「(島根県の)益田に行くんだったら、10時打ちに挑戦してみてはどうですか?」
乗り鉄(鉄道に乗ること自体を楽しむ鉄道ファン) Hさんの、そのひと言からコトは始まった。
「10時打ち」とは、そもそも何?
調べてみると、どうやらJRの指定券を購入するための行為のようである。
JRの指定券は、乗車日1か月前の午前10時ちょうどに発売を開始する。
もちろん、この時間に合わせて取らなくてもいい列車は多々あるが、人気列車の指定席・寝台券ともなると、発売開始直後に埋まってしまうこともあるらしい。
特に、『サンライズ出雲』と『サンライズ瀬戸』は、チケットを入手することが困難と言われている。
『サンライズ出雲・瀬戸』は日本で唯一の定期寝台列車で、鉄道ファンや観光客に人気が集中しているからなのだと。
だから、運を天に任せ、発売開始の10時になった瞬間に、みどりの窓口やネット予約でボタンを押す!
これが、「10時打ち」である。
現在、土曜日の朝7時30分。
私は、東京駅丸の内地下北口改札外の「みどりの窓口」にいる。
厳密に言えば、「みどりの窓口」横の通路、「10時打ち」のレーンに並んでいる。
1ヶ月後に出発する、『サンライズ出雲』 (東京発出雲市行き)の指定券を予約するためだ。
この窓口は早朝5時30分から営業しているので、その気になれば5時半から並ぶことが出来るのだが、私はそこまでの根性はなく7時30分から並び始めた。
それでも発売開始まで2時間半もあるというのに、すでに6人が並んでいた。
私の前の人なんか、4時に家を出たというから恐れ入る。
9時20分頃だったか、係の駅員さんが事前に記入した申込用紙をチェックに来た。
日付や記入漏れ、希望する個室の確認などのためだ。
そして、ここの窓口は6つあるが、私は7番目なので2巡目になると言われた。
え?
本日の「10時打ち」には間に合わなかったということ?
この時点で、全国で一斉に押される、10時ちょうどの、人気の個室争奪戦には参加できないことが判明した。
それでも、まだ取れる可能性のある個室に望みをつなぐ。
10時10分前、「みどりの窓口」の中に入るよう案内された。
10時5分前、6つの一般窓口は全て「10時打ち」窓口に切り替えられた。
10時2分前、カウントダウンの音が流れ始める。
私の前の6人がゲート(窓口)に着く。
ピッ、ピッ、ピッ、ピー!
10時の時報と同時に、窓口の駅員さんが一斉に「10時打ち」。
1人、また1人とチケットが取れていく。
そして、ようやく私の番に。
第一希望、第二希望の個室はすでになし、どうにか第三希望の個室”シングル”が取れた!
ただし、2階建て列車の上ではなく下。
下は上より揺れるという口コミが多い。
申込用紙に書いた“シングル”の横に、”2階を希望“とでも書いておけばよかった。
それでも、取れただけよしとしようか。
サンライズ出雲のB寝台シングル travel.jpより
来月、この列車に乗って、居酒屋探訪家の太田和彦さんが日本一の居酒屋と称する、島根県益田の『田吾作』に行こうと思っている。
「サンライズ出雲・瀬戸」観光列車ナビより


