メリットがある一方で、次のようなデメリットもある。しかし、デメリットと思われることでも、適切に対応することで解消可能である。

1.導入コストがかかる
 ロボットの導入には、当然ながら多大なコストがかかる。ロボット本体以外にもロボット周辺装置や安全対策費、技術者の育成などのコストも考慮しなければならない。この問題に対処するためには、ロボット本体以外も含めたすべての費用を事前に計算し、想定外の支出が起こらないようにすることが必要である。また、さまざまな補助金制度を活用する方法もある。

2.操作・管理者の確保
 ロボット導入後は、ロボットの調整やメンテナンス管理などを行う操作・管理者がどうしても必要である。誤動作や故障時の対応のためにも、正しい知識を得た者が必要である。自己流に対処すると、機械の破損や人身事故などを招く可能性がある。この問題に対処するためには、社内にロボット関連技術に関する有資格者を育成することが必要である。また、新たな製造品種が増えれば、ロボットの動作をティーチングしなければならない。この問題については、オフラインティーチングなどにより、ロボットの操作をしないでプログラムの変更ができるようになってきている。

3.チョコ停やトラブルの発生
 ロボット導入には、当然ながらチョコ停やトラブルの発生という問題がある。チョコ停やトラブルが頻発すると、無人化にならない。この問題も、近年はさまざまなチョコ停発見ツールが開発されてきているため、チョコ停の見える化がしやすい環境をつくることができる。

4.関連する作業の検討不足
 ロボット導入前に想定していなかった苦労としては、事前の検討不足が挙げられる。
 この問題に対処するためには、関連する作業全体を含めた事前検討をしっかりと行うことが重要である。近年、シミュレーションソフトなどの発達により、いろいろな事前検討が可能になってきており、事前に周辺装置を含めた検討が行える。
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