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当日のオズの魔法使い公演の様子をお伝えさせていただきます。
お昼の部では、幼稚園・小学校と団体が多かった開演前の会場は、熱気にあふれていました。幕が開き子どもたちは一瞬のうちに劇の世界へ。固唾を呑んで観ているうちに一幕は終わり休憩になりました。
そして、二幕へ。音楽が流れると何と会場から自然に拍手が起きました。それは、会場全体へと広がりカーテンコールまで続いたのです。誰がどう教えたわけでもなく、セリフが始まると拍手はピタリと止まりました。子どもたちは、ドロシーと旅を始めたようでした。
夜の部では、観客席は子どもと大人はほぼ同数で、最初から最後まで水を打ったように静かでした。幕が開くとそこは、きれいなカンザスの星空の場面。「オズの魔法使い」の世界が静かに静かに客席へと流れていったのです。この光景に涙がこぼれました。人々から日常を奪った震災と原発は何と過酷なことをしてくれたのかと・・・。
エピローグで、ドロシー・トト・ヘンリーおじさんが小さな家に入っていく場面があります。「私も入りたい!」という、客席からの小さな声が聞こえる中で幕が下りました。カーテンコールは、昼の部と同じようにおおいに盛り上がり、南相馬市での公演は終了しました。
お昼の部も夜の部も、舞台と客席がひとつになって響きあう素晴らしい公演で、何よりも会場が子どもたちの声と笑顔に包まれたことは本当に嬉しいことでした。公演に来てくださった南相馬市在住の方も「こんなにたくさんの子どもたちを見たのは震災後初めてだよ」とおっしゃってくれました。
夢や希望を分かち合い、そして苦労も分かち合うことの大切さに気づかされた今回の公演。「繭の会」もお手伝いをさせていただき幸せでした。プークさん、ありがとうございました。