(つづき)
一通りの話が終わったところで、ユウコさんに尋ねます。
私:ユウコさん、ここまでの「光と闇」の話を聞いてどうですか?
ユウコ:(にこにこしながら)うれしい!
その言葉を聞いて、思わず私とMさんが顔を見合わせました。
私:なぜ、今、「嬉しい」って言ったの?
ユウコ:わかってくれる人がいて嬉しい。差別されていることに。
私:ふうん? 差別?
気になります。
何かあるのかもしれません。
Mさんにお願いして、ユウコさんの「光と闇に関する過去世で解放すべきもの」を見に行くことにしました。
ユウコ:緑色の肌、黒い三角帽子のようなものを被った魔女が見える。
顔はおじいさんにもおばあさんにも見えそうなおばあさん。
Mさん:今、どんなところにいますか?
ユウコ:紺に近い、青色のバックグラウンド。ほうきで空を飛んでいるイメージ。川を渡っている
Mさん:ほかに誰かいますか?
ユウコ:ひとり。どこかへ向かっているけど、どこへ向かっているのかわからない。眼下に大きな滝が見える。紫色の石も。クリスタル? が見える。
私:Mさん、目的地へ飛ばしていいですよ。
Mさん:では目的地へ行ってください、3,2,1!
ユウコ:苔の生えた水の中。水が全部、緑色の苔。ということは、光が差し込んでいるんだろうな。
Mさん:なぜここへ来たの?
ユウコ:自分で来ようと思ったわけではないから、わからない。
Mさん:誰かに連れてこられたんですか? それとも引き寄せられた?
ユウコ:さっきの滝の奥まったところがこの場所なのかな? 滝の横を進むと、奥にこういう場所があるのかな。私は水の中で死んでいる気がする。
Mさん:何が起きたの? その場面を見せて、3,2,1。
ユウコ:空を飛んでいたら虫取り網で一瞬にして捕まったようなイメージがある。檻に入れて水に沈められたのかな? 恐怖などの感情はない
Mさん:どんな人に捕まったの?
ユウコ:知ってる人ではない。緑色の人たち。私よりも身長が小さい。2~3人いたのかな?
楽しく飛んでいたらいきなり捕まった。意識のないまま檻に入れられているのが見える。
Mさん:なぜあなたを捕まえたの?
ユウコ:人間が、虫が飛んでいるとそれを捕まえて除去するのと同じ感覚。その人たちはただ単に自分たちが正しいと思ったことを淡々とやっているだけ。私とその人たちの間に関わりはない。
私:そのようにして人生が終わったことをどう思っているの?
ユウコ:感情は何も出てこない。
私:自分たちがそんなふうに捕まることもあるということを、みんな知っているんですか?
ユウコ:いいえ。
私:他の人もそういう目に遭っている?
ユウコ:それはわからないし、知らない。そういうことが起きること自体知らなかった。水に沈められて眠っている間に死んでしまった感じで、感情は何もない。
私:その出来事があなたの中の「光と闇」を区別するきっかけになっているの?
ユウコ:もし関係があるとしたら、各々がやるべきことをただやっているだけということ。光でも闇でもない。ただ、自分の考えに従って行動しているだけ。
私;ほかに「光と闇」に関わる場面がありますか?
ユウコ:そう言われて、一瞬「光」という言葉に反応したのか、白い衣をまとった女神のような人がふわりと見えたけど、すぐに消えた。あまり関係ない気がする
私:ユウコさんのガイドに聞きますね。なぜ今、この過去世を見せたの?
ガイド:光も闇もないということを言いたかった。
私:(なるほど。単に立場の違いに基づいて行動しているだけということを見せたかったのね)
私:では、さっき私が「光と闇」はないと言った時に、「嬉しい」といったユウコさんのサブパーソナリティー、出てきてください
ユウコ:細い棒のようなものが見える。人ではない
私:なぜ、あなたは「嬉しい」と言ったの?
ユウコ:区別が差別になりやすい。
「差別」と言う言葉に反応する自分がいる。
私:あなたはいつからユウコさんの中にいますか?
棒人間:過去世から
その過去世へ誘導します。
ユウコ:足元は裸足か、裸足に近い。下半身は布切れをまとっている。作られたものを着ている感じではない。単に布切れをまとっているだけ。
髪の毛は胸ぐらいまでの長さ。濃いめの茶色。
男か女かわからない、4,5歳?
たぶん、男の子。意志の強い顔をしている
私:今、どこにいるの?
ユウコ:岩がゴツゴツしているけど、所々に短い草が生えているようなところ。標高が高い所なのかな?
今はひとりだけど、父と母がいる。父は、がたいがいい。
私:その人生で、「差別」に関わることが何かありましたか?
ユウコ:民族争い? 宗教争い?
私:それに巻き込まれたの?
ユウコ:はい
私:そのことをどう思いましたか?
ユウコ:悔しがっている感情はわかる。
私:それは、戦に負けて悔しいという事? それとも同じ人間同士なのになぜ争いなんてするんだろうという感情? どちらですか?
ユウコ:どちらも。同じ人間同士なのにと分かっていても、相手を許せない気持ちに対して、自分の中に葛藤がある。
巻き込まれていっている自分への悔しさも。
両親を殺されても単純に怒りだけを感じることができず、葛藤がある。
私:「同じ人間同士なんだから」、どうあってほしいですか?
ユウコ:それぞれが生きたいように生きるのはいいけど、人のものを奪う必要はない。
私:では、それを踏まえて書き換えを見に行ってください
ユウコ:攻めてきた人たちが、この土地を欲しいというのは変わらない、こちらがこの土地にいたいというのも変わらない。
で、周波数を変えた。マサコさんが白狐と黒狐が同じ神殿の中に同時存在している話をしていたけど、そのように、同時存在して同じ場所にいるけれども、お互いに見えないようにした。
私:なるほど。「細い棒の人」に聞きますね。この書き換えで大丈夫ですか?
