(つづき)
この日、N子さんの解放はまだ続きます。
トイレに立ったN子さんが戻ってくると、こう言ったのです。
N子:さっきトイレに行ったとき、急に「人間なんて大嫌い」って思った。
私:講座に来ているときに「ふっと思ったこと」はとても大事で、それは解放を促すためのヒントとして降ってきているから遠慮なく言ってね。
そう言いながら、私には白い服を着た男性が見えていました。天界から降りてきた人のようです。
私:その人が迫害されたのかな?
N子:古代の日本では盟神探湯(くかたち)っていって、罪を犯した人を裁くときに、熱湯に手をつけさせてなんともなかったら無罪で、火傷をしたら有罪みたいな話を聞いたことがあるんだけど、今、それを思い出しました。
男性がひざまずいて両手を地面の上に置き、足で踏みつけられているヴィジョンが浮かびます。
人間界をサポートするために天界から降りてきた男性が、人々に慕われ、友好的な関係を築いていたけれど、身近な人(=Aさんとする)から裏切られたような気がします。
私:Aさんが嘘の悪い噂を広める。
「彼はみんなにいい顔してるけど、本当はこの辺りを支配しようとしているんだぜ」みたいな。
最初はみんな信じなかったんだけど、何が起きたのか、最終的には彼が土の上に両手を置いて、それをAさんが踏みつけているイメージがくる。
なぜそんなことになったのかな、リカちゃん?
リカ:Aさんは親しい人を演じていただけで、最初から何か魂胆があって彼に近づいた。
私:彼を裏切った目的は何だろう?
カオ:自分が思いを寄せていた人が、彼のことを好きになったから。
私:それを妬んだから、冤罪みたいなことをでっちあげたの?
アユ:Aさんはその地域の有力者だった。みんなが彼を慕うあまり、自分の立場が弱くなるんじゃないかと疑心暗鬼になって、彼を邪魔に思うようになった。
なるほど。
先を視てみます。
私:彼はそんな事は考えてないって言うんだけど、Aさんは、そもそもお前、ほんとに天界から来たのか? だったらそれを証明してみせろと言って、地面に両手を置かせている。
足で踏みつけているんだけど、何をしているのかな?
N子:何か人質をとられて、その人をかばうためにやっているのかな?
天界から来ている人で能力があるから、逃げようと思えばすぐに逃げられるし、そんな茶番に付き合う必要はないのに逃げないのは、人質をかばっているから?
私:人質……というよりも、何かその女の人が関わっている感じがしますね。
カオ:彼はAさんに何かを気づかせるために、あえて逃げないんじゃないかな。
私:そうですね。
逃げることはできても、逃げないと思います。
そもそも人間界がどういうところかをわかって来ているので。
N子さんが言うように、そんな茶番に付き合う必要はないんだけど、付き合うために人間界に来ているから。
そうでなきゃ最初からこんな世界に来ませんよね。
私:人間から見たら、彼が自己犠牲を払っているように見えるかもしれないけど、彼からしたら人間に何かを気づかせるために来ているから、その役目をこなしているに過ぎない。
私:さっきアユさんが、「この過去世で残っているのは、Aさんの罪悪感なんですかね?」って言ったけど、その通りだと思います。
天界の人には苦しみは残ってないです。
両手を地面に置かせて何をやっているのかな、カオさん?
カオ:う~ん……パス!
私:アユさん?
アユ:……パス!
この「パス制度」はなかなか良いです。笑
プレッシャーがないので、みんな気楽に臨めます。
私:何かを試そうとしているんだと思うんですよね。
リカちゃんが「彼には手に力がある」って言ってたけど、みんなもそれを知っていて、だから何かを試そうとしている感じが来ます。
それが本物なら証拠を見せろみたいな感じ。
ここでは、
「死んだ動物を生き返らせる」
「植物の種を埋めて、一瞬で実をならせる」
などのイメージが出てきましたが、最終的には「何か壊れたものを復元してみせろと言ったのでは?」に落ち着きました。
私:それをお試しさせて、結果どうなったのかな?
アユ:その時にはできてなくて、でも、後でできてた!みたいな、後で気づいてびっくりみたいな?
私:やっぱりその女の人が関係してたんじゃないかな。
彼女が頭につけていたティアラをAさんがぱっと取り上げて、バキバキに割って地面にパン!って投げつけて。
彼が何をするんだ!って手を伸ばしたら、Aさんがその手を上から踏みつけて、お前に神の力があるなら、これをもとに戻してみろ!って。
私:そのティアラは彼女の家に代々伝わる家宝で、みんなそのことを知っていたから、青ざめた顔で見てる。
私:結局その場では復元できなくて、Aさんは「ほらみろ!」って嘲り笑うんだけど、アユさんが言うように、彼女がショックを受けながら自分の家に帰ったら、ちゃんと復元されていて、いつも自分が保管してる場所にあったんですよ。
私:そのティアラを持って、みんなのいるところに戻ってきて、「これを見て、これを見て!」って。
みんな、わーって集まって来てどよめくんですけど、肝心の天界の人の姿はそれっきりもう誰も見ることがなかったの。
私:Aさんは今まで通りみんなのリーダー格だったけど、みんなの彼に対する信頼は薄らいで…。
天界の人はさまざまな知識があって、いつもみんなのことを助けてくれたり、いろんなことを教えてくれたりしていたから、「彼がいてくれたらなぁ」って。
なんであんなことをしたんだって、Aさんに対して不満を抱いている。
結局その女の人とAさんもうまくいかなかった。
私:う~ん、でも、まだ何かがある感じ 。
なにか大事なこと…。
(つづく)
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