「ああっ・・・ああん・・・」
両手をユニガロスの触手に縛られたダイアナンは、イスカリオスの怪力を振りほどくすべもなく、苦しんでいた。
「さやかさん!ビューナスカッター!」
ビューナスの両手から発射されたカッターがイスカリオスの両腕を切り落とす!その拍子に地面に倒れるダイアナン。
「あっ、ジュンさん!ありがとう!」
ダイアナンの操縦席からさやかが手を振る。
「さやかさん、大丈夫?」
ビューナスがダイアナンを助け起こす。
「うーん・・・ちょっと厳しいわね」
ダイアナンの破壊された腹部に目をやるジュン。
「今その触手をはずすわ。光子力ビー・・・ああっ!」
光子力ビームを発射しようとしたビューナスの背面から、イスカリオスの触手がのび、ビューナスの四肢を捕える。
「くっ・・・・」
身動きの取れないビューナスを、電撃が襲う。
「ああ~ん!」
「ジュンさん!」
苦しむビューナス。ダイアナンは援護できず、ただ見守ることしかできない。
「よし、ユニガロスよ。ダイアナンはもう戦えない。イスカリオスと協力して一気にビューナスを倒すのだ!」
ミケーネ地下帝国でモニターを眺める地獄大将軍は勝利を確信し、ご満悦だ。
ユニガロスはダイアナンを縛っていた触手を再び頭部に戻し、ビューナスに向かって発射する。
「くつ・・・」
今度はビューナスを縛る触手。しかし、それはダイアナンが自由になったことを意味していた。
「!」
腹部の損傷でかなり能力は低下しているが、ダイアナンはユニガロスの後ろに回り込み、押さえつける。
「何度も好きにやらせないわよ!」
抜け出そうともがくユニガロスをしっかりと捕まえるダイアナン。
「ジュンさん、今よ!」
「ありがとう、さやかさん!ブレストバーン!」
ビューナスの両胸にはグレートと同じブレストバーンが取り付けられたのだ!ただし、ビューナスミサイルとの競合で、グレートのように遠距離から発射するのではなく、敵に密着して高熱で溶かすという攻撃方法が採用されていた。そう、まさにビューナスの『熱いハート』である。ビューナスを押さえつけていたユニガロスの触手は爆発した。
「ダイアナンナックル!」
ユニガロスから離れたダイアナンの拳が、ビューナスを捕えていたイスカリオスの触手を次々に破壊していく。自由になるビューナス。
「さやかさん、ありがとう!」
「ジュンさん、トドメよ!」
「OK!」
背中合わせになり、前方から迫り来る戦闘獣にバストを向けるダイアナンとビューナス。
「ダイアナンミサイル!」
「ビューナスミサイル!」
「発射ぁ!」
大爆発するユニガロスとイスカリオス。
欠点を解消するため、自分たちのパートナーであるZとグレートの必殺技を装備してパワーアップしたマジンガーゴッデス。彼女たちとミケーネ帝国の最後の戦いが近付いていた・・・
【第9話完】