3日目③
植物園に続く公園を抜けると、海に出る。
この日、ママの目的は、実はこの海だった。
R子さんが駅まで迎えに来てくれて、
タクシーで家へ向かった。
途中、R子さんが、
車窓から見える風景を
いろいろと説明してくれた。
「ここは海なの」と指さされた場所は、
夜の闇に溶け込んで何も見えなかった。
ママ:ただの暗闇。(笑)
ママは特に興味を持たなかったんだけど、
そのあとにR子さんが続けた言葉が
妙に心に引っ掛かった。
「私、この海が好きで、
満月の時とか、
写真を撮りに来たりするんです」
「満月の時は、水面上に、
月に向かって道がず~っと続いていて、
”ああ、この上を歩いて、
あの月の下まで行けたらいいなあ”って
正確ではないけど、
そんふうなことを言ったと思う。
きっと、過去世があるんだなってママは思った。
月夜の晩には、魂が、
海で失った人のことを思い出すのだろう。
そして、
月に照らしだされた海面を進んで行って、
その人に会えたらなあ・・・・って。
ママは、この海には
過去世の解放をするために
来ないといけないだろうな、
って思ったんだって。
そういうわけで3日目にやってきたんだけど、
この日は朝から風が強くて、
おまけにママたちが海に近づけば近づくほど、
ますます強く吹き荒れるような感じ。
まるで、過去世の「あの日」のように。
そう、今日みたいに風のとても強い日に、
船は嵐で転覆したのだと思う。
船に乗っていたR子さんの恋人(男性)が亡くなった。
悲報を聞いて、
この海岸に駆け付けたR子さん
(当時はまだ20歳ぐらいの女性)は、
強風の中、沖を見つめて茫然としていた。
二人は結婚の約束をしていたのだ。
彼女は恋人を失った悲しみから抜けきれず、
ある月夜の晩に、海岸にやってくると、
静かに海に入って行った。
せめて海の底でもいい、
あなたに会えるのなら・・・・。
そんな思いで、
月を見上げながら、
月光が照らし出す水面の道をたどって・・・・
1歩、また1歩・・・・
やがて、彼女の姿は水面から消えていった。
ママがこの過去世を解放すると、
なんと、亡くなった男性が現れて、
「ありがとう」と言った。
R子さんはこの過去世を聞いても、
胸に響くものはないらしく、
「なんでかなあ?」って
不思議そうにしていた。
R子さんはすごく魂で感じる人だし、
「解放」の効果も人一倍ある。
それだけに、
何も感じないっていうのが、
ママにも不思議だった。
ママ:もしかすると、この過去世は、
R子さんよりも、その恋人が
解放を望んでいたのかもしれないね~。
彼は、自分の後を追って命を絶った彼女のことを、
とても悲しんでいたから。
ああ、だから書き換えたときに、
「ありがとう」って言ったのかもしれない。
ちなみに、その恋人は、
今生でR子さんの知人に転生している。
(つづく)
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