「アッシュベイビー」金原ひとみ | ※この現実はフィクションです。

※この現実はフィクションです。

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アッシュベイビー (集英社文庫)/金原 ひとみ
¥440
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 生きていることに価値を見いだせない若い女性の葛藤を描いた作品。  個人的には序盤から受け入れがたい内容だと分かったが、我慢してなんとか読破した。だが、気持ちの悪い読後感以外は残らなかった。
 セックス、バイオレンス、死、恋愛、変態。攻撃的なものをただ並べているだけではないか。ラストまで主人公は成長しないし、登場人物たちの言動も要所要所で脈略不明で、ただ呆気にとられるばかり。主人公像を捉えられない一番の原因は、やはり主人公が何を求めているのか、何に苛立っているのかが分からない、という点だろう。無目標で、生きることに積極的になれないことからくる虚無感か。描写力がなさすぎてそれが伝わらない。口を開けばセックスだの誰がむかつくだの、幼稚で安易で、読者はただひくだけ。その時点で嫌煙して理解をやめてしまう。
 他には、象徴的な癖を主人公にもたせるなど、行き場の失ったエネルギーの分かりやすい消化行為等が必要ではないのか。虚言癖や自傷癖など。主人公が途中、太ももをナイフで刺すというシーンがあったが、弱い。主人公はいまのいまでこのような状態に陥ったわけではない。
 この作品はただ気分を害されただけの失敗作でしかなかった。本当は描くつもりはなかった、などと著者は言っているが、既に世に出した作品に対し、言いわけでもするべきではない。