(つづき)
小さい女の子が、菜の花畑をはしゃぎながら歩き回っているのが視えます。
ふと……
ある場所に、マンホールの蓋ぐらいの大きさの穴があるのに気づきます。
女の子が「これ、なんだろう?」とそばへ行って覗くと、地下へ降りて行く階段が見えて……。
好奇心に駆られ、「どうしようかなぁ。どうしようかな?」と思った次の瞬間、女の子の体は転げ落ちるかのように穴の中に引っ張られ、柔らかい土の上に着地しています。
上を見上げると地上の丸い光がぽっかりと見えます。
でも、特に不安も感じない。
それどころか、嬉しくワクワクしています。
私:きょろきょろと周りを見回すと、八方向に道があります。
むらちゃん、どの道を行きますか?
むらちゃん:えっと、左斜め後ろの道。
私:そこを進んでいくと、ぴょこんって何か動物みたいなのが現れる。
それは何ですか?
むらちゃん:牛
私:牛? (地中に牛って面白い。笑いをこらえて)その牛が「僕が案内しますよ」って前を歩いていく。牛の細い尻尾がプルンプルンって揺れるのを見ながら後をついていくと、扉の前に来ました。
私:牛が「じゃあ、僕はここまで」と言って、いなくなります。
扉を開けると、中はお部屋になっています。
何色の部屋ですか?
むらちゃん:茶色い部屋。
その部屋には何もないというので、さらに奥の部屋へと進んでもらいます。
むらちゃん:やっぱり茶色い部屋で、お鍋がある。ふたつのお鍋が上下に重なって揺れている。
私:人は?
むらちゃん:いません。
私:じゃあ、そのお鍋に「私はここからどこへ行けばいいの?」って尋ねて下さい。
むらちゃん:「この網に入りなよ」って。
魚を取るような、ネットの網がそこにあります。
私:むらちゃんが入れるぐらいの大きさ?
むらちゃん:いいえ、 ちっちゃいです。
私:じゃあ足だけ入れるの?
むらちゃん:あー、頭からかぶってる!
私:そして目をつぶったらどうなりました? どこかに瞬間移動したとか?
むらちゃん:いいえ、ただ網を頭からかぶっただけで、その部屋にいる。
なんか目の前がモヤモヤしてる。
私:私たちは黄色い光を探してるんだけど。
そのモヤモヤの中に入ったら何か見えますか?
むらちゃん: うーん……。
私:私に見えるのは、そのモヤモヤが、霧が晴れるように一瞬晴れたときに、小箱を抱えて立っているおじいさんがいる。
箱の中に黄色い光が入ってるんじゃないかと思うんですけど。
私:「その小箱を取りに行きたいんだけどなぁ」と思った瞬間に、何かが現れますよ? 3,2,1
むらちゃん:鳥じゃないかな。色はわかんないけど、形が鳥。さっきからずっといる。
私:その鳥に乗っていくの? それとも鳥が案内してくれる?
むらちゃん: 案内してくれる。
私:じゃあその鳥を見失わないようにモヤモヤの中を進んでいってください。
自分では霧の中を通り抜けているような感覚があるんだけど、ハッと気がつくと、いつのまにか目の前にはおじいさんがいる。
私:おじいさんがにっこり笑って「ようやくこの箱を渡せる時がきたね」って。
私:おじいさんに聞きますね。この箱の中に入っている黄色い光は、むらちゃんの過去生が関係しているの? それとも今生の出来事が関係している? どっちですか?
むらちゃん:うーん…(とわからない様子)
私:じゃあ、過去生だったら蝶々、今世だったらトンボが出てきますよ。3,2,1
むらちゃん:あ、トンボですね。
私:じゃあ、それが何歳の時なのか。今から数字を言っていくので、ピンときたら教えて
順に言っていくと、
むらちゃん:6歳です
私:6歳のときに何かがあったんだね。
むらちゃん:家を引っ越したんです。学校も転校して。それで、いじめられたんです。
私:そのときに黄色い光を失ったのかも。
むらちゃん:え~? すっかり忘れてたのに。まさかこれが出てくるなんて!
私:そのいじめって何歳ぐらいまで続いたんですか?
むらちゃん:親に言ったら、(先生に言ってくれたらしく)すぐ終わりました。
私:その時の6歳の自分をイメージして、尋ねてください。「 いじめられた時、どんな気持ちだったの?」って。
むらちゃん:「なんでだろう? なんでそんなことされているの?」
私:その理由はわかったんですか?
むらちゃん:後になって母親から聞きました。
好きだった女の子が私と入れ替わるように転校してしまったから、「なんでお前が来たんだよ」って、八つ当たりのようにいじめていたみたいです。
私:今、大人のむらちゃんは、その男の子にどんな言葉をかけてあげたいですか?
むらちゃん:うーん。「しょうがないじゃん」って。
私:そうですよね…
大人になるにつれてわかるけど、しょうがないことっていっぱいありますよね。
子供の転校って、ほぼ親の都合じゃないですか?
転勤とか、引っ越しとか。
子供は親についていくしかないから。
その子だってそれはわかってるけど、寂しいっていう気持ちの持って行き場がなかったんでしょうね。
このあと、男の子が「あんなこと言っちゃってごめんなさい」と謝ってきたので、彼の罪悪感はこれで清算できたんだろうと思いつつ、「むらちゃんは、どお?」と聞くと、
私:いいよ、いいよ、全然。とっくに忘れてたし、まさかそれが出てくると思ってなかったから、もう「へー?」って驚き。
ここでおじいさんが持っている小箱を開けてもらおうと思ったら、
むらちゃん:あ、もう開いてる!
その箱から流れ出た黄色い光が、むらちゃんの第三チャクラへと吸い込まれていきました。
しばらくして…
「もう大丈夫かな?」と言ったその瞬間、むらちゃんと私がふと窓の外を見ると、真っ黄色の日傘を差した女性が通りかかり、思わず顔を見合わせて驚きました。
あんなに鮮やかな原色の黄色い日傘なんて、滅多に見かけないのに。
なんだか「OK」のサインのようです。笑
むらちゃんがまたオーラ鑑定にいったら、今度は黄色が出るのかどうか楽しみです。
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