(つづき)
モエ:私、昔から「催眠術には絶対にかからないぞ」って思っていて。
講座でマサコさんが誘導するときに「3、2、1」って言うじゃないですか? 催眠術の誘導と似ている感じがして、抵抗があるんです。
★そのときの記事![]()
「それ、過去世がありますよ」と視にいくと、モエさんが宇宙人の子どもだったときの場面が出てきました。
私:地球に行くのを嫌がっていたんです。たくさんの子どもたちが地球へ行く中で、何人か嫌がる子がいて。
そういう子は「3、2、1」って催眠術をかけられて、目が覚めた瞬間、地球に降り立っているんです。
私:ほとんどの子は催眠術にかかっているので、地球にいることを何とも思わないんですけど、たまにかかっていない子がいて、「なぜ私は急にここに放り出されたの?」って思っちゃうの。
モエさんもそのひとりだったんです。
この過去世を書き換えました。
私:惑星に降り立った場面ですね。広場のようなところに30人ぐらいの宇宙人がいます。
催眠術にかかっている子たちは、そのままどこかへ走り去っていって、5、6人のかかっていない子だけがその場に残っている。
私:その子たちは手に箱を持っていることに気づく。オルゴールのような。
「なんだろう?」と蓋を開けて中を覗き込んだ瞬間、記憶が全部飛んで、さっきの子たちと同じように走り出して、そこから人生が始まる。
こちらのストーリーに書き換えた結果、モエさんも以後、「3、2、1」が平気になりました。
私:だから、Sさんもきっと過去世があるんだと思います。
S氏:さっき、F氏の話を聞いていた時に、僕も「3、2、1」を聞くと、「追い詰められる」という感覚がきました。
私:じゃあ、それにかかわる過去世を視てみましょう。
誘導します。
出てきたのは、時計を修理する職人でした。
S氏:工房の中にいます。中年の男性ですね。革のワークブーツを履いて、作業服を着ている。
私:なぜ「3、2、1」を聞くと、追い詰められるのか、それが分かる場面に行ってください……「1、2、3」。
S氏:ああ、やっぱり「1、2、3」はだめですね。降りていけない。意識が上に向かって行っちゃう。
そうなんです。
「3、2、1」というカウントには、意識を深層へと導く作用があります。
ヒプノセラピーで過去世へ入るときも、「階段を下りていきましょう。十段、九段、八段……」
と数えながら、少しずつ心の奥へ降りていきます。
ヒプノセラピーで過去世へ誘導するときも、「階段を下りて行ってください、十段、九段、八段……」とカウントします。
逆に解催眠(セッションの終わりに意識を戻すとき)は、3、4、5!」とカウントして、意識を上にあげていきます。
誘導をやり直します。
私:じゃあ、その場面に降りていきましょう。「3、2、1」
S氏:腕時計を修理している場面です。
お客さんが「秒針が12時のところで止まってしまう」と言って、直してほしいと頼んできました。
S氏:でも、何回修理しても直らなくて。
修理するたびに、秒針を確認している。
秒針が12時に近づくたびに「あと三秒、二秒、一秒、あ~、ダメだった。やっぱり12時で止まってしまう……」っていうのをずっと繰り返しています。
S氏:自分でカウントしてますね。「3、2、1、行け! あ~、ダメだ、また一からやり直しだ、バラさなきゃ」って。
この過去世を書き換えます。
S氏:時計の蓋を開けてもう一度注意深く見てみたら、原因は思っていた場所とは全く違うところにありました。そこを直したら、秒針が動き出したんです。
しかも、壊れていた「日付表示」の箇所もちゃんと動くようになってますね。
お客さんから修理を頼まれたのは「秒針」だけだったそうです。
「日付」も壊れて動かなかったけど、これはもう無理だろうからと諦めていて、修理の依頼はされなかったそうです。
S氏:そこもちゃんと動き出して、お客さんは大喜び! 僕もハッピーです。
S氏のガイドに「なぜ、このような人生を経験したのか」尋ねてみました。
S氏:ワクワク感? 困難を乗り越えてうまくいった時の喜び、働くことの本当の喜びを 知るため。
私:なるほど、深いですね。ではこれで大丈夫そうですか?
私:じゃあ、これで大丈夫かしら?
S氏:そうですね。時計が直って喜んでますからね。
……そう思っていたのですが、
このあと、思いもよらない展開が待っていました。
なんと、過去世の時計職人から「不満の声」が上がったのです(笑)。
(つづく)
