(つづき)
「1day講座」では感情を書き換える(=手放す)手法を学びます。
人は日々様々な「感情」を体験します。
その感情は「思い込み」や「固定観念」となって潜在意識に残り、人生を生きにくくしています。
この感情を「A」とするなら、新たなプラス感情」「B」を見ることで書き換えが可能になります。
講座ではあらかじめ仕事や人間関係、自分の性格、他人の癖など気になるものを書いてきてもらい、それを「A」から「B」へと「象徴」で書き換える練習をします。
Nさんも上手にこなしていたのですが、「家事が苦手」を解放しようとしたら、「あれ? Bに書き換えても、なんだかしっくりこない」と言います。
「Bを見ても、書き換わった感じがしない」と。
う~ん、それはもしかしたら象徴ではだめで、過去世まで見る必要があるのかも?
ちゃんと過去世のストーリーを見る必要があるのは、解放すべき「感情」が大きい場合です。
過去世をリーディングして書き換える手法は「ミラクルセラピー講座」で教えています。
なので、「1day講座」では、過去世に関しては私が行います。
しかし、Nさん、本屋の立ち読み状態でも過去世が見える方です。
ご自分でもできるのでは? と思い、ヒプノのように誘導してみました。
通常、ヒプノセラピーでは最初に潜在意識に入るためのリラクゼーションを行うのですが、私は行いません。
行っても良いのですが、やらなくても誰でも簡単に過去世へ入れるからです。
Nさんもリラクゼーションなしで「家事が苦手な過去世」へ誘導します。
Nさん:江戸時代の女性。まだ若い、10代、奉公に来ている。
家事がうまくできなくて、女将から「あんた、何もできないね」といつも怒られている。頑張っているのに、なんでできないんだろうと思っている。
私:なぜできないんですか?
Nさん:要領が悪いから。
私:それからどうなりましたか?
Nさん:ほどなくして家に戻るけど、そこでも母親から「ほんとにあんたは成長しないね」って言われてる。
結婚しても、旦那から「お前は本当に何もできない」と言われ続ける。
ずっとそういう人生。
・スラスラと見えるので、中間世へも誘導してみます。
私:どうしてその人生を経験したの?
Nさん:何でもうまくいくばかりが人生じゃないから。努力と忍耐を学ぶため。
私:では、(こうこうこのようにして)書き換えを見てください。
Nさん:自分なりに努力もして、掃除などもできるようになった。
胸を張って家に帰った。お母さんにも褒められた。
私:さっきは頑張ってもできなかったことが、今度はどうしてできたんでしょう?
Nさん:工夫が大事。工夫ができるようになったから。
私:この書き換えで納得できますか?
Nさん:はい
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「良くない出来事を良い出来事に書き換える」というと、3次元では「良くないことはなかった」と考えがちです。
たとえば、
「病気で亡くなった」を、「病気にはならなかった」「病気になったけど治った」というように。
魂はたくさんの「経験」をしたくてこちらの世界に来ているので、「何も起こらなかった」ことにしてしまうと、(魂レベルでは)納得しません。
「何か起こった」ことの中にこそ「学び」や「気づき」が入っているので、それをそぎ落としてしまうと、まるでメイン料理のないコース料理のようになってしまい、不満足感が残ります。
そして、書き換えの効果も薄れてしまいます。
この論点はとても大事なので、ミラクルセラピー講座ではかなり詳しくご説明するのですが、今回はできないので私も書き換えを見ます。
私:じゃあ、私の見たストーリーもお話しますね。
えっと、前回と同じで、奉公先でも家でも家事がうまくできない。
でも、結婚したときに夫が家事ができない彼女に対して、「いいよ、いいよ、おめえは宇宙人なんだから。おめえにはすごい能力があるじゃないか」って。
たとえば、夫が出かける時に「あんた、今日は傘を持っていったほうがいいよ」って言うと、本当に帰る頃には雨になって助かったとか、
「あんた今日は取引先にぼたもち持っていきなよ」って持たせてあげると、取引先のおばあちゃんがちょうどぼたもちを食べたいと思っていたので、「気が利く職人さんだねえ」と気に入って仕事をたくさんもらえたり。
「そんなことができるのはおめえしかいないよ」って。
「みんな同じようなことができなくてもいいじゃないか、その特殊な能力があることで、俺はとても助けられているよ、なにしろおめえは宇宙人だからな(笑)」
夫はそう言ってくれました。
できないところを指摘するのではなく、できるところを認め、褒めてくれる。
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ストーリーを聞いていたNさんが、「そのほうがいいですね。こちらに書き換えます」
そして、「象徴」では書き換わらなかったNさんの「家事が苦手」という感情はするりと書き換わりました。
次に、「子供が二人いるけど、上の子をあまりかわいがることができない」というのも、象徴でやってみるとだめだったので、過去世へ誘導します。
Nさん:昔の日本。彼は寺の坊主で、私はそこに出入りしている建具師。
・重要な場面へ進みます。
Nさん:建具を注文されて持っていったけど気に入らなかったらしく、自分が頼んだのはこんなんじゃない、オーダーした通りに作ってないと言われ、やり直しを命じられた。
注文内容が細かくて、彼が何を求めているのかがわからない。
作り直したけど、またそれも違うと言われてしまう。
結局、「もうできない」と言ってやめた。
お金ももらえなかったうえに、
「あそこに頼んだけどできなかったらしい」と世間に知れ渡り、お客さんが減ったわけではないけど、仕事の評価が下がった。
坊主の仕事を引き受けなければよかったと思っている。
・中間世へ誘導します。
お坊さんに気持ちを聞いてみると、
「自分が求めている柄ができていないので納得できなかった。
自分は魂を表現したかったけど、彼の作品ではそれが伝わらない。
彼には申し訳なく思っていたが、自分の想いを表現したかったから」
(過去世のNさんに)
「なぜこのシナリオを体験したの?」と聞いてみます。
Nさん:客のオーダー通りに作ることがいかに難しいかを体験した。
客が作品を納得した時は大変喜ばれ、そうでない時は残念がられる。
そうやってものづくりの原点を知るため。
・書き換えを見ます。
Nさん:1回目も2回目も「違う」と言われたので、「じゃあ、一体どういうのが良かったの?」と逆に聞くと、口頭だけではなくて紙にきちんと柄を描いてくれた。
それに沿って作り直すと、3回目で「これだ、これだ!」ととても喜んでくれた。
私:どんな気持ち?
Nさん:達成感がある
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実は当時のこの「感情」を解放するために、お坊さんが今世で子供として生まれ変わっているのです。
魂には記憶がありますから、「なぜかかわいいと思えない」わけです。
それを書き換えることで、当時の感情を手放せるというしくみです。
こんな調子で、以後の書き換えも「象徴」でできないものは過去世へと誘導しました。
その数、実に10回近くに上ったでしょうか。
Nさんはどんな誘導にも躓くことなくスラスラと見えるのです。
過去世リーディングをどこで教わったわけでもなく、これが初めてなのに!
本当に驚きました。
そして、いよいよ最後の解放。
これがまた予想外の展開・・・。笑
(つづく)
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