しも効いているというような素振りは見せていない。
良く見れば、白の背中に触れている黒の拳の周りに、風の竜巻ができているではないか。
「間に合ったー!」
こんな、いつ殺気立った黒に殺されるかわからない状況なのに、笑っていられる。
それはまるで、あの頃のようだ。
あの、最初の世界終焉直前の時、彼らは闘いながらも笑っていた。エンドと戦った時も、死ぬ直前まで笑っていた。
小さな風の竜巻は、次第に回転速度を上げて、黒の固く握られた拳をも斬れそうなくらいの速さになった。
バシュッ!
腕が斬れたのか、グロテスクな、それでいてあっさりとした音が、白の耳に響いた。
後ろを振り向くと、そこには黒の右腕から出る鮮血が大量に地面へ落ち、跳ね返った血が白の足へと付着する。白いズボンを着ていることもあってか、血の色は良く見える。それ故に、凄まじい恐ろしさをそこに秘めることができている。
「黒ッ!!」
すぐに黒に駆け寄るが、太い血管を切断した為なのか、何も言わない。
黒は、死んだ。
黒は、死ん――――
無章
なんだろう、何か気に食わない。
この世界の論理というものにだろうか。
何かに苛立っている。
それの正体が何であれ、自分にできることは一つだけ――。
「終わりにしよう」
風が、白の周りへと集まる。
風はやがて、翼となる。
「俺は、謝るために、この世界を救う」
終焉の十字路が出現した今となっては、世界を救うも何もない。
あるのは、いつか来る世界終焉。
だが、それでもいいと思う。
「お前を殺すことが、俺の、俺達の、」
翼が、羽ばたいた。
力強く、暖かい風が一帯へと吹き荒れた。
「償い!」
目の前のそれへと、風神が突撃する瞬間だった。
○
雨だ。
雨が降ってきた。
赤い、雨。
血の雨と言った方がいいのだろうか。
終焉の十字路は消失した。
彼らの世界は、救われたのだ。
しかし――
「はは……」
無。
何もない。
救われたはずの世界には、もう何も『無い』。
無の世界が出来た。
これは、バッドエンドなのかそれとも――
「黒、俺は……護った……」
霞んでいく世界に、吐き捨てる。
「またな」
消えた。
終わりの日
「黒ォォォォ!!!!」
「白ォォォォ!!!!」
荒れ果てた大地に、二つの声。
そして、二筋の流星。
風と雷。
また、別の世界で彼らは戦い合う。
いつか、いつかは……彼らが仲良く暮らすときは来るのだろうか。
それは誰も分からない。
神さえも。
「ふふっ……」
誰も分からないのだ。
風が吹いた。
今日は雷がなりそうだ。
彼らは、そんなことは気にはしなかった。
終
意味のわからない終でした。
えー、ここまで見てくださった皆様は、本当にお世話になりましたw
次回作はもうなんかやってるんでそちらもよろしくです☆彡
では( ̄^ ̄)ゞ