結婚5年目になる売れっ子漫画家早川佐和子(黒木華)は今日もやっと締め切りに間に合った。編集社の千佳(奈緒)に原稿を渡して夫の俊夫(柄本佑)に「送ってあげたら?」と頼んだ。愛車のワーゲンを走らせる。母(風吹ジュン)が事故ったという連絡を受けた夫婦はさっそく実家に戻ってそこを拠点で仕事を続けていく。「旦那のことを少し大切にしないと」と母が言うので佐和子の母だということがわかりますね。町まではずいぶん離れた実家で車がなければ買い出しもできないので俊夫が母に付き添っていた。触れてはいませんがなぜ子供がいないのでしょう?佐和子は忙しくて次号の漫画もまだ何を書くか決まっていなかった。佐和子は「携帯を貸して」と俊夫から借りて電話する。

 

 

 

「もしもし俊夫くん」甘い声に佐和子「・・・・」俊夫が佐和子の机で見つけた次号の原稿は俊夫と千佳をモデルにした“不倫”をテーマにした漫画なのです。見ていた俊夫は思わず冷や汗をこぼしてしまった。この映画の面白いところは現実が漫画になり漫画が現実に起きているようなうまくオーバーラップしていて佐和子(黒木華)の何を考えているのかわからない表情がコミックから1コマ抜け出してきたような顔つきでとてもいいのです。お話も現実を私小説ならぬ私コミになったりまたコミック作品から抜け出してきて実写版になったりきちんと区切りがないところがコミカルでこの先どうなるんだろうかとミステリアスでもあります。高校生くらいから運転恐怖症だった佐和子

 

 

 

は「あること」を想定して運転免許を取るため自動車学校に通い始めるのです。初日は車の運転席シートで安全ベルトを装着したり前後左右の安全確認をオジサン教官に習うのですが第二日目にオジサンお休みして担当教官が新谷(金子大地)に代わるや否や佐和子の目がハート(*´˘`*)♡になる描写は面白いですね(笑)新谷教官は「安心してください。何かあったらここにもブレーキがありますから」と言う。最近観た『ドライブ・マイ・カー』では原作は女はアクセルを踏み男はブレーキを踏むというハルキの文学を『寝ても覚めても』の濱口竜介監督が描くとラブストーリーなのですね。この映画もワーゲンの描写が多く女がアクセルを踏むという共通点がありますね。同じように車内では密室なので緊張するのです。そんなときはゆっくり深呼吸をして踏み込んだブレーキから足を離してそっとアクセルに足を乗せ換えて踏んでみましょう。ゆっくりですが確実に気持ちのいい走りになるはずですから。もううちではFAXはおろか電話機の子機も物置に放置されたま

まで台風通過後にぶら下がった線が電話線なのか電気の線なのか大騒ぎしました。 (☆4.00)