『オデュッセイア』 風神アイオロスの島と
紀元前700年古代ギリシャ詩人のホメロスの叙事詩「オデュッセイア」を「オッペンハイマー」「インターステラー」のクリストファー・ノーラン監督が映画化した超大作。ノーランが20年越しの念願であった撮影技法で映画化されました。トロイア戦争で勝利を収めたイタケの王オデュッセイア(マッド・ディモン)は美しい妃ペネロペ(アン・ハサウェイ)と息子の待つ“王国”への帰還を目指す。オデュッセイアはあの「トロイの木馬」作戦を糞尿にまみれて(笑)敢行した知将なのですね。“船を漕げ、帆を張れ、取り舵いっぱい”今なぜ女神カリュプソ「隠す者」(シャーリーズ・セロン)だけとこの島にいるのだろう?一体何年ここにいるのだろう?軍団はどうなった?仲間たちは?兵士たちは?少しずつ記憶が甦ってくる。だがそれはオデュッセイアが国に妻がおり息子がいて家族がいて郷愁を誘う。そうなればこの男は一人でも私から離れて帰還するに違いない。カリュプソの気持ちは複雑です。時間軸が髭を見て行けばよくわかる。兵士たちは飢えているどこかの島に寄港して食料を用立てねばならない。一つ目巨人の島と羊たち。またある島では一人暮らす魔女キルケいつもごちそうを用意しているこの人は「イン・アメリカ/三つの小さな願いごと」のサマンサ・モートンですよね。まぁずいぶんとオバはんになってしまって(笑)てことは私も同じように年取っていだわね。一方イタケではまだ戻らぬ国王の跡目を巡ってペネロペの再婚希望相手が数十名毎晩晩餐会を催している。息子のテレマコス(トム・ホランド)は中でも特に母に近づいてくる財産目当ての再婚野望を抱く男を見張っていた。あ~ぁ、こんな時父に会いたい。このイケメンはスクリーンでも輝いています。今公開中の3代目ピーター・パーカー/スパイダーマンでもあります。私はスパイダーマンはトビー・マグワイアと共に卒業しました。ところでペネロペに執拗に迫って来る求婚者アンティノオス(ロバート・パティンソン)は己の欲望のためにはどんな障害も厭わない粘着性の役どころの演技が光りましたね。女優さんたちがあまりにあっさりした登場だから目立ったのでしょうか(笑)ポセイドンの怒りに触れたオデッセイアは果たして無事「王の帰還」ができるのでしょうか? 「千と千尋の神隠し」などこの古典文学から影響を受けた気がします。上映時間172分ですが長さを感じさせない良作品です。 21世紀のオデュッセイアは俺(クリストファー・ノーラン)である。 (☆4.60)