「『日本沈没』小松左京の警鐘が甦る」(月刊文藝春秋11月号)を読んで | 松原湖高原☆風だより

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松原湖高原(八ヶ岳・東麓)からお送りする
四季折々の朝風

 
表題の対談を読んだ。

片山杜秀氏(慶應義塾大学教授)と

小松実盛氏(小松左京の次男)との対談だ。

副題に、

「SF小説の巨匠が日本人に伝えたかったこと」

とある。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


対談では、いろいろ語られているが、

筆者の関心を惹いたことは、

次の2点。


★ 小松左京の思い

 
  「『日本沈没』に父が込めたのは、

  あえて地獄を描くことで、それを日本人が

  総力を結集して克服し、天国へ昇って

  いって欲しいという切実な思い」(小松実盛氏)


★ 「日本沈没」第二部が長らく刊行されなかった理由


  第一部で生き延びた日本人8,000万人が、

  世界各地に分散、どのように生きていくか。

  それが第二部の内容。

  日本人のディアスポラ譚だが、

  困ったことに、先の地殻変動により

  地球の寒冷化が始まる。

  食料が不足し、世界各地で日本人への迫害も。

  結果、多くの日本人を殺さざるを得なくなり、

  それで筆が止まった。(同氏の発言などを要約)



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


筆者は、小松左京氏のよき愛読者とは言えないが、

それでも氏の小説のいくつかは読んでいる。


代表作「日本沈没」の刊行は、

1973年(昭和48年)の3月。

もうすぐ大学4年となる春先だった。

このときは、すぐさま書店に走って、

上下2冊を買い込み、

一気に読了した。


非常に面白い内容だったが、

同時に、

「プレートテクトニクス理論に基づき、

太平洋プレートがユーラシアプレートなり、

北米プレートなりに沈み込むにしても、

1年やそこらで進行するわけないじゃん。

この点、誇大妄想気味だ。」

との感想を持った。

その年末だったかには、映画化もされたようだったが、

見に行ったかどうか、記憶にない。


流浪の民となった日本人のその後を描く

第二部が久しく待たれたが、

21世紀になって、SF作家の谷甲州氏らの手によって、

ようやく出版となったようだ。

新聞記事で読んだ記憶がある。

また、同じ年に、(第一部が)再映画化もされたらしい。

残念ながら、筆者は、そのどちらも見て(読んで)いない。


「日本沈没」の10年後くらいに、

氏の小説「さよならジュピター」が、

週刊サンケイだったかに連載された。

これは、映画「さよならジュピター」を

ノベライズしたものだったようだ。

筆者は、同誌をときどき手にしては読んでいた。

最後の場面だけが、記憶に残っている。

なお、失敗作といわれている映画の方は、未見。


映画「首都消失」は、いつのことだったか、

とにかく見た記憶がある。

映画館でだったか、テレビでだったかは、

記憶があいまいだが、、、。


と、ここまで書いてきて、

「日本沈没」の第二部を是非読んでおきたいと思った。

思い立ったが吉日、早速、いつもの図書館に行って

検索してみたところ、当該図書が在庫していた。

借りてきて、今、走り読みしているところだ。

(字が小さくて読みにくいことこのうえない(涙))





                         <以上>



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(旅行を終えて自宅へ)

バッグ引き歩む夫婦や敗れ荷

                  詠み人:樺風



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