後期ロマン派の時代に属する作曲家、ヨハネス・ブラームス。彼の音楽を最近よりアプリシエイトできるようになってきた。10代や20代のころは、メロディラインがきれいな曲、派手な曲などにあこがれていたが、どこかに翳りがあるブラームスの音楽は、どうも私の心情にマッチする何かがあるようだ。
ブラームスは、ロベルト・シューマンの音楽評論で世に出てきた作曲家。シューマンの年のかなり離れた妻、クララ・シューマンへの想いを常に抱いて、生涯独身を貫いた作曲家だ。ロベルト・シューマンは伝記にも書かれている通り、精神疾患があり、生涯2度、ライン川に身を投げ、自殺未遂し、3度目に成功し死に至っている。普通、自殺に失敗すれば2度と自殺しないものだ、という通説があるが、さすがシューマンは頭がおかしかったので、3度も自殺を試みたのだと思う。 その理由の一つに、年の離れた妻とブラームスとの関係への嫉妬があるが、真実のほどは定かではない。
そのブラームス、ロベルト・シューマン亡きあとも、クララと添い遂げることはなかった。それは自分の恩人であり師でもあるロベルト・シューマンへの敬意なのであろうと推察する。彼が亡くなって100余年経っているのだが、ブラームスファンの私としては、”クララと結婚すりゃーよかったじゃん”といつも思ってしまう。ブラームスには、”人生の喜び”というものを音楽に表現してほしかった、という個人的な願望があるからだ。
数多くの音楽評論家は、世界最高傑作の交響曲として、ブラームスの第一番の交響曲を挙げている。彼は生涯に4曲の交響曲を書き残しているが、しょっぱなから傑作をうみだしているので、さすがブラームスとおもってしまう(笑)。室内楽やピアノ曲、前述した”雨の歌”など、ブラームスの曲には実に名曲がおおい。枚挙にいとまがないほど、である。
私も心に、”クララ”を抱き、その満たされない想いというものを芸術活動に生かそうか、と考えている。
イニシアティブをとるぞ!と決意したり、満たされぬ想いにひたるぞ!と言ってみたり、最後は、ロベルト・シューマンのように、どこかの川に身を投じる結果になるのだろうか。と笑ってみたりする。