誤解ありがち度 3(5段階)
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A 一般的には復旧のための費用や,営業損害が挙げられます。
ただし,ファーストサーバ事件では約款による制限があります。
【データ消失による損害内容(ファーストサーバ事件)】
データ消失による損害,とはどのようなものが該当するのでしょうか。
→一般的には復旧のための費用や,営業損害が挙げられます。ただし,ファーストサーバ事件では約款による制限があります。
まずは,一般的に,サーバ運営者がデータを消失させた場合に,賠償の対象となる「損害」を挙げます。
<データ消失による損害(一般論)>
1 積極損害
(=現に必要となった費用)
・データ復旧,システム再構築費用
・弁護士費用(損害賠償訴訟を要した場合)
2 消極損害
(=得られるはずの利益が得られなくなった,という差額)
・得べかりし営業利益(営業損害,逸失利益)
現実的には,「2」の消極損害(=営業損害)が,規模(金額)として大きくなります。
また,「サーバ事故がなかったら得られた」という「予測」が算定の元になります。
算定自体に不確定性が残ります。
一般的な損害賠償請求の場面で熾烈な主張の齟齬が生じることが多い損害項目です。
以上は,あくまでも一般的な「事故と因果関係のある損害」=「賠償すべき範囲」です。
ただし,ファーストサーバ事件では,「約款」による制限が規定されています。
ストレートに以上の「損害」が「賠償すべき範囲」となるわけではありません。
【賠償の対象となる「損害」の範囲(ファーストサーバ事件)】
サーバ運営者に責任あり,とされた場合,損害は全部が賠償されるのでしょうか。
→上限は「過去に払った利用料金(総額)」となると思われます。
一般論としては,(責任のある)行為(=事故)と相当因果関係にある「損害」が「賠償の範囲」となります(相当因果関係理論;民法416条)。
しかし,ファーストサーバ社の約款には,これの例外となる規定があります(36条)。
上限は,サービス利用料金の総額,であると規定されています。
このような賠償額に「上限を設ける」規定自体の有効性も問題となります。
この点,消費者契約法上,「軽過失」→「(責任の)一部免除」は認められています。
消費者契約法8条1項1号,2号から解釈するとこのようになるのです。
以下,バリエーション別にまとめます。
<賠償責任上限約款の有効性>
・(利用者が)「消費者」かつ「重過失」→無効(→上限規定が適用されない)
↑消費者契約法8条1項2号
・(利用者が)「消費者」かつ「軽過失」→有効(→上限規定が適用される)
↑消費者契約法8条1項2号反対解釈
・(利用者が)「消費者」ではない →有効(→上限規定が適用される)
↑消費者契約法の適用がないため
なお,以上の解釈も「絶対」ではありません。
例えば,利用者が法人や個人事業主(「消費者」ではない)場合でも,上限規定が「無効」と判断される可能性もあります。
それは,この規定があまりにも不合理であり,公序良俗違反(民法90条)に該当する場合です。
素朴に考えると,「過去の利用料金総額」をすべて返還(賠償)する,ということは一定の合理性があると思われます。
ただし,「外部サーバへのデータ保存」を契約内容としていたケース(サービス名=「ビズ2」)の場合は,「賠償額の上限を設けることは合理性がない」と判断される可能性も高いと思われます。
<ファーストサーバ社の約款>
第36条(損害賠償額の制限)
本サービスの利用に関し当社が損害賠償義務を負う場合,契約者が当社に本サービスの対価として支払った総額を限度額として賠償責任を負うものとします。
[民法]
(損害賠償の範囲)
第四百十六条 債務の不履行に対する損害賠償の請求は、これによって通常生ずべき損害の賠償をさせることをその目的とする。
2 特別の事情によって生じた損害であっても、当事者がその事情を予見し、又は予見することができたときは、債権者は、その賠償を請求することができる。
[消費者契約法]
(事業者の損害賠償の責任を免除する条項の無効)
第八条 次に掲げる消費者契約の条項は、無効とする。
一 事業者の債務不履行により消費者に生じた損害を賠償する責任の全部を免除する条項
二 事業者の債務不履行(当該事業者、その代表者又はその使用する者の故意又は重大な過失によるものに限る。)により消費者に生じた損害を賠償する責任の一部を免除する条項
三 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為により消費者に生じた損害を賠償する民法 の規定による責任の全部を免除する条項
四 消費者契約における事業者の債務の履行に際してされた当該事業者の不法行為(当該事業者、その代表者又はその使用する者の故意又は重大な過失によるものに限る。)により消費者に生じた損害を賠償する民法 の規定による責任の一部を免除する条項
五 消費者契約が有償契約である場合において、当該消費者契約の目的物に隠れた瑕疵があるとき(当該消費者契約が請負契約である場合には、当該消費者契約の仕事の目的物に瑕疵があるとき。次項において同じ。)に、当該瑕疵により消費者に生じた損害を賠償する事業者の責任の全部を免除する条項
2(略)
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