産業用ロボットは長期間稼働することにより各構成部品が経年劣化し当初の機能が維持できなくなったり故障に繋がります。このようなトラブルを未然に防止し安定稼働のために定期的に消耗部品の交換や予防メンテナンスが必要です。

今回はグリス交換についてQ&A形式でお答え致します。

何のためにグリス交換を行うの?

産業用ロボットには、軸といわれる可動部が存在し、軸には減速機やモーターが使用されております。この減速機に潤滑油として、グリスが使用されております。

このロボットの減速機グリスは使用年数が経過すると、酸化や鉄粉が混じり合うことにより劣化していきます。劣化した状態のグリスのままロボットを利用し続けると、減速機やモーターに必要以上の負荷をかけてしまい、減速機やモーターの劣化を早めてしまいます。すると高額製品である減速機やモーターの早期故障や故障による長時間の設備停止が発生致しますので、これを予防する為に、ロボットごとのグリス交換時期を確認頂き、都度交換を実施されることを推奨いたします。

弊社では、グリス交換作業を請け負っておりますので、お気軽にご相談ください。

グリス交換時期の目安は?

グリス交換時期の目安は各メーカー様のロボットごとに必ず存在します。これはロボットの各軸に使用されている減速機メーカーが推奨しているグリス交換時期にもなりますが、その多くは3~4年に一度交換を推奨されております。

ロボット1台グリス交換するのに、何時間かかるの?
機種やメーカーによって、1台当たりの作業時間は3時間~6時間程度と大きく異なる為、一概にお伝えできませんが、弊社の実績で言いますと、多くの場合は1日当たり最大で3~6台程度になります。この作業は、平日・休日どちらも対応可能となっておりますので、お客様のご都合に沿ってスケジューリングすることも可能です。

ただこれをご覧になった方の中には「 グリス交換でこんな時間がかかるのか 」と思われる方もお見えかもしれませんので、なぜ弊社でのグリス交換作業がなぜここまで作業時間が必要なのかを一部ご説明させて頂きます。

弊社では、機種によりますがグリス交換作業時に「 グリス内鉄粉濃度測定 」を行います。これは専用の機材を使用して、排出したグリスに含まれた鉄粉を測定することで減速機の摩耗具合を確認するものです。又、グリス交換後の内圧調整やなじみ運転等を行い、新しいグリスがロボットの負担とならないような調整作業も行います。こういった作業を全てグリス交換作業と同時に実施させて頂く為、少々お時間は頂戴致しますが、その分、単なるグリス交換作業よりもお客様のロボットの延命にお役立ていただけます。

グリス交換に使用するグリスはどんなものを使用してもいいの?
産業用ロボットの減速機グリスはどんなものでも使用してよいわけではございません。メーカーやロボット本体の軸によって産業用ロボットの減速機には様々なグリスが使用されておりますので、それにあったグリスを使用する必要があります。

MIRAI-LABでは低温化におけるトルク特性、耐熱性に優れた産業用ロボット用のグリス(ダフニーエポネックスRG-M)の販売をおこなっております。

純正品に比べて低コスト、潤滑寿命が長いので、製造現場の生産向上とコスト削減につながります。

ここで自社(お客様自身)でグリス交換をする際のグリス発注に関する注意点を併せてご説明したいと思います。このようなグリスは最小購入単位が2kgの場合もあり、一度のグリス交換では使用しきれないことがあります。すると産業用ロボットのグリス交換は3年に1度という場合が多く、次に使用するまでのスパンが長い為、保管期間中にグリスが酸化し、劣化してしまうというケースもございます。

そういったお客様は弊社のようなメンテナンス会社へ保全代行という形で、グリス交換をご依頼頂されることをお勧め致します。弊社にお任せいただければグリスの保管・管理・処分も全て請負ますので、お客様のご負担を軽くすることができます。
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