1842年、アヘン戦争の講和条約(南京条約)によって香港がイギリスに割譲された。


その後、イギリスは香港周辺の地域も含めてイギリスの永久領土にしようと目論んだが、交渉に当たった李鴻章は、99年の貸与を申し出た。


割譲ではなく、貸与である。


イギリスとしては不本意と思われるその申し出を、どういう訳かイギリスは飲んだ。


何故に?


そんな交渉ができた李鴻章とは何者か?


李鴻章は、清の将軍であり、政治家でもある。


そして、したたかで、地頭のいい、交渉の達人であることは間違いない。


なんせ、李鴻章は勝軍の将ではなく、敗軍の将なのだから。


とにかく、この99年の貸与をイギリスは飲んだ。


これで、中国の分断は防がれた。


李鴻章 (日文研データベースより)



それにしても、李鴻章はよくも99年という数字を思いついたものである。


当時交渉に当たった人間が、その後99年も生きる筈もなく、生存中は香港はイギリスのものだから、まぁいいかと妥協するとでも思ったか?


中国語で永遠の「久々」は「99」と同じ「jiujiu」と発音するから、中国で99年は永遠と同じことなんだという詭弁に、イギリスが納得すると思ったか?



1997年、李鴻章をはじめ当時の人間は誰一人この世にはいない。


それでも、香港は中国に返還された。


それは、香港が割譲でなく99年の貸与だったからだ。


もしあのとき、李鴻章が割譲に異を唱えなかったなら、今でも香港はイギリスの領土だった筈である。




話は変わる。


マレーシアで不動産を所持するには、主に2つの方法がある。


一つは、「フリーホールドFreehold」と呼ばれる永久所有権。


もう一つは、「リースホールドLeasehold」と呼ばれる期間限定所有権。


フリーホールドは永久だが、リースホールドは一般的に99年という期間限定のことが多い。


所持する期間が限定されると、当然のことながら不動産価値も下がるが、価格も下がる。


その分、手に入れやすくなる訳で、99年なら「生きている間はオレのもの」という心理も働きそうだ。


でもどうして99年なんだろうと、マレーシアに住んでいるときいつも不思議に思っていた。




マレーシアはかつてイギリスの植民地であった。


だから、社会のルールの多くがイギリスによるものが多く、不動産の所持についてもイギリスの影響を受けている。


そのイギリスだが、やはり「リースホールドLeasehold」があり、99年が一般的だった!

(他にも125年と999年があるようだが)


この発想、もしかすると李鴻章の99年と関係があるのだろうか?


ネットで調べてみたが、確かなところはわからなかった。



99年、もしかすると、この数字自体に、人を納得させてしまう不思議な力が潜んでいるのかもしれない。


スーパーの値札に99が多いように。