その時、突然ノイズが走り、すべてのモニター画面が真っ黒になった。
「???」
カークは何が起きたのか理解出来ず、とにかくマウスをクリックし続けたが、全く何も映らない。
(ヤバい、フランシスが帰って来る前になんとかしないと-!!)
カークが動かないモニターと必死に格闘していると、突然何も起きなかったように、再び映像が映った。
「あれ?」
しかしカークの目には、さっきまでの物とはどこかが違う。
「オレこんなに戻したっけ?」
気になって再生して見たが、いくら先に進めても、他の映像は出てくるのに、さっき見たはずの美女トリオや小さな女性や白銀の青年が映っている場面だけは、どの監視カメラの映像からも見つけることが出来なかった。
(一体何が起きたんだ?)
一部の人間に関する映像だけが勝手に消えるなどあり得ない。
誰かに消されたと考えるのが普通だ。
だがセキュリティーの厳重な警察のコンピューターにそんなことが出来るのは…。
カークはしばらく考込んで、ハッと気づいた。
どうやら早くも事件のことがアルディ家の耳に入って、某諜報員による揉み消し工作が行われたらしい。
警察署内のホストコンピューターのデータにまでハッキングして、都合の悪い場面だけを何の痕跡も残さずこんなに短時間で消去していくとは…。
恐るべしアルディ家、恐るべしマドモワゼルchan。
カークが恐れおののいていると、ドタバタと騒々しい足音が近づいてきて、ノックもなしにドアが開き、
「カークさん、買って来ましたよ!!」
フランシスがペリエの瓶を何本も抱えて息を切らせて駆け込んで来た。