今朝は、昨日出たばかりの
「月刊文藝春秋」誌新年特別号からの
拾い読み。
巻末の「編集だより」によれば、
「今号は創刊100周年記念特別号の第一弾。
記念号は再来年2月号まで14冊続きます。」
とのこと。
今号は、記念号だけあって(?)、
格別分厚く、604頁もある。
(注:ちなみに、11月号は396頁、
12月号は412頁だった。
今号の目玉は、次のとおり。
★ 独占インタビュー トヨタ豊田章男(社長)
すべての疑問に答える!
聞き手は、新谷編集長
★ 緊急特集 天皇と日本人
『愛子天皇は実現するか』など
8本
★ 100周年記念企画 100年の
100人
夏目漱石はじめ歴史上の人物から
現役の人物まで、著名人を採り上げて
いる
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
さて、以下、本論。
本記事で取り上げるのは、
上掲の特集や記念企画ではなく、
巻頭近くのエッセー集の中に
挿入されている囲み記事。
毎号掲載されていて、短歌、俳句、
詩の3本建てだ。
今号は、いつもと違って、
「百周年記念 傑作選」と
銘打っている。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
以下、短歌と俳句のみを紹介する。
なお、注をふたつほど付けておく。
★ 短歌
あこがれを追ひ詰めてゆくかたちにて草焼けば草の炎は赤し
蚕豆(注)の花ゆれてゐしふるさともわが母も夢に見ることはなし
生方たつゑ
あかあかと炎は立てり戦争も恋も政治も挑発として
背振山地の起伏を移る夕日かげ人死して移る歴史とは何
佐佐木幸綱
オンライン授業垣間見してみれば源氏が女を垣間見ており
正しさが大暴落をする時代マスクの中に何か隠して
俵 万智
★ 俳句
野分して鶏人(注)の顔よろこばず
鷹鳴いて深山の空小暇あり
飯田蛇笏
年酒して旅の夫婦の埒もなし
釣堀の著膨れ父子いつまでも
石田波郷
ほとばしる湯殿山霊代(ゆどのたましろ)初景色
肝っ玉おっかあたちや寝正月
金子兜太
(注)
● 蚕豆(そらまめ/さんとう) そら豆のこと
● 鶏人(けいじん/にわとりびと) 中古、宮中で
時刻を知らせた役人
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
この囲み記事を記事にしようと思ったのは、
短歌の冒頭に生方たつゑが登場していたから。
彼女は三重県生まれだが、
わがふるさとに嫁いできて、
歌人として名を成し、そこに骨をうずめた。
(注:下記<関連記事>を参照されたい。)
生方の作品を初めとして、どの作品も
筆者にとっては初見のものばかり(のようだ)。
少なくとも、記憶にはない。
これらの作品は、この100年の間に
本誌に掲載されたものの中から
編集部(?)が選んだもののようだ。
これらすべてが「傑作」と言えるのかどうか,
若干疑念がないわけではない。
なお、手元の『三省堂 名歌名句辞典』に
当たってみたところ、1首(句)も
載っていなかった。
恐らく、代表作とは言い難いようだ。
<以上>
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辛口はシャルドネゆづり冬の星
詠み人:樺風
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