『あんた、誰のために働いてる?』


これは、故田中角栄氏の、"人を見抜く"ための質問だそうだ。


金のため、家族のため、上司のため、世間体のため、答えは色々あるだろうが、そこに覚悟があるかどうかが問題なのだと。



「お前は、誰のために働いてる?」


この一言で、ほとんどの人間が試される。


人間ってのは、どんなに立派なことを言っても、最後の最後で自分の得になるかを考える。


それは悪いことじゃない。


自分も生きなきゃならん。


だが、その中に、人のために何かを残したいって気持ちがあるかどうか、そこが分かれ目なんだ。



政治家の世界を見てみりゃ分かる。


選挙前は皆、口を揃えて

「国のため、国民のため」

と言う。


だが当選した途端に、誰の顔色を見て動いてるか。


金の流れを追えば、一発で分かる。


俺はそんな連中を見るたびに、胸の中でこう呟いた。


「お前、誰のために働いてる?」

ってな。


自分で答えられない政治家は、どんなに票を取っても信用できねぇ。



俺の知ってるある炭鉱夫の男は、学もないし、礼儀もうまくない。


だが、毎日危険な坑道に潜って働いてた。


ある時、俺が冗談半分に聞いたんだ。


「命がけで働いて、何が楽しい?」

ってな。


すると、そいつは笑いながら言った。


「楽しくはねぇ。でも、俺が掘らなきゃ電車が走らねぇだろ」


その一言で、俺は頭を下げたよ。



世の中に叩かれて、孤立した時もあった。


だが、そんな時こそ、思い出すんだ。


俺は誰のために働いてきたかってな。


答えは、いつだって同じだ。


「日本のため、人のため、そして自分の信念のため」

だ。


だからこそ俺は、今日も胸を張って言える。


人の本性を知りたいなら、ただ一言、こう聞け。


「あんた、誰のために働いてる?」


(YouTube 偉人語録ch 【田中角栄の教え】より抜粋)





生前の田中角栄氏 (1964年5月15日) 【時事通信社】


私はすでに引退している。


だから、

「あんた、誰のために働いてる?」

という質問は成り立たないが、

「あんた、誰のために生きてる?」

だったら成立する。


それでは、

「誰のために生きてる?」

という問いに、私は何と答えるだろう。


そのとき、私はどんな本性を現すだろうか?