今回のミラクルズは「まさか、嘘でしょ？」の展開（3）

（つづき）

すぐに最初の鳥居に到着。

ここで「登山届」を記入して、備え付けの箱に入れます。

リカちゃんは昨年も奥宮へ行ったので、勝手がわかっています。

ここにはスタッフらしき男性がふたりいて、「山登り安全ガイド」と、防災アルミブランケットを配っていました。

ありがたく頂戴して鳥居をくぐります。

ちょっと登山道っぽくなってきました。

ああ、もうワクワクが止まりません！

これから一体何が起こるの？って。

期待に胸を膨らませ、つい笑みがこぼれてしまう、

そのとき！

 

ぐきっ…！

え？　ぐきっ？

あ…！

腰が！

こ、腰が……！

まさか、ぎっくり腰？

嘘でしょ！

ここで？

このタイミングで？

ええ～！

足が痛くなったらどうしよう？とかは思っていたけど、まさかのぎっくり腰？

どうしよう…

どうしようって…

早く決断しないと。

おそるおそる一歩二歩と足を踏み出してみますが、ぎくって…

険しい上り坂は到底無理でしょう。

無理してでも行きたいという気持ちはありますが、痛みで動けなくなったらそれこそ救助隊のお世話にならざるを得ないかも。

先ほどのスタッフの人たちの顔がチラチラと。

いやいやいや、迷惑はかけられない。

はやく決断しないとリカちゃんたちにも迷惑かけちゃう。

どうしよう、

どうしよう…

まだ10分しか歩いてないのに。

何のために今日ここへ来たんだろう。

いやいや、今はこんな理由を探るよりも決断、決断。

淡い期待で一歩、歩いてみますが、ぎくっ…

無理だわ。

きっと歩けなくなる。

痛みがひどくなって。

引き返す決断をします。

私：ごめんね、ふたりで行って。下で待ってるから。

リカ：でも、行って帰ってくるまで2～3時間かかりますよ？

私：大丈夫。ふたりで行くことになってたんだと思う。

そうでなければ、こんなことは起こりません。

私：だから、時間は気にせず行ってきて。

ふたりを見送り、Uターンします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ここからリカちゃんたちの奥宮までの道のりは、こんな感じだったそうです。

山道を進んでいくと、二つ目の鳥居があります。

山道の坂はジグザグしながらどんどん険しくなり、

ときには岩がごろごろと散らばる急斜面も。

腰痛があったらとてもじゃないけど登れなかったと思います。

それにこの日の朝まで雨が降っていました。

ですから、石も、木の根も、落ち葉も滑る、滑る…

2人はトレッキングシューズでしたが、私はスニーカーだったのでかなり危険だったかもしれません。

あと1.9㎞です。

最後の鳥居です。

この日の空はどんより曇りです。

今にも雨が降り出しそうでしたが、運よく天気は持ちこたえてくれました。

ここから難所です。

幅の狭い道は慎重に進む必要があります。

ギシギシと音の鳴る階段も、慎重に、慎重に。

昔の人はこのような階段もなく、岩をよじ登ったのでしょうね。

おっ！　

この鮮やかな「赤」は山の中でひときわ目立ちますね。

なんという急勾配！

この階段を登って、

登り切った！

……ら、次に待ち受けていたのは、ここ！

「くさり場」

鎖を伝って登るために軍手を用意してきたのです。

頑張れ！

もう少し！

あと一歩！

ついに、奥宮！

1時間ほどで到着です。

奥宮社殿の改築記念碑。

眷属の狼もたくさん！
 

カオさんはここでお守りの「気」が、自身にふわ～っと全部入ってきたような感覚があったそうです。
 

むむむ…

これは何かしら？

すばらしい眺望です！

…が、リカちゃん、かなり危険な場所に立ってない？

あとでそう言ったら、

「写真撮るのに夢中で、恐怖心も感じませんでした。でも落ちたら助からない場所でしたね」って。

ここで記念撮影したんですね！

きゃあっ…！

カオさんも怖いことしてる！

断崖絶壁ですよ！

さて、二人から

「無事奥宮へ到着しました！　これから下山しますね！」

とLINEをもらったころ、私は何をしていたかというと…

（つづく）

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