ヴォーリズの手腕 | 理想の住宅は閑静な一戸建て

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近江八幡という町を拠点にして、アマチュア建築家からの出発で、数年のうちにまれにみる設計組織にまで育てたヴォーリズの手腕。

そして名声を得た建築家として活躍した時期にも、湖国におけるキリスト教伝道の使命感を失わず、近江兄弟社の設立時のフロンティア精神を日常のこととしていたのである。

昭和の初めの近江兄弟社は、二百名ほどに達していた社員のうち、建築部員は四十名ほどで他は近江セールズという雑貨輸入販売事業部、学園や病院の事業、広報や出版部の仕事に当たり、伝道活動は全社員が分担するというユニークな共同社会的キリスト教団だった。

その活動を有名にしたのは建築よりもメンソレータムだったようだ。