PN:きくらげ 女性
これは後からゾッとした話です。
毎年お盆は私たち家族3人で父方の祖父母の家に集まるのが恒例でした。
私が物心がつく前から祖父母の家に行っており
祖父母がどちらとも亡くなるまで毎年の様に
帰省していました。
祖父母の住む集落では歳の近い子ども達も何人かいて帰省する度にその子達と遊んでいました。
とりわけ同い年という事もあり
高城さとこちゃんという子と仲がよかったんです。
みんな「さっちゃん」と呼び集落の子達と遊んでいました。
さっちゃんは容姿も良く長い黒髪のロングヘアで
良く笑う気さくな子でした。
そんな私も毎年祖父母の家に行くとはいえ
高校に入学したあたりからは部活動なども忙しく
一晩泊まってそのまま次の日帰宅するなど
集落の子達と遊ぶ機会も無くなり
現在までその子達と会ったことはありませんでした。
そんな中6年前に祖父が亡くなり
つい先日、祖母も亡くなってしまいました。
私達家族は遺品などの整理をする為
祖父母の家を片付けに昨日行ってきたのですが
その時の話です。
祖父母の家には大きな納屋がひとつあります。
そこの整理をしていた時です。
奥の方にあった木箱の中から
木彫りの日本人形?みたいな人形が出てきました。
かなりボロボロで朽ちていたのですが
甚平みたいな着物の胸には
「高嶋さとこ」「A型」「住所」
の書いてある名札の様な物が一緒に入っていました。
そこでさっちゃんの存在を思い出し只今も困惑しています。
両親は知らないらしいですし
祖父母は他界してしまった今、知る術はありません。
私たちと遊んでいたさっちゃんはこの子なのでしょうか?