(つづき)
過去世を視にいくと、魔女の時代が出てきました。
ユウコさんは魔女学校の生徒で、16~17歳ぐらいです。
店長は当時学校の先輩で、下級生を指導する立場にいます。
とても厳しい先輩で、失敗すると激しく叱られるのでみんなビクビクしながら緊張して過ごしています。
ユウコさんは特に緊張しています。
なぜなら、10歳位のときに厳しく叱られた経験があるからです。
先生に言われて薬品室に行ったときのこと。
指示された薬瓶を手に取り、戻ろうと振り向いた瞬間、肘がちかくの薬品棚に当たってしまいました。
ガチャガチャン!
数本の薬瓶が床に落ちて割れてしまいます。
その音を聞いた先輩がとんできて、薬品を扱うときは慎重にしなさいと厳しく叱りつけます。
まだ子供だったユウコさんは萎縮してしまいます。
それ以来、この先輩が怖くてしかたがありません。
顔を見るだけで緊張してしまうのです。
と、ここまで過去世を視て、ふと疑問が浮かびました。
なぜこの先輩は、こんなに「失敗すること」に対して厳しいのだろう?
子供の頃から誰かに「失敗してはいけない」と吹き込まれている気がします。
でも、その「誰か」は、母親ではないようです。
う~ん……、誰かしら?
ひとりのおばあさんが浮かんできました。
ユウコさんと血の繋がったおばあさんではないようです。
町外れにひっそりと1人で暮らしている方です。
昔は国中で知らない人がいないほどのかなり高名な魔女だったようです。
あるとき、国王から大きな仕事を依頼されます。
自分の能力ではとても無理だと思い、お断りしたのですが、どうしてもとお願いされます。
「あなた以外の誰にもできない。だから、あなたができなかった場合にはあきらめるから」と。
根負けして引き受けたものの、やはり失敗してしまいました。
責任を感じた魔女はそれ以来身を隠し、ひっそりと暮らしていたのです。
先輩はまだ子供の頃に、たまたまこの魔女と出会ったのです。
過去の事件のことは知りませんでした。
彼女にとっては物知りで魔法に熟知しているおばあさんにすぎなかったのです。
「魔女が魔法を使ったときは決して失敗してはいけない」というのがおばあさんの口癖でした。
先輩はその口癖を聞いて育つのです。
書き変えのストーリーを見にいきます。
女の子から親しくしているおばあさんがいると聞いた母親は、(もしかして昔の事件の魔女かもしれない)と気になります。
古い新聞を取り出し、当時の記事に写っている魔女の顔を娘に確認してもらうと、その本人だと言います。
母親は青い花束を用意し、娘と一緒におばあさんを訪ねます。
誰にも会わないようにひっそりと暮らしていたおばあさんは、突然やってきた女性に驚きますが、
「私はあなたのことを知っています。
あのとき、あの大きな仕事をあなたが引き受けてくれたことで、どれだけ国が助かったかしれない。
たとえうまくいかなかったとしても、それはやってみなければわからなかったことなのです。
引き受けてくれたことに国民全員が感謝したのです。
あれから行方がわからなくなったあなたのことをみんなが案じていました」
と言って青い花束を渡されると、魔女はポロポロと(同じ色の)青い涙を流しました。
やがて、魔女の体はだんだん薄くなって、きらきらとした青い光の粒子に分解され始め、次第に金色の光の粒子に変わり、やがて霧のように細く広がりながら上へと昇っていきました。
あとには女の子と母親だけが残されました。
そこはもう長いこと誰も住んでいない小さな小屋の中でした。
「この青い花の色は……」と言うと、ユウコさんが、「薬品室に取りに行った薬瓶の色だよね?」と言ったので驚きました。
そうです、同じ青い色です。
そして、光に変わって浄化したこの魔女は、ユウコさんの今世のお母さんでした。
職場の店長との過去世を視たはずだったのですが、なんとお母さんの解放も含まれていたのです。
姉妹版ブログ
『聖なる樹のヒプノセラピー物語』も読んでね!