『パトレイバーTHE NEXT GENERATION第二章』感想。ただ立つことの難しさ。 | まじさんの映画自由研究帳

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裏切られた。
面白いじゃないか!
前作では、棒立ちの実物大を使って、いかに動かさなくていい話を作っているかと批判した。しかし今作は、「二足歩行レイバーが直立不動でいる事が、いかに難しいか」をテーマにした一本となっている。

二足歩行ロボットが、ただ立つだけの棒立ち姿勢を保つ事が、いかに難しいかを、オートバランサーの不調の中で見せつける。
お得意のウンチクで押井節が炸裂している。しかも、この直立不動の話を、皮肉たっぷりに、棒立ちの実物大を使わず、CGでしか表現できない形で見せつけているのだ。
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「実物大は、第一章で散々撮ったから、もういいでしょ。」
ってな感じの開き直りっぷり。
物語を制約していた実物大プロップは、もう足枷ではなく単なる背景と化していた。
また、岩松了によるレイバー専用拳銃型37mmリボルバーカノンのウンチクも楽しい。37mmは口径ではないとか、なんでリボルバーなのかとか、誰も気にしなかったような事を延々と語り倒すのだ。
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いずれも、フィクションの中だけにある、現実に「ないもの」だ。それを、さもあったかのように延々と語るセリフの楽しいさこそ、SFの原点であり、押井守が作り出した表現の妙である。

そして、もう一本は、竹中直人をゲストに招き、格闘ゲームの話だ(笑)
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ひたすら格闘ゲームで勝つための思想のどーでもいい話を、竹中直人が寺山修司を引用しつつ、哲学的に語る!
既にレイバーの話ですらない。レイバーは、ほとんど出てこないw

つまり、コレは僕らのよく知ってる押井印の『パトレイバー』なのである!
この作品では、押井作品の楽しみ方は、受動的ではいけないという事を思い出させてくれる作品となった。いや、押井作品だけではない。全ての映画は、金払ったから楽しませろではいけないのだ。むしろ積極的に愉しみ方を見つける事こそ、大切な事なのだ。
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楽しいか楽しくないかではない。
どう楽しむかである。

今後もお付き合いしますよん。



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