2022年6月に詠める Vol.2<「日々のお題」等>
注1:短歌の「日々のお題」は筆者自ら
設定したものです。
注2:どれも(俳句も)、言葉遊びのつもりで気楽に
詠んでいますので、固いことは抜きで。
注3:【別途】とあるのは、一応、
「日経歌壇」等に投稿予定の歌です。
(必要により更なる推敲を加えるので、
変身することたびたび。)
通常、投稿後ひと月経過後くらいに、
ここに載せます。
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★★日々のお題★★
(注:筆者が自ら設定した「お題」です。)
(【6月】※詠み込み必須※別名可)
忘れ物取りに戻りてまた別の忘れ物する老の六月
(「港」関連)
今頃は竹芝桟橋に接岸か帰省の子のためうどんを茹でる(「祈り」関連)
システィナの瞋りの腕より長崎の天を指差す腕に親しみ
(「老後」関連)
手を借りて不要書籍を箱詰めす慌てて隠すアダルトビデオ
(「虫」関連)
釣果無き暮色の湖畔を戻り来ればホタルブクロが足下を照らす
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憤りはしても隠すは容易(たやす)かり伊達に世を経りし我ならなくに
(「四角」関連)
吊革を手に広告を凝視する俺の頭はシカクくはない
(【下】)
上げ下(くだ)しするほど飲食(おんじき)することもこころの刺激もなき日々を
(「梅酒」関連)
冷凍庫に初めて仕舞ひぬ食パンを次に梅ジャムつくる日までと
(「楽器」関連)
ハーピストは優雅な白鳥(スワン)スカートが覆ふを嘉す忙しき足を
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(「豆腐」関連)
タッパーに使い残しの春菊が普段つくらぬ白和へ試す
(「梅雨」関連)
見回してホットにしようと即断す奄美の梅雨が明けた日の午後
(「家族」関連)
三日間の献立とくと思案するふた月ぶりの帰省子のため
(「銀行」関連)
「印鑑を持つて帰つて」メールする満期ですよの知らせを受けて
(「寿司」関連)
赴任地の茶飯の事に花が咲く好みの具材を手巻きしながら
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(「ロマンス」関連)
枯れ切つた我にひよんなる春光が夫(つま)あり子ありの四十の熟女
(「夕」関連)
出張にかこつけホテルで待ち合せ今宵を期してバイ■グラ飲む
(「夜」関連)
張り切つた後は汗だく小休止眠らせないよと共にシャワーを
(「朝」関連)
射し込める朝日を受けて再々度眠気なけれど空砲悲し
(「昼」関連)
心地よきだるさとともに帰路に就くなにやらゆかし昼顔の花
(「波乱」関連)
「何なのよ!」家内の怒声が鳴り響く手には薄紫の小箱が
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<<その他>>
美醜とふ俗な基準ぢや測れないモディリアニ描きし胡瓜顔らは
投稿を始めてそろそろ一年に未だ光を放たぬ俳句
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<<路地裏短歌会>>
「自由詠」
深更の厨にウオック鍋を振る左手小指に付きし筋肉
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<<俳句>>
陽が射して五分松蝉大合唱
梔子の花や彼電ブロックす
デコピンで飛ばしし毛虫別の葉に
右巻きの捩花脇侍は左巻き
片陰を縫へばエゴの実涼しげに
猛暑日や鵜鷹のやうに席探す
<以上>