東京の上野動物園では、「ニホンツキノワグマの冬眠展示」なるものを行っているが、この展示について園がXで投稿したことが話題を呼んでいる。
今年は各地でクマによる被害が多発している。
クマが冬眠に入るこの時期までも、被害に遭ったというニュースは続いている。
地元の人たちは不安で堪らないだろうが、地元でなくても社会現象として世の中の関心は高まっている。
そこで、
「クマがいつ冬眠するのか正しく知ることが、クマを理解することにつながる」
と、上野動物園は展示意図をXで発信した。
11月10日の記録として、
"冬眠に向けてクマは1日に約1万2000キロカロリー分(サツマイモ、カボチャ、リンゴ、ナッツ類など)のエサを食べています。
これは夏のエサ(約4000キロカロリー)の実に3倍の量です"
といった内容などを伝えた。
この一連の発信に、
「冬眠前にどのくらい食べ物が必要なのかとか正しく知ることが大事」
などと、園の姿勢を称賛する声が殺到したという。
それはそれは何ヶ月も冬眠する訳だから、クマにしたって周到な準備が必要だろう。
寒さに耐えられるだけの毛足の長い体毛(冬毛)を生やしておく。
冬眠中は絶食するので十分な栄養を蓄えておく。
安心して冬眠できる寝場所を見つけておく。
そして、見た目もふっくらし、動きもゆったりし、好みのエサまで残すようになると、ようやく冬眠の準備完了ということになるそうだ。
その準備が完了していなければ、クマもおちおち眠りに入る訳にはいかないだろう。
今年はクマ被害が各地で騒がれているが、おそらくカロリー不足、もしくはメガソーラーや風力発電の設置などで居場所がなくなり眠りに入れないのだ。
『くまモン』は、熊本県のPRマスコットキャラクターである。
熊本県の経済効果や観光振興に一役買っている人気キャラクターだが、近頃のクマ騒動に巻き込まれて今ごろ肩身が狭い思いをしているのではなかろうか。
実は、熊本県を含む九州ではツキノワグマは絶滅しており、野生のクマは存在しない。
だから、『くまモン』に罪はないのだが、「くま」と名がつくだけで風評被害に遭いそうな、悲しき被害者になってはいまいか。
くまモン検定HPより
ところで、12月12日に選ばれた今年の漢字は、『熊』。
『熊』による被害と対策、
『熊』出没による生活への不安、
『熊』猫(パンダ)が中国に返還
が選ばれた理由のようだ。
しかし、『熊』の立場からすれば、
「人間の都合で環境を破壊され、エサも足りなくなるし、おちおち住んでもいられなくなった。
そこで仕方なく下界に下りゃあ殺される。
これじゃ、やってらんねーよ」
てな具合だろう。
人間とは、ホント勝手な生き物である。
※ 熊の被害に遭われた方へは、心からお見舞い申し上げます。