棒人間:人間の欲、攻撃が変わったわけではないから納得できない。
私:では、ほかの書き換えを見に行ってください
(しばらく待つ)
ユウコ:何も出て来ません
私:ではハナさん、書き換えを見てください
ハナ:とても難しい・・・。(しばらく黙っている)
私:顕在意識で解決方法を考えずに、ただ潜在意識に委ねてみてください
ユウコ:今、違う書き換えが出てきました。
攻める側と責められる側のリーダー同士が愛し合って一緒にひとつの族になった。
私:それはとても都合の良い内容ですね。笑
たまたまリーダー同士が男女で、好きになったんですよね?
棒のような人、これで大丈夫ですか?
棒人間:争いが嫌いなので、とりあえずは納得してるけど…。
私:では、あなたは光に帰りますか?
棒人間:(沈黙)
私:今のを聞いて、皆さんはどうですか?
ナオ、Mさん:納得できないかな……
そのとき、ハナさんが口を開きました。
ハナ:争っている両者がひたすら話し合った。ものすごい時間がかかったけど。お互いの土地の真ん中に話し合いの広場のような場所を作った。
代表者同士に限らず、誰でもここに来た時は、ひたすらこの広場の中で話し合う。
時々はオセロのようなゲームをやったりして、少しずつお互いのことをわかり、歩み寄っていく、そういう視点を持てるようになった。
何十年か経つ間に、だんだんひとつの集団として溶け込んでいっている。
私:ナオさんはどうですか?
ナオ:広い野原が見えるだけ。その野原がとても広いのか、あるいは人間の方が小さくなったので、そこを広く感じるのかわからないけど。
私:Mさんはどうですか?
Mさん:その土地の神様がどちらも認めている。両方の種族が、「神様が認めているんだから、その相手を認め合うことが大事なんだな」と理解する。攻撃はなく、お互いを認め合っていく。
私:「棒の人」、それを聞いてどうですか?
棒人間:神様の言葉を聞いて、それぞれの種族が衝撃を受けたように「なるほど!」と納得したのならわかるけれども、いまひとつ……。
私:では、私に視えたヴィジョンもお話しますね。
空から丸くて小さい金色の玉のようなものが、雨のように降り注いで来ています。
ひとりひとりの心? 魂? に一つずつ降り注いでいる。
そうすると、争いは続いているものの、その人たちの心が少しだけ光り始める。
争い自体はとても悲しいこと、無意味なことだけれども、棒人間さん、今の日本をみてください。
戦国時代があり、殺し合いを繰り広げ、世界での戦いにまで広がっっていった歴史があるけれども、人間はその経験を経て、今平和な時を迎えています。
戦争をしたことで、身内を亡くしたことで、辛い思い、悲しい思いをした人たちが、こんな思いをするべきではないという体験をしたからこそ、その先に光の未来を迎えることができた。
棒人間さんが今見ているその状況は、本当にとても悲しい光景ですが、その先にあるのは光の未来であること、必ずそこにつながっているはずだと、どうぞ信じてください。
悲しい、残酷な今が、いつの日かの光る未来に繋がっていくように信じて、どうか未来に希望を託してください。
必ずや光に満ちた未来が待っているはずだと、どうぞ信じてほしい。
5次元マサコが語るのを聞きながら、私自身も胸にこみあげてくるものがあり、泣きそうでした。
今は平和な日本にいますが、かつては戦いに明け暮れた悲しい残酷な歴史の中に身を置いていた人生も、1回や2回ではないのでしょう。
そのときどきの切ない感情の記憶をたぐり寄せ、涙しているかのようでした。
棒人間さんは「納得しました」と涙ぐみ、光の世界へと帰って行きました。
書き換えはどのような形でも良いのです。
今回は講座ですので、勉強のため、あえて各々の「想い」を聞きましたが、誰の書き換えでも、腑に落ちればOKです。
皆でさまざまな案を出し、論じ、感じていくことが大事なのです。
ユウコさんのふたつの過去世は、どちらも「お互いの立場の違い」に焦点を当てたものでした。
もし部屋の中に蚊が飛んでいたら、私たちは躊躇なく殺すでしょう。
蚊は害虫とみなしていますから。
一方、蚊の立場になってみれば、ただ飛んでいただけなのに、理由もなくいきなり殺されてしまったということになるでしょう。
領土争いの場合は、A族にとってはB族は「悪」であり、B族にとってはA族は「悪」になります。
光も闇もなく、「善悪」ですら、このように立場を変えれば逆転してしまうこともあり得るのです。
なぜこの1年、「光と闇」について学ぶ必要があったのかというと、今や「光の時代」を迎えていると言わていますが、その意味を「闇を滅ぼし、光だけになる」と取り違えてしまう可能性があるからなのだと思います。
本当の意味での「光の時代」とは、ひとりひとりが自分らしく生きることにほかならないのです。
以前、講座中のセッションでYさんのガイドが「光がよいわけでもない、闇が悪いわけでもない、中立であれ」と教えてくれた通りなのです。
★そのときの記事 (このときはYさんを「U子さん」で紹介しています)
Yさんが講座を受講した理由は、もちろんご本人の解放やさまざまな技法の習得もありますが、私たちに「光と闇」の概念を教えてくれるためでもあったのです。だからこそ、このタイミングで来て下さったのでした。
感謝いたします。
さて、これで話は終わりかと思いきや、後日、Mさんのガイドがさらに面白いことを教えてくれました。
(つづく)
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